7月25日 ボクシング速報
7/25 21:00
井上がフルトンを沈め、2団体王座奪取! 4階級制覇!
総括
写真:松尾/アフロスポーツ
バンタム級(53.52㎏)で4団体統一世界王者となった井上尚弥がスーパーバンタム級(55.34㎏)に階級をアップ。ライトフライ級、スーパーフライ級、バンタム級に次ぐ4階級目の制覇を狙い、WBCとWBOの2団体統一王者スティーブン・フルトン(アメリカ)に挑んだ。
開始からジャブと右強打を振るい井上はプレスする。立ち上がりは圧力の強さに圧倒されたかのフルトンだったが、徐々に井上の強打とプレッシャーに対応し、クリーンヒットを与えず進行する。しかしボディ打ちやジャブを当て、徐々にフルトンの体力と集中力を削った井上は8R、ボディへのジャブから右ストレートで打ち抜き、フォローした左フックでダウンを奪取。なんとか立ったフルトンだったが井上は左右連打でフィニッシュし、4階級制覇、新階級での2団体統一を成し遂げた。
勝利した井上は「次戦スーパーバンタム級で4団体を統一したいと思います」と打ち上げる。そして標的となるWBAとIBFのベルトを持つマーロン・タパレス(フィリピン)はリングに上がると、「自分自身がチャンピオンであることを証明したいので、井上尚弥選手と戦いたいと思います」とこれを受諾。「今年中にこの2つのベルトを懸けて戦いましょう」と井上が返し、さらなるビッグマッチが決定的となった。(文:長谷川亮)
試合詳細
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タパレスがリングイン
タパレス
「自分自身がチャンピオンであることを証明したいので、井上尚弥選手と戦いたいと思います」
井上
「今年中にこの2つのベルトを懸けて戦いましょう」写真:(C)SECOND CAREER -
井上のリング上でのインタビュー
「みなさん、本当にありがとうございました! 昨年バンタム級4団体を統一して、今年その返上を決意しまして、スーパーバンタム級に挑むことを決定し、練習に励んできました。ですが練習中の怪我により延期ということもあり、関係者、フルトン陣営のみなさまが延期を受け入れてくれたので、今日この日を迎えることができました。
(スーパーバンタム級は)スピードもパワーも乗り充実した試合内容が見せられたと思いますが、それでもスーパーバンタム級初戦ということで、練習中に“こうしたらいいんじゃないか”と練習を通して見えましたし、リカバリーや減量法、まだ改善できることも山ほどあるし、まだまだ強い姿を見せれるんじゃないかと思いますが、自分が思うスーパーバンタム級最強のフルトンを倒すことができたので、スーパーバンタム級最強と言えるんじゃないかと思います。
でも自分が持っているベルトはまだこの2本です。今日この会場に(マーロン・)タパレス(WBA・IBFスーパーバンタム級王者)が見に来ているということで、次戦スーパーバンタム級で4団体を統一したいと思います」 -
8R
井上はジャブを上下に振るい、フルトンもジャブを返す。井上はここでボディへのジャブから右ストレートを当て、繋いだ左フックでダウンを奪う。
立ち上がったフルトンに井上は一気にフィニッシュに向かい、左右のフックを畳み掛けレフェリーストップで勝利した。写真は共同 -
7R
フルトンは左右にステップを踏んで井上のタイミングを外し、ジャブ・右フックと放って当てるが、井上もすぐ右フックを当て返す。井上は再び圧力を発してフルトンをロープに追い左ボディフックをヒット。さらに左フック、左ジャブと追うがフルトンはブロックし、逆に井上にジャブを突き刺す。
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6R
井上は無理に前へ出ず、ジャブを飛ばしてフルトンをけん制。ジャブから右ストレート、左フックと繋げるが、フルトンは察知がよく当てさせない。井上のパンチが届いてもバックステップやブロックで威力を殺す。
左右にステップして井上の照準を外し、フルトンはジャブを返す。井上は終了間際、左フックをヒットする。 -
5R
井上は左ボディフック、右アッパーと接近してのパンチを増やすが、フルトンも右フックをヒット。井上はしかしリズムを乱さず、ジリジリと前に出てフルトンをロープに詰める。顔・ボディと井上はジャブを打ち分ける。フルトンはクリーンヒットさせずに攻防する。
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4R
井上はジャブ、ストレート、ワンツーと放ってフルトンを近づかせない。フルトンは井上の強打にやや慣れたか、頭を振ってパンチをかわし接近のタイミングをうかがう。
だが、フルトンが近づくと井上はパンチをグローブでブロックしボディ打ちを返す。 -
3R
井上はリング中央に立ちフルトンを迎え撃つ。井上はジャブを打ってフルトンのジャブ、ワンツーを誘い、その打ち終わりにジャブのリターン、あるいはカウンターを狙う。井上はボディにもストレートを打ち込む。
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2R
井上はジャブから右のパンチを角度を変えて放って繋ぎ、フルトンを後退させる。フルトンが右フックを振り返してきても井上はバックステップして空振りさせる。井上はジャブのリードからストレート、右フックと強打してフルトンを追って2Rを終える。
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1R
ともに左手を前にしたオーソドックスで向き合う。フルトンは警戒してか後ろに重心を置いて構える。井上はジャブを顔・ボディと伸ばし、右フック、右クロスと振るっていく。
前に出てプレッシャーを掛ける井上。井上は顔、ボディと引き続きジャブを振るい、右フックを繋げてヒットを狙う。たまらずフルトンはクリンチで組みつく。写真:(C)SECOND CAREER -
リングアナのコール
リングアナが紹介する間、フルトンはシャドーを見せ、右手を上げてコールを受ける。井上はアキレス腱を伸ばし、体を左右に振り、息を大きく吐き出し、やはり右手を上げてコールを受ける。
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リングイン
5年2ヵ月ぶりに挑戦者の立場となった井上は先に入場。引き締まった表情でゲートから現れ、体を振り軽くシャドーボクシングして花道を進む。リングに入ると右手を上げてファンからの歓声に応える。
続いて入場の王者フルトンは軽く跳ね、軽く跳ねて拳を振りながら前を見据えて歩を進める。そして大きくアピールすることなくリングに入る。
国歌吹奏の間、フルトンはセコンドからの言葉に耳を傾ける。対して井上は足を止め耳を澄ます。 -
試合前
リングではこの試合を裁くレフェリーが紹介され、いよいよ両者が入場へ。
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前日計量
試合前日の7月24日、横浜市内で両者の公開計量が行われた。フルトンはSバンタム級の規定(55.34kg)ギリギリとなる55.3kg、井上は55.2kgでともに一発クリアとなった。
2人は計量後のフェースオフで約30秒間にらみ合い、特に井上は関係者の制止があってもフルトンへの目線を外さず。正面を向けての撮影でも表情を崩さず、この試合に対する思いがうかがえた。
決戦は25日夜に行われる。