森がパワーをくれる!篠栗八十八箇所巡り 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

一番好きなお寺は呑山観音寺

遍照院のシンボルは6メートルを超える「修行大師像」 【松原渓】

 今回私は、「車遍路」で巡った。行ったのは、遍照院(62番札所)⇒呑山観音寺(16番札所)⇒弘照院(87番札所)⇒補陀洛寺(79番札所)。札所番号と地理関係はバラバラなので、順番に巡る必要はないのだ。奉られている如来像や観音菩薩像はお寺ごとに違い、諸病治癒、仕事の成功、子宝、安産、縁結びなどご利益もさまざま。特定のご利益を求めて、通い慣れたお寺に毎年参拝しに来る人もいるという。

弘法大師が橋の欄干で寝泊まりをしたと言われる場所がある弘照院 【松原渓】

 弘法大師にまつわる逸話は数多くある。橋の欄干で寝泊まりをしたと言われる場所に大師像が祀られていたり(弘照院)、弘法大師の杖の一突きで湧き出したと言われる「独鈷水」(奥の院)や、道をふさいでいた大きな岩をその杖で割ったという「はさみ岩」(若杉山)。お寺によって、時空を超えて伝わるさまざまなエピソードが聞けるのも面白い。

秋には紅葉のトンネルかできるそう(呑山観音寺) 【松原渓】

 ちなみに、これまでに行った中で、私が一番好きなお寺は呑山観音寺。境内の間を縫うように点在する小径や小さな滝、橋や庭などがとっても風流なのだ。冬の凛とした佇まいも良いし、鮮やかな緑に包まれた夏の景観も良かった。

 桜が咲き乱れるという春にも来てみたいけれど、ベストシーズンは秋だそう。境内本堂の前に続く紅葉が色鮮やかなトンネルを作るそうだ。今年は少し紅葉が早いそうで、すでに葉が色づき始めていた。この呑山観音寺には、篠栗駅から(山を越えるため)車かバスで行かなければならないのだけれど、苦労した分、大きな感動が待っている。

お遍路デビューしてみては?

【松原渓】

 これからのシーズンは、紅葉だけでなく、大きなイベントも用意されており、お遍路にうってつけのシーズンと言える。来年2015年は、弘法大師が高野山を開いてから1200年の大きな節目。「高野山結縁行脚」というプログラムが聖火リレーのごとく全国を巡っているそうで、11月9日には呑山観音寺に到着する。
 当日は、1000年以上も続くと言われるこの「不滅の聖燈(火)」や、弘法大師に縁のある秘宝もお披露目されるそうだ。また、このイベントと重ねて、「紅葉ヨガ」も開催されるそう。お寺で紅葉を愛でながらのヨガは気持ちが良さそう!?

 また、篠栗は「森林セラピー基地」(リラックス効果が森林医学の面から専門家に実証され、さらに、関連施設等の自然・社会条件が一定の水準で整備されている地域)にも認定されている。この「森林セラピー」とは、森の中を歩いたり、森林浴を通して行う「自然療法」のこと。私も冬に体験して、その効果に驚いた。

『もののけ姫』の世界に迷い込んだような深い森の中で、目をつぶって、嗅覚や聴覚に感覚を集中させてみたり、詩を読んでリラックスしたり。とにかく気持ちが良くて、終わった後は普段は使っていない細胞が活性化されたような感覚になった。実際、この森林セラピーはリラクゼーション効果や免疫機能の改善などにもつながるそうだ。

【松原渓】

 お遍路を歩き、森林セラピーで神秘的な森の力に癒される。夏から秋にかけて、ベストシーズンを向かえる篠栗で、皆さんもお遍路デビューしてみてはいかがですか?

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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