両リーグ最多となる69.91%の高得票率を得た楽天の浅村栄斗。名実ともにチームを背負う二塁手のバットに、今季も注目していきたい(写真は共同)
【先発投手】
パ・リーグ各球団のエースが、順当に上位に選出された。35.39%の得票率で1位の山本由伸(オリックス)は、“今一番見たい投手”といわれる22歳。7月25日、6試合目の先発でリーグ一番乗りの完封勝利を達成した4位(6.31%)の種市篤暉(千葉ロッテ)も、山本と同じプロ4年目の22歳だ。
現在、防御率1.91で1位の東浜巨(福岡ソフトバンク)は6位(3.92%)。ハーラートップの4勝を挙げている涌井秀章(東北楽天)は8位(2.14%)。チームメートで3位(16.48%)の則本昂大(楽天)とは切磋琢磨しているようで、そんな2人の絡みもオールスターで見たいところだ。
【中継ぎ投手】
32.73%で1位のモイネロ(ソフトバンク)は、16.88という飛び抜けた奪三振率でリーグトップの13ホールドを誇る。2位(21.68%)の宮西尚生(北海道日本ハム)は12年連続50登板記録を継続中の、パを代表する鉄腕リリーバー。4位(12.17%)のギャレット(埼玉西武)、5位(6.16%)のハーマン(ロッテ)は成績もさることながら、ギャレットは軍事学校、ハーマンはハーバード大卒と、目を引く経歴の持ち主だ。
【抑え投手】
32.62%で1位の森唯斗(ソフトバンク)は入団から6年連続の50試合登板を記録。今季は7月に入ってから三者凡退の山を築く好調ぶりだ。2位(21.44%)の増田達至(西武)も安定したマウンドさばきを見せている。3位(13.94%)の森原康平(楽天)は10試合目の登板となる7月22日に、今季初めてリリーフ失敗。カードが変わっての巻き返しに期待したい。
【捕手】
昨季、捕手として史上4人目の首位打者を獲得した森友哉(西武)が46.72%でダントツ。今季は持ち前のバッティングが不調で、苦しいシーズンとなっている。2位(26.15%)は甲斐拓也(ソフトバンク)。「甲斐キャノン」は健在だ。パの捕手で1位の打率(.265)の若月健矢(オリックス)が3位に(10.47%)。大のプロ野球ファンだという奥様のアドバイスが効いているらしい。
【一塁手】
39.87%で1位の山川穂高(西武)は7月に入って打率を落とすも、10本塁打はリーグ2位タイ。2位(21.74%)の栗原陵矢(ソフトバンク)は捕手登録だが、一塁と外野も守る。得点圏打率4割を叩き出し、今季はプロ6年目にして初の満塁本塁打を放った。3位の中田翔(日本ハム)はしばらく快音が止まっていたが、7月25日、5試合ぶりのヒットが今季10号に。興奮したRKBラジオの茅野正昌アナウンサーは「津軽海峡を越えた!」と、ユニークな表現で伝えた。
【二塁手】
山川、中田を上回る11号を記録している浅村栄斗(楽天)が1位。38打点、得点圏打率.441と、パの二塁手では突出した成績を残し、両リーグ最多となる69.91%の高得票率を得た。2位(11.04%)の外崎修太(西武)は、じわじわ打率が上昇している。西武ファンと実家のりんご農園のためにも、まだまだ“アップルパンチ”を繰り出してほしい。
【三塁手】
ロッテから楽天にFA移籍した鈴木大地が29.41%で1位。守備位置が三塁に固定され、打率3割前後を維持している。28.61%と僅差で2位になったのは、「熱男―――!!」でおなじみ松田宣浩(ソフトバンク)。4位のレアード(ロッテ)は、本塁打後の恒例“握り”パフォーマンスで、オールスターでは誰がスシを食べるのかが気になるところだ。
【遊撃手】
ファンだけでなく西武の公式アカウントにも浸透した「#源田たまらん」の源田壮亮(西武)が38.67%で1位に。守備だけでなく、セーフティーバントからのヘッドスライディングもたまらん。その名手・源田も認める好守の今宮健太(ソフトバンク)は2位(30.94%)になった。.333で打率3位タイと好調な茂木栄五郎(楽天)は3位(11.94%)に選ばれた。
【外野手】
首位打者の柳田悠岐(ソフトバンク)が27.11%で1位、打率2位の吉田正尚(オリックス)が20.33%で2位になった。OPS(出塁率+長打率/0.900で優秀といわれる)がそれぞれ1.235と1.050という、恐るべき2人である。3位・荻野貴司(ロッテ)は開幕から好調を維持していたが、故障で7月23日に登録抹消となったのが残念だ。
【DH】
バレンティン(ソフトバンク)が40.83%でトップ。中村剛也と「骨と牙」コンビを組む栗山巧(ともに西武)は2位(18.15%)。開幕から好調を維持し、球団最多安打記録を更新中だ。5位(8.60%)の清宮幸太郎はなぜいつも、国歌“熱唱”する杉谷拳士(ともに日本ハム)の向かって左後ろにいるのだろうか。
【プラスワン部門】
“キャッチボールをしただけでニュースになる男”佐々木朗希(ロッテ)が6.44%で1位。自慢の快速に注目が集まる2位(5.04%)の周東佑京(ソフトバンク)は、守備範囲の広さでもチームを救う。帝京高の後輩・杉谷のエールに励まされてか、笑顔で復活の“中村パイセン”こと中村晃(ソフトバンク)が4位(2.33%)になった。
(文:前田恵、企画構成:株式会社スリーライト)