ついに迎えた初のフルマラソン挑戦 わずか練習1カ月で完走できたのか!?

TOKYOWISE

【Photo:Hiroyuki Sugimoto/Mie Koshihara/Team +me】

 延々と続くランナーの列の中に、ようやくエース、伊藤ゆりさんの姿を発見! こちらに手を振りながら、元気に走り抜けていった。

【Photo:Hiroyuki Sugimoto/Mie Koshihara/Team +me】

 しばらくして、お揃いの花柄ウエアが目を引く、椛澤ひとみさん、岩田真生子さん、藤田敦子さんの3人が、揃ってスタート地点へ姿を現した。満面の笑顔で「いってきまーす!」と言いながら、元気いっぱいに駆け抜けていった。

【Photo:Hiroyuki Sugimoto/Mie Koshihara/Team +me】

 スタート直後から、「Team +me」と応援部隊のグループLINEには、メンバーから続々と速報が届いた。

「はしってるよー!」
「がんばってー!」
「写真おくってー」

 メンバー自ら、走りながら撮影した写真も届く!

【Photo:Hiroyuki Sugimoto/Mie Koshihara/Team +me】

 メンバー全員がなんとも元気な様子で、応援部隊もまずはほっと肩をなでおろした。

「いまおりかえし」
「イチゴあり」 
「まだ15」
「ナイスペース!」
「いま26くらい」
「いまから高速おりまーす」
「細野コーチより、みんなガンバレ! 教え方が良かったはず!(笑)」
「みんな、大丈夫!?」
「大丈夫!? 歌いながら喋りながら走ってる!ww」

 スタートから恐ろしい勢いで続いていたLINEのやりとりだったが、ここで後続組3名からの連絡が突如として途絶えた。

「いまどのあたり?」

 応援部隊が心配気にメッセージを送ってみるも、返信はない。

 こ、これはもしかして……。取材チームに不安がよぎる。

 そんな中、34.8kmの折り返し地点に、伊藤ゆりさんが姿を見せた。予想を大きく上回るハイペース! しかも、30km以上走ってきたとは思えないほど元気な様子だ。疲れを微塵も感じさせず、沿道の取材チームに大きく手を振りながら、足どりも軽やかに駆け抜けていった。

【Photo:Hiroyuki Sugimoto/Mie Koshihara/Team +me】

 さて、後続組はいったいどうなっているのか!? 応援部隊にも不安の色が見えはじめる……。

 その後、伊藤ゆりさんが40km地点を通過したとの情報が入った。

「40km通過」
「みんなガンバ。みんなでゴールしたら写真とろ!」

 ここで、ようやく後続組から一本のLINEが入った。

「すごーい!わたしたち、いま首都高おりてるー、やっと!(笑)」

 よかった。まだまだ元気なようだ!

 ほっとしたのも束の間。34.8km地点の第9関門には関門閉鎖の制限時間が迫っていた。残り15分、10分……無情にも刻一刻と時間は経過する。足どり重いランナーが増える中、関門閉鎖まで10分きっても姿を現さない残り3名のメンバーに、取材チームも最悪の事態を想像しはじめた。果たして、間に合うのか!?

 走ってくるランナーの中にメンバーの姿を探し続けるが、一向に見つからない。これはもしかすると間に合わないかもしれない……閉門までの時刻表示を何度も確認していた。

 すると、遠くの方から大きな声で取材チームを呼ぶ声が聞こえた!

「やったー!ここまできたよー!」

【Photo:Hiroyuki Sugimoto/Mie Koshihara/Team +me】

 意外にも静かだった第9関門地点に、突如、賑やかな声が響き渡った。さらに、口々に「残りも頑張るよー!」「絶対完走するよー!」と言いながら、元気いっぱい駆け抜けていくではないか。取材チームも胸をなでおろし、再び応援に熱が入った。

 この勢いのまま、残りの7kmちょっとを走りきり、ついにゴール! メンバー全員が、無事制限時間内に完走することができた。

 ゴール地点にはトレーナーの細野氏も駆けつけ、みんなで完走記念賞のメダルを手に記念撮影。互いの健闘を称え合い、フルマラソン完走に沸くメンバーの姿がそこにはあった。さらに、完走直後にも関わらず、口々に「本当に楽しかった!」「また走りたい!」と、次のレースへの意欲を見せていた。

