【ラグビー/NTTリーグワン】不屈の男がたどり着いた初の舞台。 すべてのプレーに感謝の思いを込めて<三菱重工相模原ダイナボアーズ>
三菱重工相模原ダイナボアーズ 田中伸弥選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)は今季最後の戦いを、花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)のホームグラウンドである東大阪市花園ラグビー場で迎える。
相模原DBにとって東大阪市花園ラグビー場は、NTTジャパンラグビー リーグワン2022シーズンのD1/D2入替戦でディビジョン1昇格を決めた場所だ。
この試合でメンバー入りした田中伸弥は、「高校の全国大会(第93回全国高等学校ラグビーフットボール大会)の準決勝で桐蔭学園に負けたことが記憶に一番残っています。大学時代は、天理大学に“ボコボコ”にされました」と東大阪市花園ラグビー場でのほろ苦い思い出を明かす。
鋭いタックルを武器に大阪桐蔭高校と近畿大学で活躍した田中は相模原DBへの入団が決まりかけていた矢先にがん宣告を受ける。二度の手術と抗がん剤治療を乗り越え、2019年、念願のプロ契約を勝ち取った。
相模原DBでさらに腕を磨き、公式戦デビューかというタイミングでコロナ禍に見舞われた。
「ようやくプレーできるタイミングで、その機会を失いました」
プロ4年目の2022年、がんを再発。
闘病生活を経て、今季のプレシーズンに復帰。チームメートや家族に祝福されて練習試合に出場した。
「相模原DBは私が入団したときから毎年強くなっていますが、特に約2年の闘病生活をして、チームに戻ったときにはまったく違ったチームになっていて、びっくりしました」
田中ががんと戦っている間、相模原DBもトップレベルの戦いに挑んでいた。
「今シーズンの練習は全部できています。自分なりに頑張ってきたのですが、(グレン・ディレーニー)ヘッドコーチから1カ月前、『心拍機能や体力の部分をさらに向上させるように』と指示されました。練習後もバイクをこぐなどして、それなりに向上させることができました」
そして、今週末に初めての公式戦を迎える。
田中は「(試合に向けて)覚えることが多く、頭がいっぱいの状態です」と硬い表情を見せるも、花園Lに在籍する兄の田中健太の話題になると、「今シーズンが始まる前に最終節で対戦できたら良いねと話していたので、実現できそうでうれしいです」と少し表情が和らいだ。
5月3日、今季の退団選手が発表され、そこに田中の名前があった。不屈の男が臨む、相模原DBの選手として最初で最後の公式戦。
「一つひとつのプレーに感謝の思いを込めるので、見ていただき恩返しをしたいです」
(宮本隆介)
相模原DBにとって東大阪市花園ラグビー場は、NTTジャパンラグビー リーグワン2022シーズンのD1/D2入替戦でディビジョン1昇格を決めた場所だ。
この試合でメンバー入りした田中伸弥は、「高校の全国大会(第93回全国高等学校ラグビーフットボール大会)の準決勝で桐蔭学園に負けたことが記憶に一番残っています。大学時代は、天理大学に“ボコボコ”にされました」と東大阪市花園ラグビー場でのほろ苦い思い出を明かす。
鋭いタックルを武器に大阪桐蔭高校と近畿大学で活躍した田中は相模原DBへの入団が決まりかけていた矢先にがん宣告を受ける。二度の手術と抗がん剤治療を乗り越え、2019年、念願のプロ契約を勝ち取った。
相模原DBでさらに腕を磨き、公式戦デビューかというタイミングでコロナ禍に見舞われた。
「ようやくプレーできるタイミングで、その機会を失いました」
プロ4年目の2022年、がんを再発。
闘病生活を経て、今季のプレシーズンに復帰。チームメートや家族に祝福されて練習試合に出場した。
「相模原DBは私が入団したときから毎年強くなっていますが、特に約2年の闘病生活をして、チームに戻ったときにはまったく違ったチームになっていて、びっくりしました」
田中ががんと戦っている間、相模原DBもトップレベルの戦いに挑んでいた。
「今シーズンの練習は全部できています。自分なりに頑張ってきたのですが、(グレン・ディレーニー)ヘッドコーチから1カ月前、『心拍機能や体力の部分をさらに向上させるように』と指示されました。練習後もバイクをこぐなどして、それなりに向上させることができました」
そして、今週末に初めての公式戦を迎える。
田中は「(試合に向けて)覚えることが多く、頭がいっぱいの状態です」と硬い表情を見せるも、花園Lに在籍する兄の田中健太の話題になると、「今シーズンが始まる前に最終節で対戦できたら良いねと話していたので、実現できそうでうれしいです」と少し表情が和らいだ。
5月3日、今季の退団選手が発表され、そこに田中の名前があった。不屈の男が臨む、相模原DBの選手として最初で最後の公式戦。
「一つひとつのプレーに感謝の思いを込めるので、見ていただき恩返しをしたいです」
(宮本隆介)
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