トレイルランに特化した戦略的な補給について
【写真提供:アウトドアハッカー】
トレイルランの補給食は、実にたくさん種類があります。
良い走りをするには、補給食の働きや、効率的に吸収させて力に変えるには何を気を付けるべきか知っておく必要があります。
補給のメカニズムを知れば、補給食を選ぶ楽しさも増えます。
そこで、まず知っておきたいのが
補給時にどんなことに注意すべきか
ということです。
本記事では、その注意点に特化して解説していきます。
良い走りをするには、補給食の働きや、効率的に吸収させて力に変えるには何を気を付けるべきか知っておく必要があります。
補給のメカニズムを知れば、補給食を選ぶ楽しさも増えます。
そこで、まず知っておきたいのが
補給時にどんなことに注意すべきか
ということです。
本記事では、その注意点に特化して解説していきます。
必要カロリーを予測する
一般的には、METs基準で消費カロリーを計算して、自分のフィニッシュタイムから必要となる補給食を準備すると思います。
METsとは安静時の酸素摂取量を3.5ml/kg/分とした時に、その運動で何倍のエネルギーを消費したか示したものです。下記のサイトでその詳細を確認できます。
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
METsは、いわば運動強度なので、ここから該当する運動を選択します。走るペースにもよりますが、ランニングのクロスカントリーが近いので、9.0METsとするといいかと思います。
この数値をベースに、
消費カロリー = 時間 × 体重 × 運動強度 × 1.05
を計算してみましょう。時間は、出場予定のレースの距離から予測される自分のフィニッシュタイム。運動強度はMETsです。この結果が、目安となるカロリーです。
METsとは安静時の酸素摂取量を3.5ml/kg/分とした時に、その運動で何倍のエネルギーを消費したか示したものです。下記のサイトでその詳細を確認できます。
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
METsは、いわば運動強度なので、ここから該当する運動を選択します。走るペースにもよりますが、ランニングのクロスカントリーが近いので、9.0METsとするといいかと思います。
この数値をベースに、
消費カロリー = 時間 × 体重 × 運動強度 × 1.05
を計算してみましょう。時間は、出場予定のレースの距離から予測される自分のフィニッシュタイム。運動強度はMETsです。この結果が、目安となるカロリーです。
予定消費カロリーはあくまで目安、実際はそううまくいかない
私もレース前に予定する摂取カロリーをMETs表で計算しますが、実際レースが始まると、その計画通りにいかないことがほとんどです。20km地点までにこれを取ろうと決めても、目まぐるしく変わる体調や気候により予定通り取れない、といったこともあるからです。
だから、あくまで目安として考慮する程度です。
うまくいかなかった時の対策として重要なのが、レース前のコースの予習です。
オススメは高低図に補給ポイントを記入しておくこと。最近はYouTubeにコース解説動画もあるので、参考にしたいところです。
何度か山に入ると、自分がジェルや固形食を摂取できない地形や状況がわかってきます。
私もそうですが、きつい傾斜が長く続くようなトレイルでは、固形食の摂取はもはや不可能です。呼吸もしなくてはならないし、上りを走ることにより骨格筋に血液が使われてしまうからです。
胃の中のものを消化するには、体が消化に集中できる状況が必要になります。つまり平地やテクニカルではない下りのポイントです。
補給のポイントを高低図に予め書き込んで置き、確実に補給をしましょう。
だから、あくまで目安として考慮する程度です。
うまくいかなかった時の対策として重要なのが、レース前のコースの予習です。
オススメは高低図に補給ポイントを記入しておくこと。最近はYouTubeにコース解説動画もあるので、参考にしたいところです。
何度か山に入ると、自分がジェルや固形食を摂取できない地形や状況がわかってきます。
私もそうですが、きつい傾斜が長く続くようなトレイルでは、固形食の摂取はもはや不可能です。呼吸もしなくてはならないし、上りを走ることにより骨格筋に血液が使われてしまうからです。
胃の中のものを消化するには、体が消化に集中できる状況が必要になります。つまり平地やテクニカルではない下りのポイントです。
