12球団初のバーチャルYouTuber 「うみひな」とは一体何者?

福岡ソフトバンクホークス
チーム・協会

【(C)SoftBank HAWKS】

福岡ソフトバンクホークスが世に送り出した公式バーチャルYouTuber(以下VTuber)の「鷹観音海(たかみね・うみ)」と「有鷹ひな(ありたか・ひな)」の2人。12球団初のVTuberとして2020年11月にお披露目されてから約10か月、公式YouTubeチャンネル「うみひな【ばーちゃるホークスちゃんねる】」での生配信や動画配信などで活動の幅を広げている。

「私達は福岡ソフトバンクホークス公式バーチャルYouTuberの『鷹観音海』と『有鷹ひな』、2人合わせて『うみひな』です!」

石川柊太投手が考案した“決めポーズ”でオンラインインタビューの場に現れた2人は果たして何者なのか。着実にファン層を増やしつつある「うみひな」の正体と魅力を、2人へのインタビューから解き明かしてみる。

なぜ2人はホークスのVTuberに?

 鷹観音海さんは兵庫県神戸市の出身。王貞治球団会長の大ファンだった父をはじめ、家族がホークスファンだったことから、神戸出身でありながら生粋のホークスファンに育てられた。「生まれた時からホークスファンの家族に育てられて、野球を見に行ったり、ユニホームを着たり、自然とファンになりました」という海さんは、VTuberとなったことをキッカケに福岡に移り住んだ。

 一方の有鷹ひなさんは地元・福岡県の出身。ホークスのお膝元で生まれ「もう、お母さんのお腹の中に居るときから応援歌を聞いていたんで、海ちゃんと同じく自然とホークスファンになっていた感じですね」という。

生まれた時から生活の一部にホークスという存在があった2人だが、なぜ、この12球団初のVTuberになろうと思ったのだろうか。
 
海「神戸でホークスを応援していたときから、あまり周りに野球ファンの人が居ませんでした。野球ってなんでこんな面白いのに、私と同い年ぐらいの子とかがもっと一緒に楽しんでもいいのにな、と、ずっと思っていました。募集を見た瞬間に、ホークスが大好きだし、さらにはエンタメというところから、世の中にもっと野球の楽しさを伝えられたらと思い、これしかないと思って応募しました!」

ひな「バーチャルの住人でも、バーチャルYouTuberとしてデビューできる子とできない子がもちろんいます。もともと私はVTuberの人がめちゃくちゃ好きでYouTubeをずっと見ていて、サブカルとかもめちゃくちゃ好きなんです。そういった文化が好きで、いつかデビューしたいと思っていました。ホークスが募集をしているというのを、VTuber好きの友達が教えてくれて『やりたい!』『YouTuber好きだし、私もできる!』と思って応募しました」

 応募した動機は二人二色。エンタメの世界から野球の楽しさ、魅力を伝えたいと志した海さん、ホークス好き&サブカル好きとしてVTuberになることを夢見たひなさん。ホークス公式VTuberとしても、2人はそれぞれが異なったキャラクターを発揮してファンを楽しませている。

それぞれの個性を発揮して、ファンと一緒に野球を楽しむ

 根っからの野球好きの海さんは成績やデータ、選手のフォームや状況に応じた選手の心理といった“コア”な部分にまで関心を持つ。

海「小さいときからお父さんと野球を生で見に行っていたのが大きいんですかね。ルールとかを横で聞いていて自然と覚えました。昔から打率とかデータをよく見ていたかもしれないですね。数字を見るのがすごく好きで、記録とかデータとかそういうのが大好き。それについて1日中語り明かしたいぐらいです」

 ホークスの試合に合わせて公式YouTubeチャンネルで行う生配信でも、海さんはこうしたちょっと“マニアック”な視点で視聴者と楽しみを共有している。

海「うみひナイン(うみひなチャンネルの視聴者をこう呼ぶ)の皆さんには、野球に詳しくて、コアなものが好きな人も多いんです。逆に情報を教えてくれたりもしますし、私は生配信でもデータとかの話もしています。横から、ひなちゃんがいろいろとボケをかまして来ますけど(笑)」

 一方のひなさんは、言うならば“ライトな野球ファン”だ。ルールや野球用語などには決して詳しくはない。だが、選手に感じる魅力や熱量、球場の空気などに魅了されて、野球を、ホークスを好きになった。

