パターの握り方5種類!グリップの選び方やパターの選び方を解説
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「パターの握り方にこだわりはない」「ショットと同じように握っている」などという人もいると思いますが、パターの握り方には、大きく5種類が存在します。
スコアを伸ばしたいと思っていても、3パットや4パットしていては、一向にスコアは良くなっていきませんよね。
パットは、ゴルフにおいて非常に重要です。
ここでは、基本的なパターの握り方に加え、グリップの種類、自分に合ったグリップの選び方までをお伝えしていきます。
これからゴルフを始める人、パターが苦手だなという人は、ぜひともここから自分の形を見つけてみましょう。
基本的なパターの握り方!逆オーバーラッピングとは?
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この握り方は、パターの基本的な握り方になるのでしっかり覚えておきましょう。
通常のスイングでも使用する「オーバーラッピング」という握り方は、パターグリップが平らになっている上の面に左手の親指を合わせ、そのまま握った上に、右手で左手の親指を包み込むように握る方法です(右打ちの場合)。
パターの握り方の基本となる「逆オーバーラッピング」とは、オーバーラッピングのときに重ねる指が、逆になるものです。
パターを右手で握り、その上に左手が重なるように握ります。左手の人差し指が、右手の小指の上に来るようにするのです。
こうすることで、手首を使いにくい安定した形を作ることができ、振り子運動のように、軌道のぶれにくいスイングができるようになります。再現性の高いパットが実現できるため、多くの人から選ばれている握り方です。
パターの調子が悪い、入らなくなってしまったと悩んでいる人は、この「逆オーバーラッピング」に立ち返って練習してみましょう。
そこから、それを応用した自分に合った握り方が見えてくるでしょう。
逆オーバーラッピンググリップでプレーをしているプロゴルファーは?
パターの「基本」と言えるこの握り方は、ゴルファー人口の中でも圧倒的な割合を占めています。
誰もが知るトッププロの中では、過去に世界ランキング1位になったこともあるローリー・マキロイもその1人。
タイガー・ウッズもこの握り方を採用していて、教科書どおりの理想的なグリップでプレーをしていると評されています。
世界を舞台に活躍している日本を代表するプロゴルファー、松山英樹もオーソドックスな逆オーバーラッピンググリップでプレー。
同じ逆オーバーラッピングと言っても、テンフィンガーに近いくらい両手の間隔を広く空けて構えたり、構えた右手の人差し指をピンと伸ばしてグリップに添わせ、手首の動きを抑えるなど、それぞれに工夫が見られる変則グリップでプレーをしているプロゴルファーも多くいます。
右手が強ければクロスハンドグリップがオススメ!
【(c)Gridge】
2つ目に紹介するのは、クロスハンドグリップという握り方です。
この握り方は、先ほど説明した逆オーバーラッピンググリップの握り方を逆手にして行います。左手が下、右手が上の形です。
やってみたらわかるのですが、このクロスハンドグリップ、非常に窮屈に感じます。ほとんど左手1本で打つような感覚を覚える人も多いです。
実はこの窮屈さが、たとえば手に力を込めてしまい、強さの加減が苦手という人にはちょうどいいのです。
パターは力ではなく形で打つものです。そのため、スイングの途中で手におかしな力が入ると、引っ掛けてしまったり、インパクトで緩んでしまったりと、失敗につながります。
クロスハンドグリップで打つことで、ヘッドが暴れず、フォローが低く出せることで、芯を外す動きを防止することができるようになります。
そのため、真っすぐ打てるようになり、直進性を増すことができます。
右利きで、利き腕の力が強過ぎる人は、一度このクロスハンドグリップを試してみることをオススメします。
クロスハンドグリップでプレーをしているプロゴルファーは?