補給のポイントを高低図に予め書き込んで置き、確実に補給をしましょう。
重要なのはエネルギー源を確実に走力に換えること
トレイルランニングで最も重要なのは、摂取したエネルギー源を確実に走力に換えるということです。タイミングの悪い時に補給して体が受け付けずに戻してしまうのは、レース運びの上で良いことではありません。
エネルギー源を走力に換えるポイント
長距離のレースでは、以下を心がけましょう。
1. 糖質の役割を知っておく
2. 補給はタイミングに気を付ける
3. エネルギー源を得たら脂質を使うようにする
4. 3 のために「心拍ゾーン」を意識する
5. 以上の代謝を確実に回すために電解質をとる
糖質を補給する理由
そもそも糖質を補給する理由は2つあります。
・エネルギー源として
・脂質燃焼の着火剤として
■エネルギー源としての糖質
ランナーが摂る熱量の大部分は糖由来です。
トレイルランでは、ジェルや固形食、スポーツドリンクなどで糖質を補給しますが、摂取しやすい液状のものが多いです。特にタイムを狙うレースでは皆、固形食よりジェルを好みます。
しかし、血糖値を確実に維持する点から言うと、1種類の糖だけに頼ることは避けたいです。徐々に同じものを摂取しても、効果が低くなることがあるからです。
そのため「単純糖質」と「複合糖質」を混ぜて、素早くエネルギーに変わるものと、長持ちするものの両方を取るのが大事です。つまり、固形食とジェルの両方を交互に摂取しましょうということです。
オススメは、これらの補給食に加えてリアルフードを摂取することです。
リアルフードとは液体やジェル状の糖以外のもので、エイドで良く置いてあるものです。これらは低GI食品がほとんどなので、必ず摂取しましょう。ドライ製品も販売されています。
この低GI食品は、血糖値を一定にとどめるのに重要なものです。
同じ食品でも、状態によりGI値は異なります。例えば、炊きたての白米と、いちど冷えて老化した白米、いちど冷えた状態からもう一度温め直した白米では、GI値が違います。そのため、GI値の一覧表は目安として考えましょう。
実際には深く考えず、エイドの美味しそうな地元のものやフルーツ、おにぎりを食べればOKです。
■脂質燃焼の着火剤としての役割
糖質は脂質を燃焼させる着火剤としても作用します。レースが長時間に及ぶトレイルランニングでは、常に脂質を燃やせるよう、血糖値を一定に保っておく必要があります。
脂質が燃焼するゾーンの心拍数で走ることも重要ですが、それには血糖値を一定の範囲内に留めておくことが前提条件なのです。
補給食は取るタイミングに気をつける
補給のイメージとして心がけておきたいのが、
美味しく食べられる時に食べる
ということです。
レース中は、コースにより様々な起伏を走ります。緩やかでも走りづらい路面、走りやすいけど起伏が厳しい路面など、実に様々です。
そうした中でも、少し落ち着いて食べられる時間が必ずあるので、そこで確実に補給するのがレース運びで重要になります。
特に長い距離のレースでは、
・早めに
・頻繁に
摂取するのが重要です。少量ずつ頻繁に食べると胃にかかる負担が減り、トータルの摂取エネルギーも増やせます。
いくら食べても、胃が受け付けなければエネルギーになりません。だから一気に摂取するのは避けましょう。1時間のうちに200kcalのエナジーバーを食べるなら、2回に分けて30分ごとに半分ずつ食べるといった感じです。1時間あたりの摂取カロリーは、250〜400kcalを目安にすると良いでしょう。
より実践的な補給法
私の場合、高低図を確認して「この先しばらくきつい傾斜が続くな」と思ったら、そこへさしかかる10分ほど前に補給を済ませます。
急登を走っている最中は心拍も呼吸も上がり、血液は動かさなくてはならない「骨格筋」に優先して使われてしまいます。
そのような状態で補給しても、エネルギー変換の観点からすれば非効率です。必ず胃での消化に血流が使われる余裕があるとき、つまり、
美味しく食べられる時に食べる
ということです。
補給食を取りやすくするために装備を工夫する
レース中は、補給食を取りたくても取れない状況に陥ることがあります。コースの地形はもちろん、体調不良や当日の寒暖差から、食べたものを体が受け付けなくなることがあります。
こういった時、私はよく、ソフトフラスクにジェルを溶かし込みます。
