押しも押されぬ巨人の主砲となった岡本。仮にオールスターが実施されていたら、セの4番を担っていた可能性も高い(写真は共同)
【先発投手】
先発上位10人には、各球団で好成績を挙げている投手がバランス良く選出された。首位の巨人からは、1位に菅野智之(得票率23.37%)、7位に戸郷翔征(4.31%)が選ばれた。菅野はチーム史上4度目の開幕4連勝。戸郷は開幕から3戦3勝で、巨人高卒2年目での記録はあの桑田真澄を超える快挙だ。6位(4.41%)の平良拳太郎(横浜DeNA)は25日現在、セの防御率1位。2016年オフ、山口俊(現MLBトロント・ブルージェイズ)の人的補償で巨人から移籍した。巨人の選手層の厚さを感じてしまう。10位(2.98%)には東京ヤクルトの石川雅規が選出。史上5人目となる40歳の開幕投手を務めたが、ここまで4試合勝ち星なし。通算200勝まであと29勝、オールスターの勝ち星もカウントしてあげたいくらいだ。
【中継ぎ投手】
現在10ホールドでリーグトップの清水昇(ヤクルト)が6位(10.14%)で選外に。しかも1位(26.22%)の中川皓太(巨人)、2位(23.37%)のスアレス(阪神)、5位(11.07%)のR.マルティネス(中日)の3人はチームの抑えが2軍落ちしたため、現在は代理で守護神を務めている。
3位(12.61%)の塹江敦哉(広島)は投懐状態のチームにあって、セットアッパーとして奮闘中。難読の苗字「ほりえ」はオールスターに出場すれば、広く知れ渡っただろう。
【抑え投手】
開幕からセの守護神が不安定な中、防御率5.79ながらリーグトップの6セーブを挙げている山﨑康晃(横浜DeNA)が、貫録の1位(54.28%)に。6月27日の阪神戦で、プロ入り6年目にして初のけん制球を投げたことでも話題になった。ファンは早く「ヤスアキジャンプ」で後押ししてあげたいだろう。
【捕手】
今季、打撃で開眼した梅野隆太郎(阪神)が38.86%の得票率で1位に。チームの正捕手、選手会長の2役に、チーム首位打者の称号が加わりそうな予感もする。阪神ファンのみならず、他球団ファンもなんだかほっこりさせてくれる癒やし系捕手である。死球が多く、今季もセの死球王を走る會澤翼(広島)は2位(25.01%)になった。
【一塁手】
リーグ最速の30打点を挙げた村上宗隆(ヤクルト)が、堂々の1位(37.40%)に輝いた。昨季の新人王から、セの主軸へ。アベレージ型の打棒で、セ界を引っ張る。開幕直後は18打席連続無安打と絶不調で、阪神のダメ外国人助っ人列伝に名を連ねそうな勢いだったボーアが、今や“バースの再来”と呼ばれ2位に(20.83%)。3位(16.49%)のビシエド(中日)は、和服で撮影した家族写真に心和まされる。野球ファン必見の一枚だ。
【二塁手】
41.28%の得票率で1位の山田哲人(ヤクルト)は現在、規定打席数以上の打率ランキングで、坂本勇人(巨人)とブービー争いを繰り広げている。例年、首位打者争いに名を連ねる2人に何があったのか。3位(18.83%)の菊池涼介(広島)は、ようやくエンジンがかかってきた。
【三塁手】
セ・リーグ一の激戦区となった三塁手。1位(38.05%)の岡本和真(巨人)は、本番でもセの4番に指名されそうだ。今季、再ブレークした“鯉のプリンス”堂林翔太(広島)は2位に(23.67%)。もし今季、オールスターが開催されていれば、2014年以来6年振り4度目の出場となっていたはずだ。
【遊撃手】
坂本勇人が53.03%の得票率で圧勝。セの顔だけに、オールスターのベンチには欠かせない。ヤクルトのニューフェイス、エスコバーは4位(8.97%)になった。
【外野手】
1位(23.04%)の鈴木誠也(広島)は、セのクリーンアップ候補。2位(12.08%)の丸佳浩(巨人)は打率は2割台前半ながら打点は20を超える。オールスターでも勝負強さを見せつけるか。3位(8.15%)の青木宣親(ヤクルト)は打率が3割をゆうに超え、さらに5本塁打と、38歳ながら衰え知らず。6位(5.74%)の佐野恵太(横浜DeNA)はスポーツナビのファン投票締め切り後、劇的な逆転サヨナラ満塁本塁打で株を上げた。締め切り前なら、ベスト5入りもあったか。
【プラスワン部門】
ノミネート外の選手から1名を選ぶ、プラスワン部門。1位(6.43%)の大山悠輔(阪神)は規定打席外ながら、現在リーグ4位タイの7本塁打を放っている。しかも大山が4番を打つようになってから、チームは上昇気流に乗った。これはやはり、セのベンチに入れておきたい招き猫(虎か)のような選手ということか。
(文:前田恵、企画構成:株式会社スリーライト)