中学時代野球に熱中したという彼は、もともと左利き。しかし、ゴルフでは右打ちでプレーしています。
彼のクロスハンドグリップはかなりウィークに握られていることが特徴です。
これは左利き特有で、左でリードしたい形。始動からインパクト、フォローまで、どこまでも緩みがなく、しっかりと固めてボールを打っていくグリップの形です。
また、石川遼もクロスハンドグリップをたまに採用しています。
2019年7月、日本プロゴルフ選手権でプレーオフの長丁場を制した際、彼が長年使用し続けている、オデッセイのL字マレットパターのブームが来ると噂されました。
L字マレットパターもそうでしたが、その独特なクロスハンドグリップにも多くの注目が集まりました。
クロウグリップで繊細なタッチと距離感を実現
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クロウグリップという握り方です。
この握り方は、左手はオーバーラッピンググリップと同じなのですが、右手は指を伸ばして、手の甲を正面に向けて添えるだけ、というものです。
他の人がこの握り方をしていると、先に紹介した逆オーバーラッピンググリップ、クロスハンドグリップとは一目で違うものとわかる形になります。
右手を添えるだけにすることで、右手の力があまりパターに伝わらず、より力が抜けたパッティングになります。
繊細なタッチが実現できますので、ショートパットが苦手という人にオススメです。
クロウグリップの中でも、右手の添え方で、パッティングが変わると言われています。
まず、右手でしっかりとグリップを握る方法。左手全体でストロークをすることには変わりませんが、右手を振り子のように動かすことで、パターヘッドがスムーズに動くという特徴があります。
次に、ペンシル型クロウと呼ばれる、鉛筆を持つイメージで人差し指と中指をグリップに添えるだけの形。一般にクロウグリップとして紹介され、プロゴルファーも取り入れているクロウグリップの多くはこの形で、クロウグリップ=ペンシル型クロウと認識している人も多いです。
最後に、ペンシル型クロウで添えていた指を、人差し指1本だけにする、指1本クロウ。こちらは右手をほぼ使うことができないため、慣れないとパターの重さで軌道がブレブレになってしまう危険性が。
左利きの人や、左手が強過ぎるという人は試してみるといいでしょう。
クロウグリップでプレーをしているプロゴルファーは?
トミー・フリートウッドはその中でも、右手を上から添えるものではなく、下から親指と人差し指の間にグリップを挟み、パンチを入れない工夫を施しています。
そして日本では、女子プロゴルファーの吉田弓美子、原江里菜、堀琴音らがクロウグリップでプレーをする姿が見られるようになりました。
太グリップで有名なグリップメーカーの「スーパーストローク」からは、クロウグリップ専用のグリップも販売されています。
今後、クロウグリップでプレーをするアマチュアゴルファーが多くなるかもしれません。
左肩支点でパッティングの方向性アップ! アームロックグリップ
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これは、中尺パターを用い、パターグリップの中間部を左手で握り、左手の上腕部にグリップを沿わせて、一体化させるイメージのグリップ方法です。
このグリップの最大の特徴は、左腕と沿わせたグリップは一体であり、絶対に離れないようにしてストロークすること、という点です。
注意したいことは、あくまでグリップは沿わせるだけで、グリップの根本を腕に触れさせ、支点にすることはいけません。
この方法は「アンカリング」と呼ばれ、長尺パターを使用する際に多く用いられていた方法ですが、2016年、ゴルフルールにより規制されました。
アームロックグリップは、左腕を主体にしたストロークの究極形とも言え、高い方向性を維持することができるというメリットを持ちます。方向性に悩んでいるという人は、試してみるといいでしょう。
ただし、左肩からクラブヘッドまでが必然的に一直線になるため、自然と強いハンドファーストになってしまいます。
これを避けるためには、通常よりもロフトのついたパターを使うか、アームロックグリップ専用のアームロック式パターというものも発売されていますので、そちらを使用してみましょう。
アームロックグリップでプレーをしているプロゴルファーは?
まず有名なのが、日本でも人気のあるアダム・スコット。
彼はもともと長尺パターの利用者で、アンカリング規制により、一時ワールドランキングを下げてしまった1人ですが、アームロックグリップを採用したことにより、みるみる復活。
腕が常に先行しているため、出球が安定し、調子を取り戻しました。
そして、バッバ・ワトソン。
PGAツアーでも上位に入る飛距離に、アームロックグリップを使用した繊細なパターが加われば、無敵間違いなし。
右手をクロウグリップのように添えるだけにすることで、極限まで左手主導のストロークを意識しているようですね。
合掌がパッティングリズムを整える! プレイヤーグリップ
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ここで言う「プレイヤー」とは、「player」ではなく、「prayer」(祈る人)のこと。
手のひらを合わせるようにしてグリップを握り、両手の親指をくっつけて構えるグリップ方法です。
この構えが合掌しているように見えることから、プレイヤーグリップと名付けられました。
他のグリップ方法と違い、両手の高さが同じなため、両肩の高さも揃うことがこのグリップの特徴です。
両肩と手で二等辺三角形が作られ、ストロークの安定性が増す効果があります。
細いグリップは親指を揃えると握りにくいため、最近アマチュアゴルファーの使用率も高い、太いグリップを使用したほうがプレイヤーグリップがやりやすいでしょう。
プレイヤーグリップでプレーをしているプロゴルファーは?
