離脱したことで得た、初めての気づき。すべてを受け入れて、成長の糧に

【©ジャパンラグビーリーグワン】

1月11日、柏の葉公園総合競技場ではNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)と日野レッドドルフィンズが対戦する。GR東葛にとっては、今季のホストゲーム開幕戦だ。

この試合では、けがから復帰した尾又寛汰が今季初出場を果たす。

尾又はけがの少ない選手だ。これまで大きな負傷の経験はなく、本人によれば「足が攣ったこともない」という。しかしその彼が、昨年10月に左足モモ裏の肉離れで戦列離脱を余儀なくされた。12月のリーグワン開幕へ向けて、チームは徐々にギアを上げていくタイミングだった。初めて味わうけがでの長期離脱に、気持ちが沈んだ。

「みんなが練習試合をしている中、リハビリをやらなければいけなかったのはメンタル的にキツかったです。ただ、僕の元気がなかったときにチームのみんなが励ましてくれました。仲間から言われて一番響いたのは『良いときもあれば、悪いときもある。それは仕方がないこと。それを受け入れよう』という言葉です。本当にそのとおりだなと思って、気持ちを切り替えました」

さらに尾又の気持ちを奮い立たせる原動力になったもの、それはチームのトレーナーと、通っている治療院の先生の尽力だった。「周りの人がこんなに支えてくれるのに、自分が落ち込んでいてもしょうがない」と前を向いた。そして、こうしたマインドの変化は、尾又に新たな気づきを与える。

「これまでは誰かのためにラグビーをするという感覚はなくて、自分が好きだからやっているし、自分がうまくなりたいからやっていました。チームのために、自分のためにプレーするというのはブレていないんですけど、活躍して、結果的にお世話になった人たちのためになってくれたらいいなと思っています」

支えてくれた人たちのためにも頑張らなければいけない。試合で元気に走り回っている姿を見てもらうことこそ、何よりの恩返しになる。

「プレーができていなかったんだから、オンフィールドの部分ではけがをしたことはプラスではないと思います。でも、けがしたことを無駄にはしたくない。それに気づけたのは良かった。リカバリー、栄養面、メンタリティ。ラグビーに付随することは絶対に成長していると思います」

けがを成長の糧とし、復帰へ向けて高いモチベーションを抱く。GR東葛のホストゲーム開幕戦。尾又がグラウンドで躍動する舞台は整った。

(鈴木潤)
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