五輪サッカー出場国ランキング

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7月23日に開幕する東京五輪だが、開会式に先立って、7月21日から競技がスタートするのが女子サッカーだ。出場国は19年W杯を制したアメリカなど、精鋭12カ国。はたして、前回のリオデジャネイロ五輪出場を逃した「なでしこジャパン」は、自国開催の五輪でどこまで勝ち上がれるのか。ここでは12カ国の戦力を5つの項目別(各項目20点満点)で採点。合計得点でランキング化した。(解説:早草紀子)

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解説

岩渕や長谷川など、攻撃陣に魅力的なタレントがそろう、なでしこジャパン。出場12カ国の中でも、十分に上位に食い込めるだけの戦力を擁しているはずだ【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 女子サッカー界において、五輪はチームの集大成という位置づけの大会だ。

 FIFA女子ワールドカップ(W杯)は、2015年大会から出場国が「16」から「24」に増えたことで、これまでの世界大会でなかなか目にすることができなかったカードが実現。前回の19年フランス大会も大いに盛り上がった。

 一方で、五輪の出場枠はわずか「12」しかない。もっとも、この出場権を獲得する過程で、すでに極限までふるいにかけられているわけで、東京五輪本番でもグループステージから実力拮抗の好ゲームが期待できそうだ。

 優勝候補の筆頭は、やはりアメリカだ。前回のリオデジャネイロ五輪では、準々決勝でスウェーデンにPK戦の末に敗れる波乱もあったが、19年W杯では揺るがぬ強さで2連覇を達成。このパンデミック下においても、今年に入って12試合をこなし、11勝1分けと負けなしだ(※7月7日現在)。

 大会が1年延期されたことで、妊娠・出産によりピッチを離れていたエースのアレックス・モーガンも復帰。分厚い選手層を誇り、戦力的に頭ひとつ抜けた存在と言っていい。

 対抗は、リオ五輪銀メダル、19年W杯3位と、近年の国際大会で実績を残しているスウェーデンだ。6月15日のオーストラリアとの親善試合で、ヨーロッパにおける代表キャップ数新記録(215試合)を樹立したベテランMF、キャロライン・セゲルを中心に、攻守によくまとまったチームだ。

 初出場ながら、オランダはメダル獲得の可能性を十分に秘めている。飛躍のきっかけとなったのが19年W杯で、ラウンド16で日本を2-1で振り切ったチームは、そのまま一気にファイナルまで駆け上がった(決勝はアメリカに0-2で敗北)。

 前線の柱は、そのW杯で3ゴールのFWフィフィアネ・ミーデマ。また元代表で、16年からチームを率いるサリーナ・ヴィ―フマン監督は、現在の女子サッカー界においてその手腕が高く評価される指導者の1人だ。

 不気味な存在なのが、かつてアメリカ代表の指揮官だったピア・スンドハーゲ監督が率いるブラジルだ。どんな個性的なタレント集団であっても、彼女の人心掌握術をもってすれば必ずひとつの“チーム”になる。もともとポテンシャルの高い選手が揃うブラジルだけに、スンドハーゲ監督の采配次第では、悲願の金メダル獲得も夢ではない。

統一チームとして戦うイギリス代表だが、中心メンバーはイングランド代表。19年W杯のグループステージで完敗を喫するなど、日本が苦手とする相手だ【写真:ロイター/アフロ】

 日本が入ったグループEは、最も各国の実力が拮抗(きっこう)している。現状で言えば、日本はカナダ、イギリスに次ぐ3番手という評価が妥当だろう。

 しかし、付け入る隙はある。

 イギリス(イングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズが統一代表チームとして出場)は当初、イングランドのフィリップ・ネビル監督(元イングランド代表)が率いると思われていたが、今年1月に辞任。3月に、日本でもプレー経験のあるヘーゲ・リサ氏が指揮を執ることが発表された。統一チームを短期間でまとめ上げなければならない難しさを抱えている。

 またカナダも、今年2月にビバリー・プリーストマン監督が就任したばかり。チームの仕上がり面から言えば、日本がわずかにリードしているだろう。

 とはいえ、初戦で対戦するカナダには、絶対的エースのクリスティン・シンクレアがいる。2000年に16歳で代表デビューし、そこから20年以上第一線で戦い続けているレジェンドだ。

 今年の五輪予選で代表通算得点を「186」に伸ばし、自身の持つ世界記録を更新。「カナダスポーツ界の宝」と呼ばれる彼女の強烈なリーダーシップには、周りの選手のパフォーマンスを引き上げる力がある。シンクレアに自由を与えないことが、カナダ撃破の第一条件だ。

 第2戦の相手であるイギリスは、イングランド代表の選手が中心を占める。日本は19年W杯でも0-2の完敗を喫するなど、あまり得意ではない相手だ。過去3戦で3ゴールを許しているエレン・ホワイトのずば抜けた決定力を警戒しつつ、日本が誇る修正力でなんとかその攻撃力を封じ込めたい。
 
 グループステージ最終戦の相手チリは総合力では劣るものの、おそらく大量失点を回避するような守備をぶつけてくるだろう。そういった相手から勝点はもちろん、得失点差も考えてより多くのゴールを奪いたい。

 ただ、やはり重視すべきはカナダとの初戦だ。その結果次第でチームの雰囲気も変わるだけに、気持ち良く白星スタートを飾りたい。なにより、開会式に先駆けて開幕するのが女子サッカー競技だ。ぜひとも、なでしこジャパンの勝利で東京五輪の幕開けに花を添えてもらいたい。

(企画構成:YOJI-GEN)

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