女子プロゴルファーの堀奈津佳選手が、プレイヤーグリップを採用している数少ないプロゴルファーの1人です。
パッティングのストロークがバラバラで、タッチが合っていなかったと苦しんだ時が、堀奈津佳選手とプレイヤーグリップとの出会いだったようです。
プレイヤーグリップでパターを振り子のように使ったイメージでパッティングを行っています。プレイヤーグリップで一定のリズムを身に付ける目的で、その不調から脱したと言われています。
プレイヤーグリップは「振り子」のようなパッティングをイメージしやすいため、パッティングストロークの基本に立ち返ることができるものです。
自分のパッティングに悩んでしまった時、一度プレイヤーグリップのイメージでパッティングを復習してみることで、パッティングの感覚が良くなる可能性もあります。
実際にラウンドでプレイヤーグリップをするだけでなく、練習に取り入れてみても新しい発見があるかもしれませんね。
パターグリップの種類を知ろう
【(c)Gridge】
まず、パターグリップには大きく3種類の形状があります。
「テーパー」と呼ばれる、グリップからヘッドにかけて緩やかに細くなっているもの。
「ノンテーパー」と呼ばれる、太さが均一なもの。
「ピストル型」と呼ばれる左手でグリップする部分が特に太くなっているものの3種類です。
グリップの太さにも、様々なものがあります。
元々は細いパターグリップが一般的でしたが、最近では多くの人が「極太」と呼ばれるとても太いグリップを使っている姿を目にするようになりました。
それでは、自分には一体どんなグリップが合っているのか?
以下で解説していきます。
パターグリップの選び方
グリップを選ぶ前に、まず、自分のパッティングの方法を振り返ってみましょう。
真っすぐ引いて、真っすぐ出すというような、スムーズなストロークをしたい人には、余分な力が入りにくい、太いグリップが向いています。
手の力を使ってパッティングを操作したいという人は、細いグリップがいいでしょう。
ストロークの際、パターのフェースを開いたり閉じたりする方や、フィーリングを大切にしたいという人も、細いグリップがおすすめです。
また、グリップとヘッドの形は同じ特性を持ったもの同士が合うと言われているように、ヘッドの形で選ぶ方法も。
一般的にどのヘッドにも合うのは、太い、細い、普通に太さで区切った場合、「普通」のものです。
初めての場合は普通のグリップをつけて、様子を見てみるのがいいでしょう。
例えば昔ながらのピン型のパターは、普通よりも細めのグリップがおすすめ。手元の操作性が良くなります。
そして、最近よく見かけるようになった、マレット型や大型マレット型のパターには、普通よりも太めのグリップがグリップの特性とパター形状の特性が合致します。
太いグリップを装着することで、大きい分、手が使いづらくなることを受けて、マレット型のパターの基本である「真っすぐ引いて真っすぐ出す」という動きがやりやすくなるからです。
またテーパー、ノンテーパー、どちらにも属さないのがピストル型のパターグリップ。
左手の小指部分が太くなっている非対称の形が特徴で、細身でも手馴染みが良さはピカイチのグリップです。
テーパー、ノンテーパーのどちらのグリップもしっくりこないという方はぜひピストル型を試してみてください。
実際に試して握りやすさを確かめよう
最近はインターネット通販でもパターグリップが販売されており、自分で選んで購入し、ゴルフショップやゴルフ工房などで装着してもらう人もいると思います。
いままで使っていたものと同じグリップをリピートするのであればその買い方でもいいと思いますが、初めて選ぶパターグリップであれば、実際に握ってみて、その具合を確かめることが一番です。
上記で紹介した選び方以外にも、自身の手の大きさも考慮に入れましょう。手の大きさは人それぞれ違いますので、人によって太さの感じ方が異なります。
また、パターグリップの形状や太さが同じでも、使われている素材によって、触り心地や重量などが異なり、使用した感想が変わることも珍しくありません。
パット数は1ラウンドの中で、スコアの約40%を占めています。
そのパット数を縮めるには、ラインの読みも重要ですが、思ったようにストロークできる技術、その技術を助けるグリップとの相性も非常に重要です。
3パットを頻発する人は、それが2パットや1パットにできれば、スコアも大きく変わってくるはずです。
この機会に、パターグリップを見直して、スコアアップを図りましょう!
