30分で姿勢が良くなる!? 運動不足解消と姿勢矯正を可能にするレッドコード

細野史晃

【細野史晃】

レッドコードとは?

 陸上の女子100m、200m日本記録保持者の福島千里選手が逆さ吊りになって腹筋を行うトレーニングで一時期話題になった、レッドコードというトレーニング器具を皆さんはご存知でしょうか?

 レッドコードはノルウェーで医師と理学療法士によって開発された福祉・リハビリの器具で、スポーツの現場でも有効活用できると以前から言われていたものです。最近、話題のファンクショナルトレーニングを行う器具としても安全かつ簡単に利用できるのですが、なかなか一般利用できる施設が少なく、私自身もトレーニングで使いたいと思いつつもなかなか良い施設が見つからず苦心していました。

 そんな中、仕事のつながりでご紹介いただいたデイケアの介護施設がレッドコードを常設しており、日中のデイケア終了後の施設を利用して一般の方に向けたファンクショナルトレーニングができる施設として「アルクルプラス」を5月からオープンしました。

目的は背骨の動きを最大化させること

【細野史晃】

 コンセプトは姿勢作りと健康。良い姿勢は筋肉の働きを活性化し、全身の健康に大きく寄与します。この姿勢作りの肝が、ファンクショナルトレーニングと言われるもので、そのトレーニングにおいての身体のポイントが「背骨(脊椎)」になります。

 アルクルプラスではこの背骨の動きを最大化させることを目的として、身体の背骨に近い筋肉を使う運動をしていきます。なぜ筋肉を「使う」のでしょうか。普段、使われていない筋肉は硬くなっています。この硬い筋肉は伸ばすことがほとんどできず、唯一できるのは、わずかに縮むことだけ。よって、このわずかに縮むことができるところを利用して、筋肉に動きを思い出させてあげるのです。すると、不思議なことに筋肉が緩み出し、身体の動きが少しずつ楽になってきます。
 レッドコードを使って背骨を「頸椎・胸椎・腰椎」の3つに大きく分類し、それに伴い、運動も「前後屈・側屈・回旋」の3つ、計9種類の運動を組み合わせます。もちろんその他の運動も行っていますが、メインはこの背骨の運動となっています。

 今回は背骨の「前屈と後屈」の動きの運動をご紹介します。前屈は前に倒す運動、後屈は後ろに倒す運動のことを指します。次の動画では、この前後の動きをスムーズに連動するような動きを行っています。

前屈・後屈(フロッグ・バタフライ)



 この運動によって腹筋と背筋、そして肩甲骨周りの筋肉が使われます。この運動だけでも身体の動きが軽くなる人がいるのです。レッドコードの位置を首近くにすると肩回り(頸椎)がより動いて肩こりの改善に、腰近くに位置を変えると腰周りの動きが強調され、腰痛の改善になります。

 いかがだったでしょうか? レッドコードを使った運動は負荷が軽く、普段使わない身体の奥の小さな筋肉をしっかり働かせることができます。美と健康の第一歩は姿勢から、ぜひアルクルプラスで効果を実感してみてください!
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著者プロフィール

ランニングコーチ・スポーツコンサルタント。 Sun Light History 代表 1985年、京都生まれ、東京育ち。都立小石川高校(現・東京都立小石川中等教育学校)→国立埼玉大学→株式会社リクルート HR マーケティングを経て、ランニングコーチとして独立。中学から陸上競技を始め、高校から三段跳へ転向、大学時に日本ランキング入りを果たす。指導者がいない競技人生を経験し、よい指導者や指導法との出会いはスポーツをより豊かにするという思いから指導者を志す。自身の経験と学びから『楽RUNメソッド』を開発。短時間の指導でも自己記録更新まで導く手腕には定評がある。指導者のみならず、スポーツの価値を高めるためのアドバイザーとしても精力的に活動している。 主著「マラソンは上半身が9割」「マラソンは三日坊主で大丈夫!」

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