ジェルも最近は美味しいものが増えてきましたが、非常に甘いので、体調が悪いときの摂取はきついです。しかし、ソフトフラスクの水に溶かしたジェルなら、まだ飲めます。
スタート前にジェルを何本か溶かし込み、そのソフトフラスク1本を摂取すると1000kcalになるなど、あらかじめ計算しておくと良いでしょう。
エネルギー源を走力に換えるポイント
長距離のレースでは、以下を心がけましょう。
1. 糖質の役割を知っておく
2. 補給はタイミングに気を付ける
3. エネルギー源を得たら脂質を使うようにする
4. 3 のために「心拍ゾーン」を意識する
5. 以上の代謝を確実に回すために電解質をとる
糖質を補給する理由
そもそも糖質を補給する理由は2つあります。
・エネルギー源として
・脂質燃焼の着火剤として
■エネルギー源としての糖質
ランナーが摂る熱量の大部分は糖由来です。
トレイルランでは、ジェルや固形食、スポーツドリンクなどで糖質を補給しますが、摂取しやすい液状のものが多いです。特にタイムを狙うレースでは皆、固形食よりジェルを好みます。
しかし、血糖値を確実に維持する点から言うと、1種類の糖だけに頼ることは避けたいです。徐々に同じものを摂取しても、効果が低くなることがあるからです。
そのため「単純糖質」と「複合糖質」を混ぜて、素早くエネルギーに変わるものと、長持ちするものの両方を取るのが大事です。つまり、固形食とジェルの両方を交互に摂取しましょうということです。
オススメは、これらの補給食に加えてリアルフードを摂取することです。
リアルフードとは液体やジェル状の糖以外のもので、エイドで良く置いてあるものです。これらは低GI食品がほとんどなので、必ず摂取しましょう。ドライ製品も販売されています。
この低GI食品は、血糖値を一定にとどめるのに重要なものです。
同じ食品でも、状態によりGI値は異なります。例えば、炊きたての白米と、いちど冷えて老化した白米、いちど冷えた状態からもう一度温め直した白米では、GI値が違います。そのため、GI値の一覧表は目安として考えましょう。
実際には深く考えず、エイドの美味しそうな地元のものやフルーツ、おにぎりを食べればOKです。
■脂質燃焼の着火剤としての役割
糖質は脂質を燃焼させる着火剤としても作用します。レースが長時間に及ぶトレイルランニングでは、常に脂質を燃やせるよう、血糖値を一定に保っておく必要があります。
脂質が燃焼するゾーンの心拍数で走ることも重要ですが、それには血糖値を一定の範囲内に留めておくことが前提条件なのです。
補給食は取るタイミングに気をつける
補給のイメージとして心がけておきたいのが、
美味しく食べられる時に食べる
ということです。
レース中は、コースにより様々な起伏を走ります。緩やかでも走りづらい路面、走りやすいけど起伏が厳しい路面など、実に様々です。
そうした中でも、少し落ち着いて食べられる時間が必ずあるので、そこで確実に補給するのがレース運びで重要になります。
特に長い距離のレースでは、
・早めに
・頻繁に
摂取するのが重要です。少量ずつ頻繁に食べると胃にかかる負担が減り、トータルの摂取エネルギーも増やせます。
いくら食べても、胃が受け付けなければエネルギーになりません。だから一気に摂取するのは避けましょう。1時間のうちに200kcalのエナジーバーを食べるなら、2回に分けて30分ごとに半分ずつ食べるといった感じです。1時間あたりの摂取カロリーは、250〜400kcalを目安にすると良いでしょう。
より実践的な補給法
私の場合、高低図を確認して「この先しばらくきつい傾斜が続くな」と思ったら、そこへさしかかる10分ほど前に補給を済ませます。
急登を走っている最中は心拍も呼吸も上がり、血液は動かさなくてはならない「骨格筋」に優先して使われてしまいます。
そのような状態で補給しても、エネルギー変換の観点からすれば非効率です。必ず胃での消化に血流が使われる余裕があるとき、つまり、
美味しく食べられる時に食べる
ということです。
補給食を取りやすくするために装備を工夫する
レース中は、補給食を取りたくても取れない状況に陥ることがあります。コースの地形はもちろん、体調不良や当日の寒暖差から、食べたものを体が受け付けなくなることがあります。
こういった時、私はよく、ソフトフラスクにジェルを溶かし込みます。
ジェルも最近は美味しいものが増えてきましたが、非常に甘いので、体調が悪いときの摂取はきついです。しかし、ソフトフラスクの水に溶かしたジェルなら、まだ飲めます。