ひな「私は野球は好きなんですけど、野球用語とかはあんまり分からなくて…。海ちゃんとかファンの皆さんに教えてもらいながら、今勉強している感じです。野球は面白いですし、(ホークスOBの)細川亨さんがすごく好きだったり、柴原洋さんの引退セレモニーを見て、野球ってプレーも熱いけど、人間性で熱い部分もあるんだ、と。そういう人間味からどっぷりハマった感じです。今では試合前の円陣、声出しがめっちゃ好きです」

 それぞれで“推し”の選手も違う。海さんは甲斐野央投手と中村晃選手、ひなさんは柳田悠岐選手が推しメン。その理由もまた独特だ。

海「ホークスで、ルーキーの選手が1軍のマウンドにすぐに立つことに、あまりイメージになかったんですが、甲斐野投手は2019年に11試合連続無失点を記録して、その時にどれだけマウンド度胸がすごいんだろうと…。投げる球もすごい綺麗。三振でアウトが取れるピッチャーのスタイルがすごく好きで、もうその瞬間にどハマりしちゃいました」

ひな「柳田選手推し、その心はお尻の筋肉ですね。私、筋肉フェチなんです。柳田選手のお尻の筋肉は、理想のお尻の筋肉です。なんか彫刻とかみたいに凄く綺麗じゃないですか!」

色んなジャンル、たくさんの人と同じ時間を共有したい!

 デビューから、もうすぐ1年となる2人。新型コロナ禍での活動を通じて、VTuberとしてのやりがいも感じているという。

海「今のご時世、あまりドームに行けない人も多いと思うんです。そういう時に生配信とかで一緒にホークスを応援できる空間があると言うのは、ファンの皆さんもすごく喜んでくれています。私達もホークスが大好きな皆さんと、野球が大好きな皆さんと、一緒に盛り上がって、ちょっと沈むときは一緒に沈んで、同じ時間、同じ気分を共有できる時間があるっていうのはすごく価値があるなって思っています」

ひな「生配信ではなくとも、動画でもドームの裏側とか、この前はバーチャルタマスタに行かせてもらったり、野球ファン、ホークスファンだけど、意外と知らないことをひなたちは体験させてもらっています。それを野球が好き、ホークスが好きな人たちに見てもらえるというのがすごく楽しいですし嬉しいです」

 サブカルやデジタルコンテンツの世界に関心がなければ、なかなか馴染みのないVTuberの世界。もっともっと多くの人に知って欲しい、見てもらいたいという思いは募る。

海「これから野球を知りたいなと思っている人はひなちゃん、ずっと野球をしてた人、詳しい人は私と一緒に数字とかデータとか見ながら、一緒の目線で楽しんでもらえると思います。どんな人でも一緒に見て楽しめるような配信をしているので、野球に詳しくないから『ちょっとなぁ』とか思わず、ちょっとでも興味があるなって思ったら、まず見てみて欲しいなと思います」

ひな「私は野球に詳しくなく技術的な面とかも分からないんですが、ファンの中にはそういう人も沢山いて。VTuberの世界は知ってるけど野球はあんまり詳しくない人、逆に野球は詳しいけどVTuberの世界はそんなに知らない人、どちらの人も生配信に来てくれて『すごい楽しかった』というリプをもらえたりします。それがすごく嬉しくて、やっぱりいろんな人に見てもらいたいですね」

海「野球ファンの方で野球好きとして見てくださってる方と、VTuberが好きでVTuberの一人として見てくださってる方がいるので、そこがうまく融合するようにしたいですね。VTuberってコアな人が見るものというか、VTuberが好きな方が見てくださってるほうが多いのかな、とも思うので、もっと野球好きな人、VTuberが好きな人、関係なく、大きいジャンルで活躍したいと思いますね」

ひな「それを言ったら、大きく出るのであれば、もう宇宙一のVTuberになりたいです。夢はでっかく、宇宙1位になります!」

12球団初のVTuberとして新たなエンターテインメントと野球観戦の形を提供している「うみひな」の2人。まだまだ知名度も人気も発展途上のホークス公式VTuberをより多くの人に知ってもらいたい。

★インタビューの様子を一部公開!2人の素顔とは…?

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