五輪サッカー出場国ランキング

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 7月21日から競技がスタートする女子サッカーに続き、22日からは男子サッカーの戦いの幕が切って落とされる。前回大会で金メダルを獲得したブラジルなど、出場国は16チーム。地元開催の五輪で「金メダル」獲得を掲げる森保ジャパンは、はたして目標を達成できるのか。ここでは16カ国の戦力を5つの項目別(各項目20点満点)で採点。合計得点でランキング化した。

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解説

久保(写真)、堂安ら2列目のタレントが日本の強みのひとつだ。遠藤や吉田らオーバーエイジのサポートを得て、大暴れできるか【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

 総合順位1位に輝いたのはスペインだ。五輪の出場権を獲得した2019年U-21欧州選手権の優勝メンバーをベースに、ベスト4入りした21年同大会のメンバーを融合した豪華な陣容が完成した。

 今夏のEURO2020に出場したGKウナイ・シモン、DFパウ・トーレス、エリック・ガルシア、FWミケル・オヤルサバル、ダニ・オルモらは前者のメンバー。オーバーエイジとして参戦するMFミケル・メリノとダニ・セバージョス(いずれも1996年生まれで、東京五輪世代の最年長の1歳上)も同メンバーで、連係において不安はない。

 さらに、イニエスタ2世と呼ばれ、18歳ながらEURO2020に出場したMFぺドリや、オーバーエイジとして、18年ロシアW杯に出場したFWマルコス・アセンシオも選出され、ドリームチームとの呼び声も高い。

 これだけ豪華なメンバーを揃えられたのは、国内クラブに協力義務があるためだ。マンチェスター・CのMFフェラン・トーレスやローマのFWボルハ・マジョラルの招集こそ断念したが、国内リーグでプレーする選手に関しては、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督が望むメンバーの招集が叶ったに違いない。

 スペインに続くのは、ブラジルだ。6月18日に発表された18人のメンバーから、攻撃の核として期待されていたペドロとマルコムが外れたが、代わってコパ・アメリカにも参戦したエバートン所属のFWリシャルリソン、ドルトムントのMFレイニエルらが選出。よりパワーアップした印象だ。

 弱点だった守備面においても、GKサントス、CBジエゴ・カルロス、そして歴戦の雄である右SBのダニエウ・アウベスをオーバーエイジとして招き入れ、補強に余念がない。

 もっとも、前回のリオ五輪で悲願の金メダルを獲得して満足したのか、強化の熱量は落ちている。国際経験が少ないアンドレ・ジャルジーニ監督の指導力は不安材料のひとつだ。

A代表の守護神であるオチョアをオーバーエイジとして招集したメキシコ。国内リーグが協力的で、A代表との連係も良く、ベストメンバーを揃えた【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

 ブラジル以上にチームとしての完成度が高いのが、日本と同組のメキシコだ。主力選手の多くがプレーする国内リーグが協力的で、ほぼベストメンバーで参加する。

 チームの中心はプレーメーカーのMFカルロス・ロドリゲス。A代表でも欠かせない選手のひとりだ。10番を背負う左ウイングのディエゴ・ライネスはドリブル突破が武器で、18−19シーズンのベティスでは乾貴士からポジションを奪っている。

 エース候補だったホセ・マシアスは負傷のために不参加となったが、オーバーエイジとしてA代表のFWエンリ・マルティンを招集。さらにボランチ、ルイス・ロモ、守護神のギジェルモ・オチョアまでオーバーエイジとして招集し、万全の陣容を整えた。

 この3チームを追う立場にいるのが、日本とドイツだろう。

 17年12月にチームを立ち上げた日本は、海外遠征を重ねて強化を図ってきた。この継続的かつ計画的な強化こそ日本の強みだ。

 MF堂安律、久保建英、DF冨安健洋らを中心に、メンバーの多くがA代表経験者にして欧州組。そこにDF吉田麻也、酒井宏樹、MF遠藤航と、A代表でも中心のオーバーエイジを加えた陣容は、歴代最強のメンバーと言っていい。事前合宿も万全で、グループステージを東京、埼玉、横浜で戦えるなど、地の利があるのが大きい。

 一方、ドイツも一部クラブの派遣拒否に遭ったものの、ベルギーのヘントに所属するMFニクラス・ドルシュ、ビーレフェルトで堂安とチームメイトだったMFアルネ・マイヤーら今年6月のU-21欧州選手権優勝メンバーと、A代表経験のあるDFベンヤミン・ヘンリヒスら19年の同大会準優勝メンバーをバランス良く招集。問題児として知られるオーバーエイジのFWマックス・クルゼがどれだけフィットするかがポイントだ。

 その次のグループが南米王者のアルゼンチンと、韓国だろう。

 ブラジルとは対照的に、アルゼンチンはメンバー編成に苦労した。コパ・アメリカに東京五輪世代の選手が9人も招集。A代表の主力であるラウタロ・マルティネスは当然としても、アヤックスのDFリサンドロ・マルティネスやシュツットガルトのFWニコラス・ゴンサレスらもA代表の活動が優先され、東京行きのリストに加えることができなかった。

 また、オーバーエイジの候補だったFWルーカス・アラリオが負傷のために不参加となったため、オーバーエイジはGKヘレミアス・レデスマひとりにとどまった。

 ただし、20年2月に行われた南米予選における主力メンバーは招集に成功。3月の日本戦でヘディングゴールを決めた長身FWアドルフォ・ガイチや、トップ下を務め、A代表経験のある10番のアレクシス・マック・アリスターがチームの中心となる。

東京五輪世代の主力をほとんど招集できなかったフランスにとって、A代表歴36試合7得点のベテランは、頼もしい存在だろう【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 12年のロンドン五輪で銅メダル、16年のリオ五輪でベスト8の成績を残した韓国は、エースのソン・フンミンの招集こそ見送ったものの、元ガンバ大阪のストライカー、ファン・ウィジョやフランスやドイツでプレー経験のあるMFクォン・チャンフンをオーバーエイジで招集した。

 さらに、バレンシアに所属する“韓国の至宝”MFイ・ガンインや、今年3月の日韓戦で代表デビューを飾ったウインガー、イ・ドンジュンなど攻撃のタレントが豊富。このメンバーをどう組み合わせるのか、キム・ハクボム監督の手腕に注目が集まる。

 最後に日本と同じグループのチームについても触れておこう。

 フランスはチーム編成が混迷を極めた。クラブから招集拒否に遭い、東京五輪予選となった19年U-21欧州選手権の主力を招集できなかったばかりか、6月25日に発表した大会メンバーの変更まで余儀なくされた。最終的に、A代表歴のあるMFエドゥアルド・カマビンガやジョナタン・イコネらが外れ、顔ぶれは大きく変わった。

 ただし、オーバーエイジとして元フランス代表FWアンドレ・ピエール・ジニャック、同じくMFフロリアン・トヴァンの招集に成功。このふたりとリーグアンでアシスト王に輝いた実績のあるMFテジ・サヴァニエが年長者としてチームを牽引する。

 南アフリカは昨年11月のサウジアラビア遠征、今年6月のエジプト遠征など、積極的に強化を進めている。攻撃の核となるルーサー・シンとライル・フォスターのスピードは脅威だが、国際舞台で通用するか未知数で、オーバーエイジもGKロンウェン・ウィリアムズただひとり。グループAで最弱なのは否めないだろう。

(企画構成:YOJI-GEN)

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