【Photo:Hiroyuki Sugimoto/Mie Koshihara/Team +me】

 無事フルマラソンを完走した「Team +me」のメンバーに感想を聞いてみた。

「これまで10kmまでしか走った事がなくて、練習会でようやく10km以上の距離を走るようになったのですが、練習では15kmくらいまでしか走れなくて……正直、フルマラソンがどんなものか想像すらできずに、不安をかかえたまま当日を迎えたような状態でした。
 大会当日は、想像以上にたくさんの人でちょっとお祭りのような感じもして、ワクワクとドキドキが入り混ざっていました。でも、スタートして10km、20kmと走ってみたら、そこにはすごく元気な自分がいてびっくり! 沿道の方々の応援やチームメイトと一緒に走れたことで、モチベーションも上がってすごく楽しく走っている自分がいました。
 30km過ぎてからは、さすがに足に疲労を感じましたが、終始笑いが止まらないくらい楽しくて、無事フルマラソンを走りきることができました! 走り終わった数日は階段降りるのも大変でしたが、またみんなと一緒に走りたいです!」(椛澤ひとみ)

「チームの中で唯一フルマラソン参加経験があり、今回2回目のチャレンジでしたが、沿道のたくさんの方々の応援に励まされました。給水の時の嬉しいプチおやつや、今まで経験したことのない高速を走る楽しさなど、ワクワクの連続で、あっという間の42.195kmでした!
 目標タイムも大幅に更新できて、とっても楽しいフルマラソンでした。仲間がいまこの瞬間に一緒に走っていると思うと、やる気もでて走る力になりました。また走りたいです!」(伊藤ゆり)

「練習不足は否めない中、走り始めるまで実は不安で仕方なかったのですが、サポートメンバーからの応援LINEや一緒に走っている仲間に終始励まされ、終わってみると楽しかったことしか思い出せないぐらい魅力的な42.195kmでした。
 でも、もっと練習していたら、痛い思いとかこんなにしなくて済んだのかな……なんて反省もしつつ。とにかく仲間が最高すぎて、これからもいろんなことを一緒にやりたい!と、さっそく次のネタを探し中」(岩田真生子)

「大会を前に体調不良が続いていたり、走りたいときに雨だったりと思うように練習ができなくて……練習不足ということもあり、走る前は不安で不安で、一人だけ走りきれなかったらどうしようと思っていました。でも、仲間と一緒に走ったこと、沿道の方々や撮影クルーの応援のおかげで、本当に最後の最後まで楽しく走りきることができました!
 30km地点くらいですでに、もう一回走りたいといって、メンバーに『頭おかしい』と言われたくらい(笑)。このメンバーでまたフルマラソンや他のことにもチャレンジしていきたいです」(藤田敦子)
 大会終了後、立ち寄った女子トイレで、メンバーがとある女性に声を掛けられていた。
「お揃いの青っぽい花柄ウエア着て、チームで走られていた皆さんですよね? わたし、皆さんを目標にずっと走ってたんですよ。皆さんのおかげで完走できました!」

「え!? きっと、うるさかったんですね。すみません(笑)」とメンバーが答えると、「いえいえ、皆さん賑やかで、ずっと楽しそうに走られてて、私が元気をもらってたんです!」と。

 42.195kmを、メンバーがいかに楽しみながら走っていたかが想像できる。仲間同士で励まし合い、フルマラソンを走ることが、彼女たちにとってこんなにも楽しいものだったのだと、あらためて感じさせられた出来事だった。

 大会から数日後、やはりそれなりの筋肉痛に襲われていた彼女たちだったが、「筋肉痛は痛いけど、なんか気持ちいい」とか、「筋肉痛は嫌いじゃないw」とか言っていたのも印象的だった。

 さて、次はどの大会に参加する!? 「Team +me」の戦いは始まったばかりだ。

■取材協力
女性のための、女性による、モノづくりプロジェクト
「+me(mizunoplusme/ミズノ プラスミー)」
ミズノ女性社員によって結成されたプロジェクトチームから生まれた、新スポーツアパレルライン。女性が気になる体のラインをカバーして、スタイルが美しく見える工夫を随所に施すなど、商品の細部にわたり“女性の意見”が反映されている。
http://www.mizuno.jp/plusme/

Sun Light RC代表 細野史晃氏
マラソンは上半身が9割の指導を体感できる|Sun Light RC.
http://sunlightrc.com

■横浜マラソン2015
 横浜市初の市民参加型フルマラソン大会。港町・横浜の景色を堪能するコースとなっており、「赤レンガ倉庫」、「横浜スタジアム」、「中華街」など、横浜が誇る数々の名所や首都高速湾岸線など横浜らしさあふれるコースを25,000人のランナーが走ります。
http://www.yokohamamarathon.jp/2015/

(Text:Mie Koshihara)
(Photo:Hiroyuki Sugimoto/Mie Koshihara/Team +me)

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著者プロフィール

『TOKYOWISE』(トウキョウワイズ)は、東京という世界でも類を見ない混沌と静謐の街で、本当に必要とされている事象とは何かを探って見つけ出すウェヴマガジンです。取材・編集という手法を最大限に生かしつつ、真にインディペンデントでオリジナルなコンテンツで構成。経験豊富な編集者たちが縦横無尽に記事を制作していきます。

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