スタート前にジェルを何本か溶かし込み、そのソフトフラスク1本を摂取すると1000kcalになるなど、あらかじめ計算しておくと良いでしょう。
長く走るトレイルランでは脂肪を使いたい
ランナーの力量に関係なく、人間は心拍数のゾーンにより、異なるエネルギー源を使います。
フルマラソンなど、高い心拍で走り続ける競技では主に糖質が使われますが、人間が貯蔵できる糖質量は2000kcalまで。そのため、フルマラソン以上の長い距離を走るトレイルランニングでは、途中で糖質を補給をしないと枯渇してしまいます。
そこで登場するのが、脂質です。
脂質は人体に8万kcalと、とても多く貯蔵されています。また糖質と比べてエネルギー効率も非常に良いです。
・糖質:1gあたり4kcal
・脂質:1gあたり9kcal
トレイルランニングのレースでは、ぜひ使いたいエネルギー源です。
それにはレース中に心拍数を定期的に確認して、なるべく脂質を使用する心拍ゾーンを意識して走りましょう。
フルマラソンなど、高い心拍で走り続ける競技では主に糖質が使われますが、人間が貯蔵できる糖質量は2000kcalまで。そのため、フルマラソン以上の長い距離を走るトレイルランニングでは、途中で糖質を補給をしないと枯渇してしまいます。
そこで登場するのが、脂質です。
脂質は人体に8万kcalと、とても多く貯蔵されています。また糖質と比べてエネルギー効率も非常に良いです。
・糖質:1gあたり4kcal
・脂質:1gあたり9kcal
トレイルランニングのレースでは、ぜひ使いたいエネルギー源です。
それにはレース中に心拍数を定期的に確認して、なるべく脂質を使用する心拍ゾーンを意識して走りましょう。
エネルギー源と合わせてビタミンと電解質を摂取する
続けて、ビタミンと電解質についてお伝えします。
ビタミンや電解質には、摂取したエネルギー源がエネルギーに変換されるのを助ける働きがあります。人間はエネルギーを使って活動しますが、単にエネルギー源を摂取するだけでは不十分です。必ずビタミンや電解質が必要です。
あるレース中に、マルチビタミンを摂取した時に、補給食を食べた時以上に力が湧いてきた経験がありました。それで、
「なんだ! マルチビタミン単体でもこんなに効果あるんじゃないか!」
と勘違いした時期がありますが、これは補給した糖質(エネルギー源)がマルチビタミンによってエネルギーに変換されただけです(この勘違いをしたまま、別の日に練習時に補給食を持たずマルチビタミンだけ持って走った時は、ハンガーノックになりました……)
ビタミンがないと、エネルギー源をうまくエネルギーに変換できません。エネルギー源とビタミンはセットで考えましょう。
各種ビタミンの効率的な摂取方法
各種ビタミンの働きはここでは割愛しますが、必要最低限のビタミンを補給するには「電解質タブレット」がオススメです。
いつも私が使用しているのは「塩熱サプリ」です。トレイルランナーの中ではオーソドックスな製品で、ナトリウム、カルシウム、カリウム、ビタミンC、クエン酸、ビタミンB1、マグネシウム、ナイアシン、ビタミンB6などが含まれています。特に重要なのがビタミンBで、炭水化物や脂肪をエネルギーに変えるサイクルを円滑に回してくれ、疲労回復に効果があるといわれます。
ただ、このビタミン補給をサプリメントに頼りすぎると、体が慣れてしまうという課題もあります。
つまり、体が「サプリメントからとれば良い」と思い込み、食事からの栄養素吸収効率が下がってしまうのです。
最近は、ビタミン・電解質を補給できる補給食が増えてきました。STC Neutritionの「IRON FORCE BAR」などは、エネルギーやプロテインに加えて、ビタミン・ミネラルも補給できます。サプリメントは、こういった固形食の補助として取る程度にしましょう(取り過ぎは禁物です)
サプリメントの摂取バランスを判断する基準
水と電解質の適切なバランスを維持するように心がけましょう。
電解質とはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クロールといった栄養素のことで、汗として体内から流れ出てしまいます。そのため十分な量を補っておかないと、運動中に消費され、すぐに一時的な電解質失調に陥ってしまいます。
特にトレイルランナーが避けたいのは、希釈性低ナトリウム血症になることです。これは電解質の摂取量が不十分な上、水分を取り過ぎてしまった時に起こります。
