第52回全日本大学駅伝対校選手権大会 戦力ランキング
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第52回全日本大学駅伝対校選手権大会に出場するチームを、スポーツライターの加藤康博氏が分析。新型コロナウイルスの影響で出雲駅伝が中止となり、本大会が今年度最初の男子駅伝となるわけだが、各大学の戦力図はどうなっているのだろうか。
「走力」「エース力」「選手層」「調整力」の項目から40点満点でランキング化しました。果たして1位と予想されるチームは?
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選手層の厚さでは青学か
トラックの持ちタイムや直近の記録会などの結果で戦力を占ったところ、2校がトップの数字で並んだ。
前回の箱根王者、青山学院大は選手層の厚さが際立つ。10月に入り、5000メートルで自己ベストを更新する選手が続出。エースの吉田圭太、主将の神林勇太、箱根駅伝8区で好走した岩見秀哉など4年生が軸となるが、新戦力の台頭も著しい。箱根2区を走った岸本大紀(2年)が外れたものの、8区間すべてに主力を置ける隙のないオーダーが組める。
前回王者の東海大は塩澤稀夕、名取燎太、西田壮志の4年生エース3名が強力。また昨年の優勝メンバーのひとり、市村朋樹(3年)も好調だ。こちらも1年生がトラックで記録を伸ばしており、得意のスピード勝負になればやはり強い。
そこに続くのがこの秋、勢いがある駒澤大。故障や調整の遅れなどで4年生の足並みは揃っていないものの伊藤颯汰、小林歩、加藤淳らはしっかり結果を残している。また1年生では鈴木芽吹が9月に行われた日本学生陸上選手権(日本インカレ)5000メートルで3位に入り、大舞台での強さを見せた。タイムだけでなく、多くの選手に独走力がついていると大八木弘明監督も手ごたえを感じている様子だ。エース田澤廉(2年)も盤石で、日本インカレ1万メートルでは日本人トップ。12月の日本選手権を見据えているものの、この大会にもしっかり合わせてくるだろう。レースの流れを変えられる存在なだけに、どの区間で起用されるか注目だ。
上位に食い込む大学は…
また、上位に食い込みそうなのは明治大。絶対的なエースはいないものの、小袖英人(4年)、手嶋杏丞、鈴木聖人(ともに3年)、加藤大誠(2年)など柱となる選手が揃っており、総合力が高い。早稲田大は中谷雄飛、太田直希(ともに3年)が中心で10月に揃って1万メートルで自己ベストを更新している。選手層に若干の不安があるものの、勢いに乗れば強そうだ。
10月17日の箱根予選会を走った大学の中では、トップ通過を果たした順天堂大の選手層が厚い。2週間前にハーフマラソンを走った影響がどう出るかだが、勢いを維持できれば一気に上位戦線に浮上するはずだ。逆に予選会を落とした中央学院大、日本大はこれが今季、最後の大学駅伝となる。どちらも力はあるだけに気持ちの切り替えを含め、どう立て直してくるか。
前回12位の立命館大は昨年以上の力をつけており、今年も関東勢の一角を崩す力を秘めている。また皇学館大には、ハーフマラソン現役日本人学生最速の川瀬翔矢(4年)がいる。どの区間で起用されても存在感を見せそうだ。目標を過去最高順位の16位以上に置くも、流れ次第ではさらに順位を上げるだろう。
(文・加藤康博)