Jリーグの上の方(って大変だろうけど、行けなくはねぇよなぁ?)に思いを馳せた名古屋戦

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【Jリーグの上の方(って大変だろうけど、行けなくはねぇよなぁ?)に思いを馳せた名古屋戦】

【これはnoteに投稿されたalovesunさんによる記事です。】
先日、Jリーグの上位にいる名古屋グランパスと対戦する北海道コンサドーレ札幌の試合を応援しに行った。
試合の流れ的には、前半の開始30秒未満で軽く失点し、その後はチーム一番の便利遣い可能なサイド制圧装置である金子をゲームから見事に追い出され(森下っていう日本代表に選出された選手がゴリゴリに窒息させに来てたので、これは仕方ないというか名古屋が上だった)、後半スローインかな?それから軽く失点。点差を2点に広げられ、ここまでの展開を考えれば贔屓目に見ても引き分け御の字だろうというぐらいには名古屋の狙った通りのゲーム展開を強いられていた。
時間もある程度差し迫った中、愚直にボールを保持して相手の穴を開けてやらんとアクセスを繰り返した札幌がついにど真ん中からゴールをこじ開ける。その後も猛追はするし、決定的チャンスの数でいうとイーブンではあったろうけども、時すでに遅し。
名古屋は1-2で「ハマると複数得点が当たり前な、Jリーグを見てる人的な意識で言うところの所謂”爆弾”とは違うけど、十二分に危険物と言って差し支えない札幌」を穏当に処理してリーグ上位の立ち位置をキープした。

で、試合の結果により、札幌の順位は8位のまま。勝ち点は22。
名古屋は他の試合の結果もあるが3位。勝ち点29。
首位は神戸で勝ち点33、2位がマリノスで30、もし札幌が勝ってれば25で6位だったという今節の結果であった。

札幌は一応というと聞こえが悪いが、目標をACL出場としている。残念ながら過去3年、いや4年か。2018年の4位以降は2桁順位を継続しており、なんかこう、現実味がないというか、薄い。
軽く失点するし、なかなか点が取れなかったりもするような試合をやってきている。現実的な事を考えれば大体の年は「まずは残留を確定させましょうねぇ~」と言ってしまう雰囲気が、まぁあった。まだあると思う。札幌の民は想定される最高の不幸に対して予め用心する事で、己の心を守る習性があり、それが上を目指すうえでの枷になっている悲しい生き物なのだ……

まぁそれはともかく思った事というのがあって、

「あのガッチガチの名古屋相手に1点、飛び道具じゃなく愚直な穴あけアクセスでこじ開けて見せたの凄くないですか????」

という事で、
過去札幌がどうにもならないビハインドからの得点というのは、大概が裏抜けとかサイドからクロスで無理やりジェイ!みたいな感じが多くて、それは今のメンツであれば控えに中島大嘉がいたり、ゴニ(登録はキムゴンヒ)みたいなビッグマンがスーペルな身体能力でうりゃおいするのがお決まりというか、期待していた事だった。
が、今回の名古屋戦である。
中島大嘉もゴニも怪我で欠場をしているという状況で、高さ的な博打攻撃は全然使えない。という中、選手が選んだのはとにかく攻撃のアクセスを繰り返す事。回して、空いてる選手に入れて、叩いて、スライドして……とにかく繰り返し、相手を揺さぶって、いけそうなら抉ってクロス。諦めずに繰り返した。(腹が立つことに名古屋は守備もうまく、ファウルをあんまりしてくれないというのもあった。とにかく固かった!)
で、その結果、特にカウンター的でもない、相手が結構べったりペナルティ内にいる状況で、ボールが縦に通って中に入り込んだ金子がトラップからランゲラックの脇を通してサイドネットに流し込んだ。
これが、凄かった。

『飛び道具に頼らなくても、このメンバー、このやり方で、相手がドン引いて逃げ切りだけを図っているような状況下においても、得点を取る事が出来る』

という事が、分かってしまった訳ですよ。

わかりますか……?

これまで川崎とか横浜相手に殴り勝つ事はあっても、それは横浜や川崎は殴り合ってくれるからであって、決して札幌に対して「引いて亀になり、リードを守り通す」という事を徹底してくる相手ではなかった。
今回の名古屋は明確にそれであり、しかも、選手の質、モチベーションも凄く高い。今リーグで恐らくは一番カッチカチな名古屋に対して、攻め続け、偶然じゃなくこじ開けて一矢を報いた。(飛び道具を批判する訳ではないですが、最優先で取り組んでるやり方が一番固い所に通用したってのが大事という意味合いです)

前述したけども、恐らくは日本のどのチームが相手でも、このやり方でこじ開ける事は出来る。相手が出てくれば猶更だ。という事で、あの、いよいよ「ここには勝てないだろう」という事を考えなくてもいいというか、いつだって、どの試合だって、強がるまでもなく

「まずは先制点とって相手が出てくる状況にしてクッソボコるのがありがたいし、仮にリードされて相手が亀になったら上からBOURYOKU(※高さや圧倒的な強さで押し込むサッカースタイル)に”頼らずとも”淡々とリーグ最強に近い攻撃を延々しかけて穴を開けてしまおう。通じなかったらBOURYOKUかな?」

と思って強い気持ちでいていいって事なんですよ。
そう思えて、ようやく、偶然に頼らず、行くぞ札幌!という気持ちで、「だってどこにでも勝てるんであれば上位を望んでいいよね!?」ってなるわけで。
まぁ今回の負けは光明こそ見えたものの、現実的には90分徹底されると獲れて1点という現状を明確に示されたものでもある訳で、リーグの上の方にいる。負けない、勝つ、というのは本当に難しいって事を雄弁に語られたような感じはやっぱり強いんですけども、
それでも、負けて悔しい中、「あ、でも、今日の試合が出来たって事は、殴り続ければ勝つっていうのは多分間違ってないし、それを望んでそっちに賭けてる方が絶対楽しいしアツいよな!」という気持ちにもなって、なんていうか、今まで現場応援するようになった20年で、はじめてに近い気持ちになったんだよなぁという名古屋戦でした。

強がって、絶対勝つ!っていう気持ちは大事だし、絶対そう思うべきで、それは一切否定しないけど、実際にやり続けたらこじ開けた事がある。マジで。みたいな実感が、その気持ちを更に強固にしてくれる事って、きっとありますよね。(攻撃が通るんだったら、その攻撃を通せばいいというか、なんというんですかね、数字的に不可能な挑戦じゃなくなるっていうか、当然度を越したラッキーとかも必要でしょうけど、完全無理ゲーじゃないっていうか……わかるかなぁ……:構造上出来ない。という事が確定していない、プレイングによってクリアは可能。みたいな感覚です。何言ってんですかね。伝わったらいいなぁ)

どんな相手にも、

攻めて攻めて攻めて攻めて攻めて攻めまくれ!それが札幌スタイル!

17年越しに、「真に全員が攻撃に参加して相手の都合は考えずに殴り続ける」チームを目の当たりにして、はじめての気持ち、見た事のない景色を見せて貰えた。これからまた、面白く楽しく熱くリーグの上位、アジアを目指していきてぇよなぁ俺もな~という名古屋戦でした。

いや、ホントにコレ、あるんじゃない……?
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