原英莉花がシード権を放棄!? 退路を断って米下部ツアーに挑む
上位の選手が女子米ツアーに挑戦、そして人気選手の原までもアメリカへ……。(写真は2024年 資生堂レディス 撮影/相田克己) 【ゴルフサプリ】
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は15日、原英莉花が2025年シーズンの単年シードを放棄したことを発表した。今シーズンは米下部ツアーを主戦場として、来シーズンのLPGAツアー昇格を目指す強い決意の表れだといえる。
※リンク先は外部サイトの場合があります
日本ツアーとの「決別」ではなく、「強い決意」
「放棄」の言葉がファンに対してはかなり強烈な印象を与えたのでしょうか。
JLPGAが15日夕方に「原がシード権放棄」のリリースを発表した後からネットでは多くの反響がありました。
中には「JLPGAと決別するのか?」と思った人もいるためかもしれませんが、決してそういう意味ではありません。
JLPGAでは、アメリカLPGAツアーと欧州ツアーのメンバーで、1年の大半を両ツアーに参戦しようとする選手は「国際ツアー登録」することを認めています。
これをすることで、シード選手の出場義務試合数が「開催試合数の60%」から「20%」に軽減され(単年シード選手の場合。複数年シード保持者は義務試合数なし)、前年度欠場試合への出場義務も免除となります。
JLPGAは同じ大会に2年連続で欠場すると罰金100万円です。海外を主戦場とするとこのケースも頻発するので、罰金が伴う義務を免除する、というものです。
「国際ツアー登録」ができない
アメリカLPGAツアーの下部ツアーは、この「国際ツアー登録」の対象外です。
原が単年シードを保持したままだと60%以上の試合に出なければならず、前年欠場の試合への出場義務も生じます。
これをクリアするのは物理的に不可能、ということで「放棄」という手段を取ったということです。
このことで「アメリカで前半戦不振だったら後半は日本ツアーに戻る」という選択肢がなくなりました。
いわば“退路”を断ち、年間のポイントランキング上位に入って来シーズンはLPGAツアーに昇格する、という強い気持ちの表れだといえます。
JLPGAが15日夕方に「原がシード権放棄」のリリースを発表した後からネットでは多くの反響がありました。
中には「JLPGAと決別するのか?」と思った人もいるためかもしれませんが、決してそういう意味ではありません。
JLPGAでは、アメリカLPGAツアーと欧州ツアーのメンバーで、1年の大半を両ツアーに参戦しようとする選手は「国際ツアー登録」することを認めています。
これをすることで、シード選手の出場義務試合数が「開催試合数の60%」から「20%」に軽減され(単年シード選手の場合。複数年シード保持者は義務試合数なし)、前年度欠場試合への出場義務も免除となります。
JLPGAは同じ大会に2年連続で欠場すると罰金100万円です。海外を主戦場とするとこのケースも頻発するので、罰金が伴う義務を免除する、というものです。
「国際ツアー登録」ができない
アメリカLPGAツアーの下部ツアーは、この「国際ツアー登録」の対象外です。
原が単年シードを保持したままだと60%以上の試合に出なければならず、前年欠場の試合への出場義務も生じます。
これをクリアするのは物理的に不可能、ということで「放棄」という手段を取ったということです。
このことで「アメリカで前半戦不振だったら後半は日本ツアーに戻る」という選択肢がなくなりました。
いわば“退路”を断ち、年間のポイントランキング上位に入って来シーズンはLPGAツアーに昇格する、という強い気持ちの表れだといえます。
※リンク先は外部サイトの場合があります
原が持つ二つの「複数年シード」
「単年シード」とは、文字通り今年限り有効の権利です。
縁起でもないかもしれませんが、もし来シーズンもLPGAツアーに昇格できなかった場合、原は日本ツアーに戻る場所がなくなってしまうのでしょうか…
その心配はありません。
JLPGAは、複数年シードについては、権利を行使するのは条件に該当した年から10年間で任意のタイミングを選ぶことができます(ただしシーズン途中からの行使は不可)。
原は同一年メジャー2勝(2020年「日本女子オープン」&「ツアーチャンピオンシップ」)の5年シードの行使期限が2031年となっています。
さらに2023年「日本女子オープン」優勝による3年シードは、2033年までであればいつでも好きな年から権利を行使することができます。
ですので、戻る所がない、という状況ではありません。
ならば「出場義務試合数」などの“縛り”を取っ払って、存分に挑戦してくるという決意の表れですね。
恵まれた環境を捨ててでも
2024年シーズンの原は27試合で4000万円余りを稼ぎました。
一方、アメリカ下部ツアーで昨シーズン最も稼いだ選手の獲得賞金は13万6025ドル。現在の円安でも2136万円ほどです。
海外での転戦は、日本よりも経費がかかります。それでも挑戦の道を選んだ原の活躍に期待したいものです。
(文/森伊知郎)
縁起でもないかもしれませんが、もし来シーズンもLPGAツアーに昇格できなかった場合、原は日本ツアーに戻る場所がなくなってしまうのでしょうか…
その心配はありません。
JLPGAは、複数年シードについては、権利を行使するのは条件に該当した年から10年間で任意のタイミングを選ぶことができます(ただしシーズン途中からの行使は不可)。
原は同一年メジャー2勝(2020年「日本女子オープン」&「ツアーチャンピオンシップ」)の5年シードの行使期限が2031年となっています。
さらに2023年「日本女子オープン」優勝による3年シードは、2033年までであればいつでも好きな年から権利を行使することができます。
ですので、戻る所がない、という状況ではありません。
ならば「出場義務試合数」などの“縛り”を取っ払って、存分に挑戦してくるという決意の表れですね。
恵まれた環境を捨ててでも
2024年シーズンの原は27試合で4000万円余りを稼ぎました。
一方、アメリカ下部ツアーで昨シーズン最も稼いだ選手の獲得賞金は13万6025ドル。現在の円安でも2136万円ほどです。
海外での転戦は、日本よりも経費がかかります。それでも挑戦の道を選んだ原の活躍に期待したいものです。
(文/森伊知郎)
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