ヨガはよりよく生きるための処世術 基礎・第1回「山のポーズ」
Let's TRY
ただ立つだけ……と侮るなかれ! 山のポーズはシンプルながらも、体のクセが端々に表れてしまうことから、最も難しいポーズのひとつと言われています。そして、山のポーズは日常生活にヨガを取り入れるための導入ポーズとしても◎。このポーズを身に付ければ、機能的で疲れにくい体と、前向きなココロを得ることができますよ。
山のポーズ(ターダ・アーサナ/Tadasana)
【坂本清】
【効果】
お腹を引き締める、肩こり・腰痛の緩和、集中力を高める
(1)両足の親指の付け根を軽く合わせて立ち、つま先と踵(かかと)の交互に体重を移動させながら体が安定する場所を探る
(2)重心が定まったら、足の裏全体で床を踏みしめ、両脚の伸びを意識しつつ、下腹を軽く引き締めて骨盤の角度を安定させる
(3)背骨の基部から1本ずつ積み上げるように背筋を伸ばし、頭頂部を空に向かって軽く押し上げる。あごをわずかに引き、首の後ろを長く伸ばす
(4)肩甲骨を引き寄せ、胸骨を斜め上に軽くつり上げながら胸を開き、吐く息で上半身をリラックス。緊張しやすい肩、眉間やのどの力を抜く
(5)再び足裏を意識。目を閉じて呼吸を繰り返しながら、大地を踏みしめ自分の中の揺るぎない不動感と、地球のエネルギーが背骨を伝い上ってくるのを感じる
※写真の矢印は体を伸ばす意識の方向を表しています
【坂本清】
ふらついたり、膝に痛みのある場合は、両足を軽く開いて立ちましょう。腹筋が弱い人は、腰が反りやすく骨盤の角度が安定しにくいのが特徴。「反り腰」は腰痛の原因にも繋がるので注意が必要です。そんな時は、壁を使った練習方法で改善していきましょう。
(1)踵と背中、後頭部を壁に付けて真っすぐ立つ
(3)この時、壁と背中の間に手のひら1枚分以上のスペースが空く(腰から背中にかけてアーチ状の反りができる)場合は、反り腰のクセが見受けられます
【改善方法】(3)の姿勢から、尾骨を内側にたくし込み、下腹を軽く締めるように引き上げ、臀部を一直線に整えながら、背中と壁で手の平を押しつぶすように背中を伸ばすと、理想的な山のポーズが完成します