実績馬揃いのG2・札幌記念を分析する
【2021/2/14 阪神11R 京都記念(G2) 1着 4番 ラヴズオンリーユー】
札幌記念近5年の3着以内馬一覧
■表1 【札幌記念近5年の3着以内馬一覧】
上がりタイムに関しては良馬場の年は34〜35秒台を使った馬が上位に入っている。稍重の年は消耗戦で4コーナー10番手以下の追い込み勢も上位に入っているが、良馬場の年は4コーナー10番手以内の馬で決着していた。
人気順では17年2着ナリタスターワン(12番人気)以外はすべて6番人気以内の馬だった。1番人気馬は【0.2.3.0】で勝ち星こそないものの、複勝率100%と安定。2番人気馬が2勝、3・5・6番人気馬が1勝ずつとなっている。
札幌記念近5年の脚質別成績と上がり順位別成績
■表2 【札幌記念近5年の脚質別成績と上がり順位別成績】
上がり順位別成績は、上がり最速だった馬が昨年のノームコアら近2年続けて勝利しており、連対率55.6%・複勝率88.9%と非常に高い。上がり2位の馬も連対率・複勝率50%と優秀。上がり2位以内の馬が3着以内馬15頭中10頭を占めている。
タフな洋芝で全体的に緩みのない流れになることが多く、中団で脚を溜めていた差し馬が上位の上がりで好走する傾向が目立つレースといえる。
札幌記念近5年の枠番別成績
■表3 【札幌記念近5年の枠番別成績】
札幌記念近5年の前走レース別成績
■表4 【札幌記念近5年の前走レース別成績】
その他では目黒記念組から一昨年のブラストワンピースが勝利。前走クラス別成績では、前走国内G1だった馬が【2.4.4.14】で複勝率41.7%と高い。なお、前走海外G1組は【0.0.1.5】で18年モズカッチャンの3着1回だが、前走で5着以内だったのは一昨年のクルーガー(前走豪クイーンエリザベスS2着/札幌記念は8着)のみだった。
札幌記念近5年の種牡馬別成績
■表5 【札幌記念近5年の種牡馬別成績】
ディープインパクト産駒は18年サングレーザーが勝利しており、複勝率44.4%と優秀だ。キングカメハメハ産駒は17年サクラアンプルール、ネオユニヴァース産駒は16年ネオリアリズムがそれぞれ勝利し、ともに複勝率25.0%。他ではステイゴールド〜オルフェーヴルのラインはそれぞれ1回ずつ3着に入っている。
札幌記念近5年の前走馬体重別成績
■表6 【札幌記念近5年の前走馬体重別成績】
なお、460キロ未満の馬からは連対馬が出ていない。
<結論>
今年の札幌記念の出走予定馬(8/18時点)
■表7 【今年の札幌記念の出走予定馬(8/18時点)】
この2頭の比較ではラヴズオンリーユーを上位に評価したい。昨年は勝利がなかったものの、今年に入って京都記念、前走の香港クイーンエリザベス2世Cを勝利。前走ではグローリーヴェイズ、デアリングタクトを破り、2走前のドバイシーマクラシックもクロノジェネシスとクビ差の3着。現時点の実力、実績からしてもここでは抜けた存在だ。好相性のディープインパクト産駒でもあり、中心視したい。
ソダシは前走オークスで8着に敗退。古馬初対戦となる今回は斤量52キロと有利ではあるが、1800m以上の実績がない点は気にかかる。スピードが秀でたタイプだけに、最後苦しくなっておかしくない。
他ではユーキャンスマイルを推奨したい。前走がG1で馬体重510キロも買い材料。天皇賞春からの距離短縮ローテでは一昨年新潟記念を勝利している。長距離馬のイメージがあるが、2000m戦は【1.2.0.1】で馬券圏外の1回は天皇賞・秋の4着と狙い頃だ。
またハービンジャー産駒で、すでに札幌記念の実績があるブラストワンピースとペルシアンナイトは要注目。あとは1枠に入った馬は必ずチェックしておきたい。
文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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