夏の甲子園2022「8強チーム力ランキング」
記事
お届けするのは、夏の甲子園2022準々決勝進出校の「チーム力ランキング」だ。地方大会と夏の甲子園3回戦までの結果をもとに、「投手力」、「打力」、「機動力」、「守備力」、「選手層」の5項目に分けて各チームの実力を診断。1項目=10点満点で採点し、その合計値によって全8校をランク化した。(監修:松倉雄太)
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解説
第104回全国高校野球選手権大会は、8強が出そろい、明日準々決勝が行われる。2~3試合を戦ったここまでの戦いをもとに、8強を各部門別に見ていきたい。
投手力では、大阪桐蔭を9とした。川原嗣貴(3年)、前田悠伍(2年)の2投手を交互に先発させ、3試合のチーム防御率は8強でトップの1.00。3枚看板の一角である別所孝亮(3年)や、2回戦では小林丈太、青柳佳佑(ともに3年)の2投手が登板し、投手層の厚さを見せた。順番通りなら、準々決勝では左腕・前田の先発が予想される。2回戦で5回1安打9奪三振無失点と圧巻の投球を見せた左腕に目が離せない。
投手力8の3校の中では、高松商に注目したい。2試合のチーム防御率は1.50。エース左腕の渡辺和大(3年)が17イニングを投げていて、初戦で最後の1イニングをリリーフした大室亮満(2年)と合わせ、18イニングで与四死球0という数字が凄い。近江を相手にする準々決勝でも、四死球をどこまで減らせるかに注目だ。
打力でも大阪桐蔭はチーム打率.404、本塁打4という数字が光る。本塁打を打てる打線ではないというが、低く強い打球を徹底した結果がこの数字に表れていて、対戦する投手は「コントロールが少しでも甘くなると、簡単に持っていかれる」という意識になっている。
愛工大名電はチーム打率.398が大阪桐蔭に次いで2位。聖光学院は3試合で本塁打が3。三塁打3という数字は大阪桐蔭を上回る。
仙台育英は3試合で残塁が14。8強の中では最も少ない数字だ。少ないチャンスをしっかりと得点に繋げていることがうかがえる。
機動力でも大阪桐蔭の9をトップにした。盗塁数は3試合で6だが、相手に守備の隙をついて1つ余分に塁を稼ぐ姿勢が目立つ。
盗塁数トップは3試合で7の愛工大名電。宮城大会に続き隙のない走塁が目立つ仙台育英も高評価とした。
守備力のポイントの一つである失策数は、3試合で2つの愛工大名電、聖光学院、大阪桐蔭がトップ。これに2試合で2つの仙台育英が続く。近江は1回戦で3失策を喫したが、2回戦と3回戦は連続無失策で堅守を見せている。
最後に選手層。試合展開にもよるが、初戦で18選手全てを出場させ、5投手が登板した仙台育英をトップの10とした。3回戦でも序盤から代打攻勢をかけ、投手も積極的に継投。須江航監督の采配が光る。
準々決勝までの全試合を完投した投手は0で、各校とも複数投手育成の成果が出ていることがうかがえる。ただし2番手投手以降の信頼にはバラつきを感じ、今後は2番手以降の投手を使いたくても、展開次第で使えないということも出てきそうだ。
新型コロナによる特例で組み合わせ抽選会直前に日程を変更した関係で、3回戦の日程も一部変更された。それもあり、準々決勝は4試合とも、ここまで2試合のチームと3試合のチームが戦うことになった。
第2試合では、高松商と近江が激突。初戦で2打席連続本塁打を放った高松商のスラッガー・浅野翔吾(3年)に対して、ここまで全3試合に先発している近江のエース・山田陽翔(3年)がどんな投球を見せるか。また、第3試合では大阪桐蔭の強力打線に、下関国際が立ち向かう。下関国際は古賀康誠と仲井慎(ともに3年)の2人を中心に、継投を用いて勝ち進んだだけに、この試合の投手起用にも注目したい。
日程が順調に消化されたため、昨夏は実施できなかった、3回戦と準々決勝の間の休養日が運用でき、各チームが休養と準備期間をしっかりととれた上で準々決勝に臨むことがきできる。優勝までここから3試合。選手たちの悔いなきアツい戦いに期待したい。