WBAスーパー・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦 井上尚弥vs.ノニト・ドネア

6/7 21:15

井上尚弥が2回KO勝利、日本人初の3団体統一王座獲得

ゲームスコア

大会名
WBAスーパー・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦

井上尚弥

TKO

ノニト・ドネア

2R 1:24

総括

バンタム級世界3団体王座統一戦の2回、ノニト・ドネア(左)からダウンを奪いTKO勝ちし、日本人選手で初の3団体王座統一を果たした井上尚弥(写真は共同)

 WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥とWBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン)による3団体統一戦が7日、さいたまスーパーアリーナで開催された。

 2019年11月、WBSS(World Boxing Super Series)決勝で対戦した両者は井上が11Rにダウンを奪い判定勝ち。しかしプロキャリア初のピンチを迎えた井上は、再戦での圧勝を誓いリングに立った。

 リベンジに燃えるドネアは開始から前に出るが、井上もスピードあるジャブと左フックに力を込めストップする。そして1R終了間際、ドネアのテンプルにクロスカウンターを打ち込みダウンを奪い初回を終える。

 ドネアは2Rも攻勢を掛けんとするが、井上は逆にロープに詰め猛攻。左フックでフラつかせ、ボディ打ちも織り交ぜ、最後はワンツーからの左フックでとらえるとドネアは横倒れとなり、レフェリーがダメージを見て試合を止めた。

 宣言通りの圧勝で日本ボクシング史上初の3団体統一王者となった井上は、王座返り咲きを果たし自身との再戦まで勝ち上がってきたドネアに感謝。今後の目標には年内の4団体統一、それが叶わないならスーパー・バンタム級への転向を挙げ、ダメージを感じさせない顔でリングを後にした。(文:長谷川亮)

ラウンド詳細

  • 試合前

     先に入場の井上はリングで布袋寅泰が生演奏する中、ジャンプして小刻みに身体を振り、ファンに片手を上げアピールしてリングに入る。そして布袋とタッチを交わす。集中した表情。

     続いて入場のドネアも控え室から姿を現すとすでに集中した様子を見せる。井上はマットの感触を確かめるようにリングの中を回ってドネアを待つ。ドネアも拳を挙げ、ファンの歓声に応えてリングに入る。

     両国国歌吹奏が行われ、両者試合開始を待つ。

     コールの間、井上とドネアはともに体を跳ねて動かし、軽くシャドーも繰り広げる。

  • 1R

     ドネアが左フック、ジャブと先に放つが井上は見切って当てさせず、自身もジャブと左フックを返す。両者リードパンチを伸ばして様子見し合う。左フックとジャブを強振してドネアをけん制する井上。ワンツーで切り込み、右ストレートでドネアを軽くとらえる。井上のジャブにドネアは右ストレートをリターン。そこからドネアは圧力を掛けんとするが、井上はジャブで食い止め、終了間際に右クロスカウンターでドネアを崩してダウンを奪う。

     ドネアが立ち上がり初回が終わる。

  • 2R

     ドネアが左フックをかすめるが、井上は左フックを当て返して後退させ、ドネアがロープを背負うと右ストレート、左フック、左ボディと猛攻。ドネアも前に出るが、井上の左フックを受け足元がフラつく。井上は左フックの上下打ちから攻勢を掛けドネアをワンツーからの左フックで横倒しにし、ダメージを見てレフェリーが試合を止めた。

  • 井上の勝利後リング上インタビュー

    「やりました! 懐かしい、2年7か月前にWBSS決勝でドネアと戦って以来の熱気、本当に力をもらいました。みなさんありがとうございました! ドネアの左フックを開始早々にもらって緊張感がついて、ピりついて試合に入ることができました。1Rの右ストレートは感触なかったんですけど、かなり効くタイミングで入っていたので、“やってきた練習は間違いないぞ”と思って2Rに入りました。(2Rは)まだ2R目だったので返しの左フックだったりドネアのパンチが生きてると攻め急がず、でも自分の価値観やこの先のステージに進めないと思ったので攻めました。自分はやる前から『ドラマにせず一方的に勝つんだ』と言っていて、プレッシャーを掛けて臨みました。ホッとしてますし、この先一つ上のステージに行けるのかなと思います。ドネアがいたからこそバンタム級で輝けたし、ドネアが返り咲いてリングにこの2人で上がったことが感動を生んだと思うので、本当にドネアには感謝したいと思います。(今後は)目標としている4団体統一が年内に叶うならバンタム級で戦います。それが困難、叶わないとするならスーパー・バンタム級に上げて新たなステージで挑戦していきたいと思います。こんなにも多くの声援、さいたまスーパーアリーナに足を運んで頂き、本当にありがとうございました。この先もここにいるファンの方々、配信を見て頂いた方々と一緒に最高の景色を観に行きたい、上のステージに行きたいので、期待して応援してください」

見どころ

 6月7日に行われるWBAスーパー・IBF世界バンタム級王者の井上尚弥とWBC世界バンタム級王者のノニト・ドネア(フィリピン)の再戦は、日本ボクシング史上初となる世界3団体同時制覇も懸かるビッグマッチとなる。

 2019年11月、井上とドネアはWBSS(World Boxing Super Series)決勝で対戦。井上有利が囁かれた一戦だったが、ドネアは左フックで井上の右目上をカット、さらに鼻からも出血させ、井上にかつてない窮地を経験させる。プロで初めてのピンチを迎えた井上だったが、ボクシングコンピューターを狂わすことなく底力を発揮。11Rには左ボディでドネアにダウンを与え、判定で勝利した。その実力を広く世界に知らしめた井上だったが代償は大きく、右眼窩底と鼻を骨折。当時36歳で斜陽の指摘もあったドネアだが、再評価を促す一戦となった。

 あれから2年半、コロナ禍により両者試合ペースはダウンするものの井上は3勝3KO、ドネアは2勝2KOとともにKOを重ね再戦を迎える。前回は年齢による懸念を跳ね返したドネアだが現在は39歳、今が全盛期と見られる井上は「一方的に、触れさせずに終わる」と差をつけての勝利を宣言。

 前回より一層隙を無くした井上が宣言通りにドネアをも圧倒するのか、あるいはドネアが「ドラマ・イン・サイタマ2」のタイトルを自身のものとするのか。(文:長谷川亮)

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