「資金不足でスポーツを続けられない」を覆す!1000万円の活動費をかけてアスリートたちが【魂のプレゼン】

MELOS -メロス-

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024年11月7日、東京・有明にて、アスリートを応援するためのピッチコンテスト「AthTAG GENKIDAMA AWARD 2024」が開催されました。主催は、スポーツの未来を支援するAthReebo株式会社。最終選考に進んだ8名の「GENKIDAMAアスリート」が、支援費総額1,000万円をかけて、自らの夢や挑戦への想いを発表しました。野村忠宏さん、伊達公子さん、古田敦也さん、潮田玲子さんといったレジェンドアスリートたちのコメントも併せてお届けします。

「AthTAG GENKIDAMA AWARD」とは

「AthTAG GENKIDAMA AWARD 2024」は、オリンピックや世界大会に挑戦するアスリートたちを応援するためのコンテストです。

「おカネを理由に夢を諦めさせない」をキーメッセージに、選考を通過した8名のアスリート(以下GENKIDAMAアスリート)が、今後の活動内容や活動応援費の使い道について10分間のプレゼンテーションを行い、大賞に輝いたアスリートには活動応援費総額1,000万円が与えられます。

イベント開催の背景は。パリオリンピック後のスポーツへの注目とマイナースポーツ支援の必要性

パリオリンピックで盛り上がったスポーツですが、一部を除き、育成環境は十分とは言えません。特にマイナースポーツにおいては、その課題が顕著です。資金不足でもあり、中には家族で借金をしてでも競技を続けるアスリートもおり、非常に厳しい環境に置かれています。

このような背景を持ちながらも世界で挑戦を続けるアスリートたちを支援するために、「AthTAG GENKIDAMA AWARD」が開催されました。2024年で2回目を迎え、活動応援費も昨年より600万円が増額され、総額1,000万円にパワーアップしています。今年からは、ファンの投票によって決まる「応援のチカラ賞」も新設されています。

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最終審査に登壇したアスリートたちの「魂の訴え」

ここからは「GENKIDAMA アスリート」たちのプレゼンテーションをお届け。各アスリートが抱える現状や課題、夢に対する熱意とは。

井上 鷹 選手:サーフィン

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2000 年生まれ、宮崎県出身。SUP・ロング・ショートサーフィンの「三刀流プロサーファー」として活動。小学校時代は転校し、いじめを受け引きこもりがちだったが、サーフィンに出会いプロを目指すことを決意。15歳から競技に取り組み、SUP サーフィンでワールドタイトル獲得。海外でも高い評価を得ている。海外への移動は直行便ではなく経由便を使用するなど、苦労しながら遠征費を捻出している。

事前コメント
いじめで学校に行けなかった僕ですが、サーフィン技術とスタイルは世界で高く評価いただいています。困難な状況でもサーフィンを頑張る自分の姿を通じて見ている方を元気づけたり、励みとなれるよう努力しています。その他、アスリートとして社会に貢献する活動にも取り組んでいますが、これを続けるには資金が必要です。そのため今回のAWARD に応募しました。現在23 歳、今しかできないことを実現したいです。

プレゼン内容
井上選手「ロサンゼルスオリンピックで金メダルを獲りたい。これは『ロングボード』という種目が追加されたらの話なんですけど。追加されなかったとしても、世界一を獲ったりアジア記録を更新し続けることで、いろんな方に希望を届けられると思っています。日本に留まらず世界中の子どもたちに波乱万丈な人生からも表舞台に立てる可能性があること、夢を持つことの大切さを伝えたい。」

塚原 悠翔 選手:スノーボード(クロス)

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2003 年生まれ、富山県出身。中京大学在学中。学業の傍らアルバイトをしながら活動中。シーズン中は山形で練習を行い、約3ヶ月の海外遠征をしている。練習以外の時間でアルバイトをしているが生活費を支払うことで精一杯。用具代や遠征費は母親が借金をして工面してくれている。今年、FIS ワールドカップにも初出場した。今後は、2026 年のミラノオリンピック出場を目標に活動していく。

