U18日清食品 関東ブロックリーグ2024 男子 大会レポート 古山幸聖「いつでも出られる準備はしていました」桐光学園(神奈川県)

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【©U18日清食品リーグ】

桐光学園は神奈川県随一の強豪です。9年連続の出場となった今夏のインターハイでは、初戦で留学生プレーヤーを擁する明徳義塾(高知県)に粘り強いディフェンスで60-56の勝利を収めました。しかし、続く2回戦では東山(京都府)に83-100で敗れました。日本一に輝く東山を相手に17点差は善戦と言えるのかもしれませんが、彼らにとって何よりも悔いが残ったのは、前半に自分たちの築いてきたバスケを全く出せず、22-60と圧倒されたこと。立ち直った後半は61-40と桐光学園が上回りましたが、前半の大量ビハインドを覆すには至りませんでした。

自分たちのやるべきプレーをしっかりできれば、どんな相手とも戦えますが、大舞台にも動じない精神力を身に着け、安定感を備えない限りは、インターハイの二の舞になりかねません。「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」でのテーマは明確で、関東の強豪を相手に試合開始とともに自分たちのバスケを展開し、最後まで我慢強くプレーすることです。

千葉ジェッツ U18(B.LEAGUE U18)との試合も、粘り強さが増していることの証明する一戦となりました。試合は序盤から両チームとも得点が伸びない中での一進一退の攻防となりましたが、桐光学園がここ一番の決定力で上回って71-66で勝利を収めました。

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この試合、桐光学園が最後に抜け出すことができたのは、エースガードである古山幸聖選手の存在でした。古山選手は190cm近いサイズを備えた大型ポイントガードです。全国でも稀有な高さに加え、ゴール下へのドライブでファウルを受けてもバランスを崩さずにシュートを打ち切るコンタクトの強さが大きな魅力です。

千葉ジェッツ U18との試合では、前の試合で打撲を負った影響で後半途中からの出場となりました。いつもとは違う起用法による難しさがある中でも、すぐさま持ち味のドライブに加え、アウトサイドからも効果的に決めるなど得点を量産します。試合終盤には値千金のブロックショットを決めるなど、攻守に大きなインパクトを残しました。

古山選手は「仲間を信じていたので接戦で焦りはありませんでしたが、いつでも出られる準備はしていました」と振り返ります。古山選手は、インターハイの東山戦で自分の良さを全く出せませんでした。その失敗があるからこそ、同じ過ちは繰り返さないと強い気持ちを持ち、どんな状況でコートに立ってもチームを引っ張ると決めています。

【©U18日清食品リーグ】

桐光学園には留学生はいませんが、古山選手を筆頭にガード、ウイング陣も190cm前後の選手が揃い、コートに立つ全員がサイズと走力、アウトサイドシュートを備えているのが大きな魅力です。そして165cmと小さいですが、抜群のスピードで相手ディフェンスを切り崩していける黒田捷稀選手という快速ガードが、試合のテンポを変えることもできます。

この多彩なオフェンス能力を存分に発揮していくためにも、粘り強いディフェンスからの攻守の素早い切り替えが大事になります。そこから古山選手が「自信があります」と語るドライブで打開して得点、または味方のシュートチャンスを作るのが桐光学園の目指す展開です。

桐光学園のOBには齋藤拓実選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)、須藤昂矢選手(横浜ビー・コルセアーズ)といったプロ選手がいますが、髙橋正幸ヘッドコーチは古山選手を「ポテンシャルの塊です」と評します。インターハイの失敗を糧にエースとしての自覚と覚悟を増している古山選手は、「U18日清食品 関東ブロックリーグ2024」で強豪と対戦する中で自信を取り戻し、成長を続けています。
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著者プロフィール

「U18日清食品リーグ」ば、バスケットボールにおける部活・クラブなどの垣根を超えたU18年代の階層別リーグ戦です。リーグ戦文化の導入により、実力が拮抗するチーム同士の対戦や、多くの選手への出場機会、また、予定された試合/対戦相手を見据えた質の高い準備など、公式戦の試合数が確保された環境下で競技に取り組むことにより、競技力の向上を目指して設立した競技大会です。 今年度も「U18日清食品リーグ バスケットボール競技大会 2024」 として 「U18日清食品トップリーグ2024」 、「U18日清食品ブロックリーグ2024」を開催いたします。

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