【SPECIAL】自分たちにフォーカスすることが大前提~大岩剛U-23日本代表監督インタビュー

チーム・協会

  【©Walnix】

第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)の開幕が迫ってきました。
U-23日本代表の大岩剛監督に、これまでのチームの歩みや、本大会に向けた意気込みを聞きました。

※このインタビューは2024年6月18日に実施しました。

スタッフ間の連携が チームの長所の一つ

――パリオリンピック開幕が近づいてきました。ここまでのU-23日本代表の歩みをどのように振り返りますか。

大岩 チーム発足時からロードマップを敷き、ターゲットを決めて戦ってきました。目標に向かって歩みを進める中で、負傷者が出たり、チームに招集できない選手がいたり、ということもあってメンバーを編成してきました。選手たちには、活動のたびに「俺たちがパリオリンピック世代の日本代表だぞ」と伝え、一貫性を意識してチーム強化にあたったつもりです。われわれが積み上げてきたスタイル、攻守における約束事、規律、常に成長を求める姿勢は全く変わりません。同じことをやり続けたからこそ、U23アジアカップを制することができたと思っています。

コーチングスタッフ同士が綿密に連携を取り、チームと選手の成長を下支えした 【©JFA】

――2年4カ月の活動ではさまざまな出来事がありました。最も苦しかった時期は。

大岩 コロナ禍にあって、チームの目標が定まらなかった時期でしょうか。オリンピックの最終予選(AFC U23アジアカップ カタール2024)が延期となり、オリンピック直前の6月に開催するのではという話もありました。こればかりは誰にも分からないし、自分もどうすることもできない。選手たちも不安だったでしょうし、チームがどこを目指すべきか分からなかった時期は本当に苦しかったですね。

――そうした苦難を経て、スタッフ間の結束力も強くなったのでは。

大岩 U-23日本代表は限られたチームスタッフで活動している分、議論を重ねましたし、些細なことでもスタッフ全員の意見を聞きながら最善の選択を探ってきました。スタッフ同士がスムーズに連携している点はこのチームの長所の一つですし、AFC U23アジアカップでも、細部を磨いて良かったと感じる瞬間が多々ありました。例えば、ウズベキスタンとの決勝です。試合終了間際にレオ(小久保玲央ブライアン)がPKを止めたシーンを覚えている方は多いと思いますが、あの場面も浜野征哉GKコーチを中心に、入念に準備していました。VARが介入する可能性もあるので、GKはキッカーが蹴る瞬間、ゴールラインの前に来てはならないし、周りの選手もキッカーが蹴る前にペナルティーエリアに入ってはならない。欧州の大会でPKが蹴り直しになった映像を選手たちと見た上で、日々の練習に取り組んでいました。スタッフ全員がプレーヤーズファーストを念頭に置いたことがチームの団結心を育む一助になったと感じています。

AFC U23アジアカップ カタール2024決勝でPKを阻止した小久保玲央ブライアン 【©AFC 2024 】

金メダルを獲得する その目標は変えずに戦う

――6月上旬、オリンピックに臨むメンバー発表前最後の活動として、アメリカと連戦を行いました。「対世界」を意識し、本大会に向けて取り組みたいことは何ですか。

大岩 スタイルを変えることは考えていませんし、今までの戦い方でパリオリンピックに臨むつもりです。攻撃面では、自分たちがしっかりとボールを支配する。それをピッチのどのエリアで、いつ、どのように実践するか。ハイレベルな相手にも自分たちの持ち味を発揮できるように、あらためて選手たちに問いかけたいですね。特に、ゴール前など得点が生まれやすいエリアに関わる人数にこだわりたいですし、ゴールの再現性を高めたい。「こういう動き方をすると得点が生まれやすい」という具合に、自分たちの特長を再認識することが不可欠です。守備面では、前線からの守りと、ミドルゾーンでの戦い方を大事にしたいですね。ハイレベルな相手に対しては、ペナルティーエリア付近の守備も強固にできるように取り組みたい。クロスボールや速攻に対してはどのように対応するかという部分も含め、誰が出場しても遜色ありませんが、細かい部分を再確認するつもりです。

パリオリンピックを「選手たちにとってチャレンジングな大会にしてほしい」と大岩監督 【©Walnix】

――パリオリンピックのグループステージでは、パラグアイ、マリ、イスラエルと対戦します。各国の印象はいかがですか。

大岩 どの国も本当に強いですよ。パラグアイの試合も見ましたし、マリとは今年3月に対戦しました。イスラエルとは昨年5月のU-20ワールドカップで対戦し、そのとき日本は敗れています。とはいえ、われわれは自分たちがすべきことを表現するだけ。自分たちにフォーカスすることが大前提だと考えています。

――最後に、本大会に向けての意気込みをお願いします。

大岩 選手たちには、自分自身の成長を感じられる大会にしてほしいです。私自身、ワクワク感とプレッシャーがあります。周囲が期待しているのは前回大会以上の結果で、それはすなわち決勝に進むことです。われわれもそこをターゲットに強化を続けてきました。パリオリンピックの決勝に進出して、金メダルを獲得するという目標は変えずに戦います。

勝負強さを発揮し、アジアの頂点に立ったU-23日本代表。パリでの躍進を見据える 【©AFC 2024】

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