事前コメント
競技には多額の活動費がかかるため「もう、金銭的な理由で諦めなくてはいけないかな」と感じていた中でこのようなチャンスをいただけることになり、大変嬉しく思います。多くの方々の前でプレゼンをするのは初めてなので緊張しますが、大きな経験を積むことが出来る貴重な機会であるとともに、海外で思い切り練習したり大会に参戦したりできる費用をサポートしていただけるチャンスなので、後悔のないよう最善を尽くします。

プレゼン内容
塚原選手「海外、とくに本場のヨーロッパで練習したり大会に参戦しなければ勝てません。私は4人兄弟の母子家庭で育ち、スノーボードを始めたころの大きな夢がオリンピックに出場すること。6年後、2030年のオリンピック出場を目指しています。自分が目標に向かってチャレンジしている姿を日本のみなさんに見ていただき、勇気やエネルギーを届けられる存在になります。」
藤田 炎村 選手:ボクシング

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1994 年生まれ、愛知県出身。第45 代日本スーパーライト級王者。2023 年までサラリーマンボクサーとして活動。世界を目指すため会社を退職しボクシング1本でいくことを決意するも、突如スポンサー支援の話がなくなり一時無給生活に陥る。現在はパーソナルトレーナー等をしながら練習を続けている。来年は海外の試合に参加予定。最終的には、世界チャンピオンや海外でのビッグマッチを行うことを目標としている。

事前コメント
現役アスリートにとって奇跡のようなイベントに参加できることを光栄に思います。今、日本にはプロボクサーが約2000 人おり、その一人一人に命をかける理由とドラマがあります。しかし、彼らのほとんどがアルバイトなどの副業をしながら時間を作って活動しています。自分もそのうちの一人です。勝手にボクサーを代表して、ボクシングの持つ魅力や、僕が今抱いている野心を全力で伝えたいと思っています。

プレゼン内容
藤田選手「世界チャンピオンは、今の僕から5段階勝つことが必要。35歳までに全盛期を迎えるとして、2年後の31歳までに3段階目にいかなければこのチャレンジは失敗。もうすでに走り出していて、何としてでもこの成長感を持続させたい。世の中には自分の本音すら隠してしまうような人がたくさんいるのが事実です。僕がこの世の中を突っ走ることによって、彼らの心に少しでも火をつけることができれば本望です。」
井戸 志春 選手:アルペンスキー

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2010年生まれ、神奈川県出身。2023年ジュニアオリンピックK1部門で準優勝の実績を持つ。元々シーズン中は長野、オフシーズンは神奈川で生活していたが、小学校3年生の時に「世界一の選手になりたい」という想いを両親に伝え、家族全員で長野県に移住。現在、海外遠征費は両親が支援しているが、今後さらに活動の幅を広げていくため、このコンテストに応募。今シーズンは国内大会で着実に勝ち上がり、最終的にはワールドカップでの総合優勝を目指している。

事前コメント
こんなにも早い段階で、学びになる機会を経験できてとても嬉しいです。アルペンスキーは日本ではメジャーなスポーツでは無いので、アルペンスキーの凄さと楽しさ、私が頑張っていること、どんな思いでアルペンスキーをやっているかなどをしっかり伝えていきたいです。当日お話を聞いてくださる方々に私の想いが伝わるように全力を尽くしたいです。

プレゼン内容
井戸選手「小学校3年生から5年生になるまで泣いていて、そこから強さを求め、(弱い自分を)克服し、世界一になるというエピソードを通じて、応援していただいている皆様やこれから出会っていく皆様に勇気を与える選手になりたい。」

ここまでで前半4人のプレゼンが終了。
後半4人のアスリートや受賞結果、レジェンドアスリートの写真・コメントは
続きからご覧ください。

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