超RIZIN メイウェザーvs.朝倉未来

9/25 14:00予定

TKOでメイウェザーが勝利 2R終了間際の速攻

総括

注目を集めた一戦は、メイウェザーのTKO勝ちで幕を閉じた(写真は共同)

 25日、プロボクシング50戦50勝無敗、5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー・ジュニアと総合格闘家・朝倉未来によるボクシングルールに準じた3分3Rのエキシビションマッチがさいたまスーパーアリーナで開催された『超RIZIN』で行われた。

 メイウェザーは予定時刻より遅れて会場に入り、悠々とマイペースでバンテージを巻き、ミット打ちでアップを済ませて試合に向かう。

 1R、サウスポーの朝倉はボディストレートやフェイントとモーションを交えた右ジャブでメイウェザーを警戒させ攻めさせない。メイウェザーもボディを返すが、1Rが終わると朝倉は手応えがあったか笑みを浮かべる。

 2R、メイウェザーは前に出る圧力を増し、右ストレートを1発2発と当てていく。朝倉も左ストレート、右フックと当てる場面を見せ、メイウェザーは“やるな”といった笑みを見せる。しかし右ストレートを当て朝倉を誘いこんだメイウェザーは、朝倉の伸ばした右に右ストレートをカウンターしてダウンを奪取。立ち上がった朝倉だがダメージが大きく目が泳いでおり、レフェリーが試合をストップ。メイウェザーの2R KOとなった。

 試合を終えたメイウェザーは日本やRIZINに感謝を述べ、控え室に戻ってのインタビューでは「相手が何発か当ててくれて盛り上がったので、いい内容だったと思います」と振り返り、「また日本にエキシビションをしに来るのを楽しみにしています」と再登場を予告した。 
(文:長谷川亮)

ラウンド詳細

  • 試合前

     試合は契約体重なしのフリーウェイト制、3分3R、インターバル1分のボクシングに準じたRIZINスタンディングバウトルールで行われる。フリーノックダウン制で3R終了時に決着が着かない場合も判定決着は行われない。

     1試合前の第3試合が終わったあともメイウェザーは歌を口ずさみながらマイペースでバンテージを巻き準備をする。

     バンテージを巻き終えたメイウェザーは、10オンスのグローブを手で叩いて感触を確かめながら装着する。

     両手にグローブをつけたメイウェザーはトレーナーの持つミットにパンチを放ってアップを開始。公開練習の時のようにリズミカルにパンチを当て、ボディワークも見せる。

     それまで着ていたタンクトップを脱ぎ、上半身裸となったメイウェザーはさらにミット打ちを継続し軽く汗をかく。

     軽く水を摂ったメイウェザーは控え室の中で軽く歩き、ミット打ちでのアップを続ける。一方、青コーナーの朝倉は控え室を出て、陣営を引き連れ入場口に進む。メイウェザーもガウンを着て、入場の準備を整える。

     煽りVTRが終わり、先に朝倉が青コーナーから入場。朝倉は軽く跳ね、カメラに向かって左ストレートを繰り出す。リング下に着きエプロンに上がると会場に拳を上げてリングに入り、軽くフットワークする。

     メイウェザーは自身の50戦無敗の「50」が胸に躍る上着を着てゆっくり歩く。スーパーアリーナ内に入ると会場を見渡し笑顔を見せる。メイウェザーは歩みのスピードを変えず、何やら陣営と言葉を交わしてリングに向かう。ロープの間で体を振る仕草を見せリングに入ると、軽く小走りする。

     日本、アメリカの順で国歌独唱が行われ、試合の開始を待つ。

     花束贈呈で贈られる花束をマットに投げ捨てられたメイウェザーだが、表情を変えず拾い上げ陣営に手渡す。

  • 1R

     両者のコールの後、レフェリーからの注意があり試合が始まる。

     1R、朝倉はいつものようにサウスポー。右ジャブの後左ボディストレートを伸ばし、続いて右ジャブで様子を見る。そして左フックを振るわんとするが、メイウェザーはバックステップ。朝倉は再び左ボディストレート。これを当てると右ジャブで様子見して左ストレートを振るう。ガードを高くして向かうメイウェザー。朝倉は左ストレートから右フックを繋げる。メイウェザーはこれをガードしボディブローを返す。