パターの形状と合うストロークタイプを見てみよう
【(c)Gridge】
ヘッド形状と合うストロークを見てみましょう。ヘッド形状に合うストロークタイプがわかれば、おのずとベストマッチなパターグリップも見えてくるはずです。
フェースの開閉を使うピン(ブレード)タイプのパター
ピンタイプのパターは手のタッチで距離感を出しやすいとも言われており、感覚で距離感を出していくタイプのゴルファーに合う可能性が高くなります。
またストロークタイプはイントゥインのストロークで、フェースを開閉させるゴルファーに合うと言われており、パターを軸回転で打つイメージの人に合いやすいでしょう。
真っすぐ引いて真っすぐストロークするネオマレットタイプのパター
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このネオマレットタイプのパターは、振り幅で距離感を出すタイプのパッティングと相性が良いと言われています。振り幅で自分の基準となる距離を作っていきたいゴルファーにオススメの形状です。
またピンタイプよりもオフセンターヒットに強いと言われているのも特徴の1つです。
パターの芯を外してしまった時でも方向や距離がズレにくく、パッティングが安定しない場合にも有効な選択肢となるヘッド形状です。
真っすぐ引いて真っすぐ打つ、というストロークタイプのゴルファーにぴったりで、ピンに向かっていくラインへアジャストしやすい形状と言えます。
大きすぎるヘッドが合わない人はマレットタイプのパター
【(c)Gridge】
ピンタイプよりもオートマチックにパッティングができ、ネオマレットタイプよりも手でタッチの感覚を出しやすいと言われています。
ちょうどピンタイプとネオマレットタイプの中間の性能を持ち合わせており、イントゥイン、ストレート、どちらのストロークタイプでも対応できるバランスの良さが特徴です。
パターは身長によって選ぶ長さが変わるの?
【(c)Gridge】
しかしちょっと考えてみるとどうでしょうか。
身長が150センチの小柄な女性と190センチの長身の男性。身長差が40センチもあるのにパターの長さはおよそ3センチほどしか変わらない、というのはなんだか違和感を覚えます。
しかしパターは、アドレスの時の前傾姿勢や、グリップを握る位置など、自分で調整している方も少なくありません。
結局パターの長さは身長で決めるというよりは、自分が一番しっくりくる気持ちいい長さを選ぶのが正解になります。
事実33インチのパターを選んでも、身長が低いゴルファーの中には、目一杯長く持つとアドレスが非常に窮屈になってしまう場合も。
そんな時、グリップを短く持って調整しているゴルファーも多くいます。他にも、長くグリップする人の中には、アドレスで前傾を起こして握る人など様々なタイプがいます。
逆に非常に身長が高い190センチくらいあるゴルファーにも、腕を下げてアドレスを取る人や、背中を丸めてアドレスをする人もいます。
そのため身長が何センチならこの長さ! と決めてしまうのはちょっと待ってください。
パターの長さは自分がアドレスをして、グリップの位置で決めるのがベストな長さとなるでしょう。パターでもシャフトの長さが合わない場合はシャフトカット、シャフト伸ばしを考えても間違いではありません。
ちなみにパターフィッティングなどでは、手首から地面までの距離を目安に基準となるパターの長さを決定しますが、それが絶対ということではありません。
ゴルフ初心者にはどのパター形状がいいんだろう?
【(c)Gridge】
これまでの経験値もありませんし、正直何を選んでいいのか迷う人も少なくありません。
最終的にはフィーリングで選ぶことになると思いますが、オフセンターヒットに強く、イメージが出しやすいストレートのストロークタイプとの相性がいいネオマレットタイプのヘッド形状をオススメしたいと思います。
ゴルフ初心者ではフェースの開閉をするイメージよりも、真っすぐ引いて真っすぐ打つというイメージがしやすいでしょう。また毎回芯でヒットできるとも限らないため、ミスに寛容なヘッド形状を選ぶと、ミスヒットを緩和してくれます。
パターの握り方と種類やヘッド形状の選び方を知っておこう
【(c)Gridge】
パターはとにかくカップインさえできればいい、と言われますが、自分の感覚と合いやすいパターや使いにくいと感じるパターにはある程度傾向があることも事実です。
パターの正しい選び方を理解して、自分に合う最高のパターを選んでください。
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