WBO世界Sフライ級タイトルマッチ
12/31 18:00
井岡が2度目の防衛、田中を8回TKOで破る
総括
写真は共同
王者・井岡一翔と挑戦者・田中恒成によるWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチが31日、東京・大田区総合体育館で行われ、井岡が8回1分35秒TKOで勝利し、2度目の防衛に成功した。
スピードを生かした攻撃で前に出る田中に対し、井岡も多彩なパンチで反撃した。一進一退の攻防だったが、井岡が5回に右からの左フックでダウンを奪うと、6回には左フックで2回目のダウン。最後、8回にカウンターの左フックで試合を決めた。
31歳の4階級王者がベテランの意地を見せて、25歳で世界最速の16戦目による4階級制覇を狙った無敗のチャレンジャーを沈めた。
ラウンド詳細
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試合前
先に入場したのは田中。黒いガウンを纏い、手を上げてファンに挨拶をしながら入場。一方の井岡はAK-69の生歌と共に入場。落ち着いた様子でゆっくりとリングイン。
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1R
まずは田中が右のストレートで先制。ジャブで探りながらコンビネーションで攻める。井岡は距離を計りながら様子をうかがう。バックステップで交わしながらジャブを打っていく。
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2R
井岡が右ボディーから、右アッパーで先制。田中はジャブをしっかり顔に当てていく。距離をとり、踏み込みながら左、右のコンビネーションで攻める。ラウンド終盤には井岡が右ストレートを放つ。
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3R
田中は左ボディー、フックのコンビーションをしっかりと当てていく。距離が少し合いだした模様。井岡の手数が増える。田中は速い動きで、さらに手数を増やしていく。終盤には左ジャブから右ストレートのコンビをしっかりと当てていく。
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4R
序盤から接近戦で打ち合い。田中は井岡をじりじりとリングに追い詰め、連打でしっかり当てる。しかし、井岡は相手のスピードにしっかりついていき、決定打を避けながら強打を狙う。
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5R
両者ジャブで距離をとりながら応戦。田中は速いジャブで右ストレートで強打。前に出ながら王者をロープ際に追い込む。防戦一方に見えた井岡だが、ラウンド終盤に追い詰められながらもカウンターの右ストレートからの左フックでダウンを奪う。
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6R
田中は前ラウンドにダウンを奪われながらも、前に行く姿勢は弱めず。どんどん手数を出していく。井岡はジャブ、ボディーと散らしながら応戦。そして再びカウンターの左フックが炸裂し2度目のダウンを奪う。終盤は田中が前に出ながら、ジャブ、ストレートのコンビネーションをしっかりと当てていく。
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7R
田中は2度のダウンを奪われながらも果敢に攻め続ける。右のボディーを連打していく。ラウンド終盤にはスイッチし、攻めの姿勢を貫く。井岡はギリギリの距離を保ちつつ相手の様子をしっかり見る。再びカウンター狙いなのか、少し余裕が見えてきた。
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8R
後がない田中は、前ラウンド同様、手数を出していくが、決定打は得られず。井岡はガードをしながら、カウンターを狙っていく。最後は左フックをカウンターで綺麗にヒット。この一撃で田中の膝は崩れ、レフェリーストップとなった。
見どころ
2020年大晦日、王者・井岡一翔と挑戦者・田中恒成によるWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチが行われる。
多彩なパンチのコンビネーションと高いディフェンス能力を誇る井岡。ここまで27戦25勝(14KO)2敗の成績を残している。7戦目でWBC世界ミニマム級王座、11戦目でWBA世界ライトフライ級王座、18戦目でWBA世界フライ級王座、26戦目でWBO世界スーパーフライ級王座を獲得し、日本人男子では初の世界4階級制覇を達成した。
一方、田中はスピードを武器に、通算成績15戦15勝(9KO)と無敗。日本男子最速となる5戦目でWBO世界ミニマム級王座を奪取すると、8戦目でWBO世界ライトフライ級王者に。さらに、世界最速タイとなる12戦目でWBO世界フライ級王者に上り詰めた。
ともに日本のボクシング界に歴史を刻んできた2人の対決。攻守ともにハイレベルな日本人頂上決戦になりそうだ。