     メイウェザーは左ジャブからボディストレートを放ち、続けて右ストレート。終了のゴングが鳴ると朝倉は笑みを浮かべてコーナーに戻る。

  • 2R

     2R、ジリジリとメイウェザーがにじり寄る。軽く伸ばした右ストレートを朝倉にヒット。朝倉が左フックを連続で振り回すが、メイウェザーは頭を振ってかわし、あとはブロックして当てさせない。メイウェザーは再びショートのストレートを繰り出しヒットする。

     メイウェザーはボディストレートを当て、朝倉のジャブを目先でかわしながら様子を見る。そして右ストレートを朝倉にヒット。朝倉は左ストレート、右フック、左ストレートとメイウェザーを追う。メイウェザーは笑みを見せてロープまで下がる。しかしそこから体をスルリと入れ替えたメイウェザーは朝倉にコーナーを背にさせ、右ストレートを当てた後で、再度カウンターで右ストレートを当てダウンを奪う。ここで2R終了となるが、朝倉は立ち上がるも目が泳ぎ、レフェリーが試合をストップした。

     試合を終えたメイウェザーは朝倉のもとに向かい、胸を叩いて健闘を称える。

  • 試合後のコメント

    メイウェザーのマイク
    「とにかく日本のみなさんに挨拶をしたいです。素晴らしい国で素晴らしい人々です。今日はたくさんのお客さんが集まってくれて素晴らしい空間でした。対戦相手の朝倉選手にみなさん拍手を贈ってください。とにかくRIZINありがとうございます。ノブさん(榊原信行RIZIN CEO)、TMTのチームのみんな、素晴らしい支えをありがとう。素晴らしい経験ができました。リングサイドの8階級王者マニー・パッキャオ、みなさん素晴らしい働きをしたと思います。今夜はファンのみなさんに興奮できる試合を届けることができ嬉しいです。今回呼んでくれてありがとう。私は戻ってきます」

    パッキャオのマイク
    「みなさん素晴らしいファイトを見ましたか? 今日が最後の招待でなくまた日本に来たいです。今日のイベント、RIZINの素晴らしいプロモーションでした。また日本に来ますのでよろしくお願いします」

    メイウェザーのバックステージインタビュー
    「相手が何発か当ててくれて盛り上がったので、いい内容だったと思います。今回あまり練習していなくてどうなるか分かりませんでしたが、相手のおかげでいい試合になったと思います。これはエキシビションなので真剣にとらえず、リラックスして楽しみました。本当に楽しむため、その経験を得るために来ています。次は11月にドバイでエキシビションをしますが、その後でまた日本にエキシビションをしに来るのを楽しみにしています」

見どころ

 フロイド・メイウェザー・ジュニアが再び日本のリングにやってくる。キャリア全勝無敗のまま5階級制覇を達成、ボクサーとしての公式レコードは50戦50勝、スポーツ長者番付でもたびたび1位に輝いており、スポーツのキング・オブ・キングスと言ってよい存在だ。

 だがKOが華とされるボクシングにおいて、メイウェザーのファイトスタイルはディフェンスと相手のコントロールを重視しており、マイク・タイソンのようなエキサイトメントには欠けるきらいがある。しかしその分難攻不落ぶりは徹底されており、マニー・パッキャオ、オスカー・デ・ラ・ホーヤ、サウル・アルバレスといったボクシング史に残る名選手が挑んでも攻略に至らず、また危うい場面もほぼ作らなかった。

 近年は那須川天心、YouTuberのローガン・ポールらとエキシビションを行っており、朝倉未来ともこうした流れの中での対戦となる。メイウェザーが最後に公式戦を行ったのは5年前、2017年8月のコナー・マクレガー戦。現在は45歳となり年齢による衰えも囁(ささや)かれるが、朝倉は奇跡を起こすことができるか。(文:長谷川亮)

  • 【メイウェザーの“仰天”エピソード8選】とにかく、稼ぎが半端ではない。ボクシングで稼いだ額は11億ドル…

    (写真:ロイター/アフロ)

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