チームの強みにつなげる、23歳の鋭利なジャッカル
コベルコ神戸スティーラーズ ヴィリー・ポトヒエッター選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
23歳の俊英が先発メンバーに戻ってきた。南アフリカ出身、神戸Sで3季目を迎えているヴィリー・ポトヒエッター。第2節に先発出場したが、脳振盪のため前節を欠場。「症状がなくなったのを確認できた。プレーできるのが楽しみです」と闘志を燃やす。
第2節の横浜キヤノンイーグルス戦は圧巻の出来だった。その象徴となったのが、ジャッカル(スティール)だ。ボール争奪戦の最中、巧みに、かつ力強くボールを奪い取り、守備から素早い攻撃に転じる起点に。その先には味方のトライ、ファンの歓喜が待っていた。
「ジャッカル(スティール)を自分の強みにしてきました」
そう自信に胸をふくらませる今節の7番。南アフリカ時代から持ち味として習得してきた。
「今まで教えていただいた方が、すごく熱心に指導してくれました。昨季は(神戸Sに)アーディ(・サベア)もいましたし、アーディから大きく学ぶことができましたね」
ジャッカル(スティール)は簡単な仕事ではない。相手にペナルティを与えることと表裏の関係にあるが、ポトヒエッターは冷静だ。リスクを受け止め、虎視眈々と手を伸ばす。
「不安感がないわけじゃないです。ただ、ルールを頭に入れて、やっていいこととやってはいけないことのすみ分けができれば自信をもってプレーできます。『ボールを放しなさい』とレフリーからコールが掛かればボールを放さないといけませんから、しっかりと耳を開いて、手を放せるような準備もできています」
過去2シーズンは思うように出場機会を得られなかった。それでも、「国に帰るんじゃなくて、ここで長くラグビーを続けられたら(いい)という強い思いがありました」。悔しさは反骨のバネ。自らのやるべきことに挑み続けてきた。
「与えられた機会に対して自分は真摯に応えるだけ。自分の全力を尽くしたい」
ターンオーバーからの攻撃は今季の神戸Sの強みの一つ。その起点を担うことは役割として極めて重要だが、「プレッシャーが掛かれば掛かるほど絶対に面白くなる。武者震いしているくらいです」と堂々宣言。台頭してきた新鋭が、鋭利なジャッカル(スティール)の牙をむく。
(小野慶太)
※1月9日付けで、日本ラグビーフットボール協会から通達された「用語の変更」https://www.rugby-japan.jp/news/53049を受け、『ジャッカル』に関して『ジャッカル(スティール)』としています。
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