なぜホークスは球界初のVTuberを作ったのか?「エンタメ企業」としての狙いと未来
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なぜ、プロ野球の球団であるホークスがVTuberなるものを生み出したのか? “生みの親”である福岡ソフトバンクホークスIT本部IT戦略部の岩瀬史明さんが「うみひな」誕生の狙いと経緯を明かした。
12球団で初めてとなるVTuberの誕生には、まずホークスという球団の“企業風土”が大きく関係している。近年、ホークスは「プロ野球球団」という枠組みを飛び越え「エンタメ企業」として様々な事業を展開。音楽フェスを開催したり、海上アトラクションを作ったり、本拠地PayPayドームの隣に「BOSS E・ZO FUKUOKA」というエンターテインメントビルを建設したり、と野球以外でも“魅力”を創出しようとしている。
球界初の球団公式バーチャルYouTuber うみひな 【(C)SoftBank HAWKS】
この「新規事業提案制度」からVTuberも生まれた。「当時、『アイドルマスター』とか『ラブライブ』といったデジタルアイドル系のコンテンツが流行っていました。ホークスにはマスコットキャラクターはいるけれど、アイドルみたいな存在は野球界にいないよな、と。それならば、ホークスがやればいいんじゃないか」と考えた岩瀬さんがアイデアを提案。プレゼンの末に最優秀賞に輝き、事業化へと動き出した。
「鷹観音海」と「有鷹ひな」の2人の「魂の選定」(バーチャルコンテンツ業界ではこう呼ぶらしい)はどう行われたのか。「大前提として野球にどれだけ詳しいか、好きか好きじゃないかは最重要視しました。やはり我々のコンテンツの軸にはなっていくので。あとはこの組み合わせだと、何か面白いものができそうだなとか、声や性格、キャラクターなども含めて判断しました」と岩瀬さん。その結果、野球に詳しい「鷹観音海」と“ライト”な野球ファンの「有鷹ひな」が生まれた。
球団公式ならではの球場裏側への潜入動画も配信 【(C)SoftBank HAWKS】
現在は応援生配信や選手へのインタビューを行いつつ、他のバーチャルYouTuberたちとコラボするなど、活動の幅を広げている。YouTubeチャンネルの登録者数も徐々に伸びて8000人を突破。将来的には「例えば、色々なVTuberのイベントやフェスに出るとか、PayPayドームでVTuberを集めてライブをするぐらいに育てることが夢です」(岩瀬さん)と思い描いている。
選手インタビューでは、素の姿を引き出すエピソードトークを展開 【(C)SoftBank HAWKS】
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