【ラグビー/NTTリーグワン】重要局面で復帰する、次代を背負うスタンドオフ。 意識するのは「15人をつなぎ合わせる役割」<NECグリーンロケッツ東葛>

NECグリーンロケッツ東葛 吉村選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

「ラグビーを始めてから、こんなに長い期間離れたのは初めてです」

けがや脳震盪など、度重なるアクシデントにより、長らく戦列を離れていた吉村紘が、ディビジョン2 1~3位順位決定戦第3節という重要な局面においてメンバー入りを果たした。出場すれば、昨季のD1第12節コベルコ神戸スティーラーズ戦以来、約1年2カ月ぶりの公式戦となる。

ただ、そんな離脱期間でも真摯にラグビーと向き合い、常に自らの成長を期して時間を有効に活用してきた。4月上旬に戦列復帰し、このタイミングでの公式戦でのメンバー入りには「大切な試合でメンバーに入れたことはうれしく思います」と、当然のことながらモチベーションは高い。

NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)は、4月28日に行われたD2 1~3位順位決定戦第2節、豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)戦において、終盤までリードを奪いながら、ラスト5分間で14対17と逆転を許す手痛い敗戦を喫した。さらに言えば、リーグ戦第10節の浦安D-Rocks(以下、浦安DR)戦でも、リードを守り切れず終盤に試合をひっくり返されている。

今節、控えに名を連ねる吉村に出場機会が巡ってくるとすれば、後半途中からになる可能性が高い。直近2試合、終盤に逆転を許しているチームを、吉村はスタンドオフとしてどのように勝利へ導くのか、それを問い掛けてみた。

「15人をつなげる作業にフォーカスしたいです。それは声やフィットネスで動き回ることなど、いろいろな方法があると思っています。目に見えるコネクションではなくて、意識がプツンと切れてうっかりペナルティを与えてしまうときがあるので、そこでみんなをハッとさせるために常にしゃべり続ける、『やばい』と思ったときに自分がそこにいて、危機を回避する状況を作れればいいと思います。アタックでは、パンチのある(インパクトを残せる)選手はたくさんいるので、その選手たちをつなぎ合わせる役割を果たしたいと思います」

また、今回の浦安DR戦では田中史朗も控えのメンバーに選ばれた。

「僕が復帰戦で、フミさん(田中)もひさしぶり(約1カ月ぶり)のメンバー入りだったので、『お互いに頑張ろう』という話をしました」(吉村)

吉村がジャパンラグビー リーグワンデビューを飾った昨季のD1第11節東芝ブレイブルーパス東京戦で、先発のスクラムハーフを務めたのは田中だった。同時出場が叶えば、それ以来のコンビ復活だ。「二人がグラウンドに立ったときは良い流れに持ち込めるように頑張りたいと思います」と吉村も試合に懸ける強い意気込みを語った。

5月6日、GR東葛は必勝を期して浦安DRとの決戦に臨む。S愛知戦での逆転負けの流れを断ち切るとともに、D1/D2入替戦に向けて勢いをつかめるか。吉村の復帰が起爆剤となることを期待したい。

(鈴木潤)
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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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