蛭田みな美のENJOYゴルフ!!⑨ラフからのアイアン
【スポニチ】
◆23年国内女子ツアーで初優勝した蛭田みな美プロ 習得すべきランニングアプローチの極意を伝授
蛭田 9番アイアンなどロフトの小さいクラブを選択する人は多いと思いますが、私は58度のSWで行います。
常住 ある意味転がしには適していないロフトの大きいクラブをあえて使う理由は?
蛭田 飛びすぎの心配はありませんし、SWでランニングを行う女子プロは結構います。もちろん、普通に打つと転がらないので、ボールを右足爪先の前にセットし、ロフトを立てた状態で構えます。両手がボールよりも目標に近いハンドファーストの形になります。
常住 両腕とクラブでy字を作るわけですね。
蛭田 スイング中はそのy字を崩さないように打つのがポイントです。アマチュアの皆さんはどうしても手首を使うなど、手でクラブを操作しがちですが、それがダフリやトップといったミスの原因となります。y字を崩さなければ、手首を使わずにボールを打てます。
常住 アドレス時の立てたロフトのままインパクトを迎えられるので、ボールも転がりますね。
蛭田 さらに、足のラインを目標の右に向けるクローズスタンスに構えます。スタンスの向きに沿ってクラブを振り抜くことで、インサイドアウトの軌道になり、ボールにフック回転がかかります。その分、ボールが転がりやすくなるというわけです。
常住 クラブを短く持っていましたが?
蛭田 ランニングに限らず、アプローチでは常にグリップエンドから指3本ぐらい余らせるように握ります。
常住 アマチュアはアプローチでボールの飛び過ぎを嫌いますが。
蛭田 この打ち方なら結構振っても飛び過ぎる心配はありません。SWで打ちますし、むしろ、スイングを緩めずに振り抜くように心がけましょう。
常住 うまく打てない人に向けてのドリルはありますか?
蛭田 おそらく手首を使い過ぎることがミスの原因になっているはずです。y字を崩さないようにするには、クラブのシャフト部分を握って練習しましょう。ちょうどグリップ部分が左腕の内側に密着しますが、
クラブを極端に短く持ち、グリップ部分を左腕の内側に密着させて構える 【スポニチ】
スイング中はクラブが左腕の内側から離れないようにする 【スポニチ】
常住 なるほど、これなら手首を使わなくて済みそうですね。
蛭田 あとは右手よりも左手が地面に近くなるクロスハンドに握って打つのも効果的です。どちらもハンドファーストに構えるのがポイントです。ボールを上げようとせず、アドレスで構えたときのロフト通りにインパクトを迎えることだけを考えましょう。
アドレスでのロフトどおりにインパクトを迎えよう 【スポニチ】
◇蛭田 みな美(ひるた・みなみ)1997年(平9)7月15日生まれ、福島県出身の26歳。3歳でゴルフを始め学法石川高時代の14年世界ジュニアで個人3位、永井花奈と組んだ団体戦で優勝。同年日本女子アマ優勝。16年プロ入り。23年CATレディースでツアー初V。家族は両親と姉、プロゴルファーの兄・玲於(28)。
◇ジミー・常住 本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれ、東京都出身の42歳。日本プロゴルフ協会(PGA)会員。
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