ただ特に意識せず水分を補給すると、うまく吸収されず、逆に水分以上に電解質を摂取しすぎてもダメです。ベストなバランスを考えなければいけません。
サプリメントの摂取タイミングを決めて、水分補給も戦略的に行う、ここに留意してレースを組み立てていきましょう。
ビタミンや電解質には、摂取したエネルギー源がエネルギーに変換されるのを助ける働きがあります。人間はエネルギーを使って活動しますが、単にエネルギー源を摂取するだけでは不十分です。必ずビタミンや電解質が必要です。
あるレース中に、マルチビタミンを摂取した時に、補給食を食べた時以上に力が湧いてきた経験がありました。それで、
「なんだ! マルチビタミン単体でもこんなに効果あるんじゃないか!」
と勘違いした時期がありますが、これは補給した糖質(エネルギー源)がマルチビタミンによってエネルギーに変換されただけです(この勘違いをしたまま、別の日に練習時に補給食を持たずマルチビタミンだけ持って走った時は、ハンガーノックになりました……)
ビタミンがないと、エネルギー源をうまくエネルギーに変換できません。エネルギー源とビタミンはセットで考えましょう。
各種ビタミンの効率的な摂取方法
各種ビタミンの働きはここでは割愛しますが、必要最低限のビタミンを補給するには「電解質タブレット」がオススメです。
いつも私が使用しているのは「塩熱サプリ」です。トレイルランナーの中ではオーソドックスな製品で、ナトリウム、カルシウム、カリウム、ビタミンC、クエン酸、ビタミンB1、マグネシウム、ナイアシン、ビタミンB6などが含まれています。特に重要なのがビタミンBで、炭水化物や脂肪をエネルギーに変えるサイクルを円滑に回してくれ、疲労回復に効果があるといわれます。
ただ、このビタミン補給をサプリメントに頼りすぎると、体が慣れてしまうという課題もあります。
つまり、体が「サプリメントからとれば良い」と思い込み、食事からの栄養素吸収効率が下がってしまうのです。
最近は、ビタミン・電解質を補給できる補給食が増えてきました。STC Neutritionの「IRON FORCE BAR」などは、エネルギーやプロテインに加えて、ビタミン・ミネラルも補給できます。サプリメントは、こういった固形食の補助として取る程度にしましょう(取り過ぎは禁物です)
サプリメントの摂取バランスを判断する基準
水と電解質の適切なバランスを維持するように心がけましょう。
電解質とはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クロールといった栄養素のことで、汗として体内から流れ出てしまいます。そのため十分な量を補っておかないと、運動中に消費され、すぐに一時的な電解質失調に陥ってしまいます。
特にトレイルランナーが避けたいのは、希釈性低ナトリウム血症になることです。これは電解質の摂取量が不十分な上、水分を取り過ぎてしまった時に起こります。
ただ特に意識せず水分を補給すると、うまく吸収されず、逆に水分以上に電解質を摂取しすぎてもダメです。ベストなバランスを考えなければいけません。
サプリメントの摂取タイミングを決めて、水分補給も戦略的に行う、ここに留意してレースを組み立てていきましょう。
前提として、レース前にしっかり食べておく
これまで補給の話をしてきましたが、レーススタート時には、ガソリン満タンである必要があります。そのためにも、レース前日と当日の朝は、炭水化物をしっかり摂取しておきましょう。
人体に貯蔵できる炭水化物は、わずか2,000kcal。スタート時に糖質が少ないと、レース中の補給では足りなくなります。朝食を抜くのは厳禁です。そういう日の練習やレースは大抵、うまくいきません。
体を動かす前に朝食を取るのは非常に重要です。
人体に貯蔵できる炭水化物は、わずか2,000kcal。スタート時に糖質が少ないと、レース中の補給では足りなくなります。朝食を抜くのは厳禁です。そういう日の練習やレースは大抵、うまくいきません。
体を動かす前に朝食を取るのは非常に重要です。
自分に合った補給食に出会っておこう!
あとはいろんな補給食を試して、腹持ちや自分の食べやすい味、固形食・ジェルとの食べ合わせの相性の良さなど、いろんな視点で補給食を試してみましょう。レースの参加賞で補給食がついてくることもあるので、レースと同じ状況下で試してみることが大事です。
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