MLB戦力ランキング・2023年夏

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 今シーズン中のトレード期限が終了し、プレーオフ進出、そしてワールドシリーズ制覇に向けて各球団の戦力が固まった。今回は、MLB全30球団の戦力を数値化。「打力」(30点満点)、「機動力」(10点満点)、「投手力」(30点満点)、「守備力」(10点満点)、「選手層」(10点満点)、「経験」(10点満点)の6項目に分けて評価した。さらに、トレード期限が迫るなかでまとまった移籍を「補強/放出」と7つ目の項目として設定し、加点/減点方式で評価。駆け込みトレードで「戦力」アップした球団は思惑通りの結果が得られるだろうか? 今回はア・リーグ編をお届けする。(監修:村田洋輔)

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解説

エンゼルス残留を決めた大谷翔平は、メジャー6年目で自身初のプレーオフ進出を目指す【写真:Getty Images】

 日本時間8月2日午前7時、MLBは2023年シーズンのトレード・デッドラインを迎えた。

 エンゼルスは今季終了後にFAとなる大谷翔平の放出に動く可能性も取り沙汰されたが、デッドラインの6日前に大谷をトレードせず、買い手に回ることを決断。ホワイトソックスからルーカス・ジオリトとレイナルド・ロペス、ロッキーズからランドール・グリチックとC・J・クロン、メッツからドミニク・リオンを獲得し、9年ぶりのプレーオフ進出を目指す態勢を整えた。特にホワイトソックスとのトレードでは球団内トップクラスの有望株2人を放出する出血を伴ったものの、大谷に次ぐ先発2番手を任せられるジオリトと、マット・ムーアと左右のセットアッパーを形成できるだけの実力を持つロペスの獲得に成功。将来を犠牲にした形ではあるが、大逆転でのプレーオフ進出を実現するためには必要な補強だったと言えるだろう。マイク・トラウトら故障者の復帰による戦力アップも期待できるため、ア・リーグのプレーオフ争いを盛り上げる存在となる可能性は十分にある。シーズン途中にリーグを跨いで移籍する可能性がなくなり、2年ぶり2度目のMVPがほぼ確実となった大谷には、昨季アーロン・ジャッジ(ヤンキース)が樹立したシーズン62本塁打のリーグ記録更新への挑戦も期待される。シーズン残り2カ月も大谷が球界の主役となることは間違いないだろう。

 エンゼルスの同地区ライバルも大型補強で戦力アップに成功した。早い段階でアロルディス・チャップマンを獲得していたレンジャーズは投手補強という明確な目標を持ってトレード・デッドラインに臨み、メッツからマックス・シャーザー、カージナルスからジョーダン・モンゴメリーとクリス・ストラットンの獲得に成功。打線はもともと球界トップクラスの破壊力を誇っており、投手補強に成功したことで今まで以上に投打のバランスが取れた陣容となった。昨季王者のアストロズは先発にジャスティン・バーランダー、ブルペンにケンドール・グレイブマンを加え、こちらも投手補強に成功。一方、エンゼルスとほぼ同じ位置につけているマリナーズはクローザーのポール・シーウォルドを放出するなど、今季のプレーオフ進出の可能性を残しつつも、来季以降を見据えた動きに出た。この動きが来季以降、エンゼルスとのあいだにどんな違いを生むのか非常に興味深い。

 激戦が続く東地区では、上位を走る2チームが先発投手の補強に成功。躍進を続けるオリオールズはカージナルスからジャック・フラハティ、充実の戦力を誇るレイズはガーディアンズからアーロン・シバーリを手に入れた。ブルージェイズはカージナルスとのあいだで複数のトレードを成立させ、ジョーダン・ヒックス、ポール・デヨングらを獲得。一方、レッドソックスとヤンキースの名門2チームには大きな補強はなかった。藤浪晋太郎(オリオールズ)、吉田正尚(レッドソックス)、菊池雄星(ブルージェイズ)と多くの日本人選手が所属する地区でもあるが、このうち何人がプレーオフに駒を進めるのだろうか。

 レベルの低い優勝争いが続く中地区は、首位のツインズがほとんど動かず、噂されていた前田健太のトレードもなかった。しかし、2位のガーディアンズがジョシュ・ベルやシバーリといった主力の放出に動いたため、少なくとも今季に限ってはツインズ優位の状況になったと言える。多くの主力を放出したホワイトソックスだが、ディラン・シースらはキープしており、来季以降の再浮上をうかがう。また、ドジャースとの商談がまとまりかけていたエデュアルド・ロドリゲス(タイガース)のトレードは、ロドリゲスが拒否権を発動し、不成立に終わった。

(情報はすべて日本時間8月2日の全試合終了時点)

(文:村田洋輔、企画構成:スリーライト)

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