ランニングでやせる心拍数とは!?

青山剛

トレーニングの順番が大事

<ポイント1>
「ストレッチ→スイッチ→脂肪燃焼ゾーンで走る」の順番でトレーニング


 このポイント1は、脂肪を効果的、効率的に燃やすための「トレーニングの順番」が大事だということです。まずはストレッチで全身を伸ばし、脂肪が燃えやすい状態にします。

 次にスイッチ(私が提唱している体幹スイッチ・エクササイズ)で、脂肪燃焼焼却炉(=体幹の筋肉)をまさに点火し、最後に脂肪燃焼ゾーン=最適な負荷(心拍数)で走るのです。「伸ばす→入れる→燃やす」、この流れが一番脂肪が燃えてくれます。

鍵は「心拍数」にあり!

【青山剛】

【青山剛】

<ポイント2>
 脂肪燃焼ゾーン(心拍数)を正しく設定してから走る!


 ストレッチ、スイッチを行った後、どの負荷、ペースで走れば一番効率よく脂肪が燃やせるかというと、その鍵は「心拍数」にあります。

 人それぞれ一番脂肪が燃えやすい心拍ゾーンがあり、下記は私が長年の選手経験、そしてコーチング経験から編み出した計算式になります。ちょっと面倒臭いかもしれませんが、一度当てはめてみてください。

◆ステップ1
最大心拍数
・一般の方  220−年齢
・競技経験者 210−(年齢÷2)

◆ステップ2
最小(安静時)心拍数
・寝起きで横になったままの状態で、一分間の心拍数を測る
※疲れていたり、二日酔いの状況はNG

◆ステップ3
目標心拍ゾーン(55〜65%)
例)40歳、最大心拍数180、安静時50の方の場合
(180−50)×0.55+50=121.5
(180−50)×0.65+50=134.5
→121〜134が、この方の一番脂肪が燃える心拍ゾーン!

 これまで色々とテストをしてきましたが、運動強度が55〜65%あたりで走るのが、一番効率良く脂肪燃焼につながるようです。計算式で安静時心拍を使うことにより、年齢だけではなく個人差も加味されますので、より正確性が増しています。

 走る際に、その心拍ゾーンを把握するため心拍計付きウォッチが必要となりますが、この時計こそ「脂肪燃焼最強のツール」になりますので、上手に取り入れてください。

ランニング初心者は「早歩き」くらいがイイ!

 計算したゾーンで走ろうとすると、ランニング初心者の方はおそらくすぐにそのゾーンをオーバーしてしまうでしょう。ということは、走るのではく「早歩き」くらいにしたほうが、初心者ほど脂肪が燃えやすいということになります。トレーニングを進めていけば、心肺機能が向上していき、逆に歩くくらいでは脂肪が効率よく燃えづらくなりますので、そのときに走り出せばいいのです。

 やせたい方だけではなくマラソン大会を目指す方も、この心拍ゾーンでジョギングやLSDなどを行えば、脂肪が燃えやすい体=スタミナがつく、となりますので、上手に活用してください。

※「ストレッチ→スイッチ→ランニング」の正しい方法が学べる「青山剛の体幹ランニングセミナー」は毎月開催しています。詳しくはTeamAOYAMAホームページまで!

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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