アーモンドの栄養と効果的な食べ方。食べ過ぎの目安は?[管理栄養士監修]

MELOS -メロス-
最近は健康食品としても注目を集めるアーモンド。豊富な栄養素と良質な植物性たんぱく質から、ダイエットや筋トレ民の間でも話題です。筋肉を育てるために必要なミネラルや、タンパク質が筋肉になるのを助けるBCAA(必須アミノ酸)もたっぷり含まれており、間食や補食、おやつに最適です。

今回は、アーモンドでトレーニング効果がアップする栄養素や食べるタイミング、摂取量(1日に何粒くらい食べていいのか、食べ過ぎの目安)などを、Japanマラソンクラブのマラソンインストラクターでもある管理栄養士の深野裕子さんにじっくり聞きました。

アーモンドは、健康や美容を意識する人にとって、どんなメリットがあるのでしょうか。

【MELOS】

たんぱく質だけじゃない! アーモンドの栄養素とは

種実類は全体的に脂質が5割以上を占め、マグネシウムや鉄、亜鉛、カリウムなどのミネラルやビタミンE、ビタミンB群が豊富で、食物繊維も多く含まれています。

その中でもアーモンドは、ビタミンEとビタミンB2がダントツ。たんぱく質含有量がアーモンドより高いピーナッツや、アーモンドの次にたんぱく質が多いくるみと比較しても多さが際立ちます。以下が成分表示です。

【MELOS】

ビタミンEによる強い抗酸化作用
「アーモンドの特徴としては、なんといってもビタミンEが豊富な点です。ビタミンEは強力な抗酸化作用があり、細胞を酸化から守ります。ハードにトレーニングをする筋トレ民の強い味方です!」(深野さん)

強い抗酸化作用を持つビタミンEは、トレーニング後の疲労や筋肉痛、筋力の回復を早めてくれる働きがあるとのこと。

「ハードにトレーニングすることでカラダの中では炎症が起こり、活性酸素を発生させます。活性酸素は体内の不飽和脂肪酸や細胞膜成分、組織内の機能性たんぱく質などを酸化させてしまうほか、筋肉痛の原因にも。アーモンドに含まれる豊富なビタミンEの強力な抗酸化作用で活性酸素の害を防ぐことができます」(深野さん)

ビタミンB2で脂質の代謝を促進
また、一方のビタミンB2は、糖質・たんぱく質・脂質の代謝を促し、とくに脂質の代謝を促進するとのこと。さらに細胞の再生を促し、たんぱく質の合成を促進して活性酸素によって脂質が酸化してできる「過酸化脂質」を分解する働きがあるのだそうです。

「ビタミンB2は、たんぱく質やたんぱく質の代謝に働くビタミンB6とも併せて、筋トレ民が意識して摂取したい栄養素のひとつです」(深野さん)

ビタミンB2を多く含む食品としては、赤身の魚やヒレ肉やささみなどの脂が少ない肉類、バナナやパプリカ、サツマイモや玄米にも比較的多く含まれています。

筋トレ民にとって疲労の早期回復は、高いパフォーマンスで継続的にトレーニングするのに必須。また、美容やボディメイク目的で筋トレを行う人にとって、高い抗酸化力を持つビタミンEと、脂質を分解するビタミンB2はうれしい栄養素です。この2つが、筋トレ効果をサポートしてくれるアーモンドの注目栄養素なのですね。

続いて、アーモンドは1日にどれくらい食べてよいのか見ていきます。

おいしくても食べ過ぎないで! アーモンドの適量は1日に何粒?

1日の摂取は20〜25粒ほど
普段の食事では摂りにくいミネラルやビタミンを効率よく摂取できる優秀なアーモンド。しかし、ナッツ類は総じてカロリーと脂質が高いので、食べ過ぎには要注意!

「アーモンドの脂質は不飽和脂肪酸であるn-9系のオレイン酸、n-6系のリノール酸を多く含み、オレイン酸やリノール酸は血液中のコレステロールを減らして動脈硬化を予防などの健康効果が期待できます。ただし、脂質には変わりないので、摂りすぎは体脂肪量の増加につながるので注意が必要です」(深野さん)

携帯しやすく食べやすい味なのでついつい口に運んでしまいがちですが、1日の摂取は20〜25粒が適量とのこと。

また、味付きのものではなく、ローストされた「素焼き」を選ぶとよいそうです。有効なエネルギーである反面、摂取量の半分は脂質なので“食べ過ぎは肥満のモト!”と覚えておきましょう。
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