得意な番手だけで回ったらスコアは良くなる? 14本にこだわらないセッティング術を考えてみた

ゴルフサプリ

【ゴルフサプリ】

ゴルフはドライバーからパターまで14本のクラブをバッグに入れてプレーすることが許されているが、必ずしも14本を入れる必要はない。では、14本から何本かのクラブを抜くことで、どんなメリットがあるのか? また、どのクラブを抜いたらいいのかプロと一緒に考えてみた。
撮影協力/TIME ZIPS 24

本数を減らす目的をよく考えてみよう

14本のセッティングから、何かしらの番手を抜いて本数を減らすことのメリットとしては、どんなことがあるのだろう。まずは、このことから、ゴルフサプリの試打企画などでお馴染みの高橋良明プロに聞いてみよう。

『14本から2、3本抜いている人はけっこう多いと思います。そして、どの番手を抜いているかというと、3Wだったり5番アイアンだったり、だいたい苦手な番手を抜いているんですよね。そうした人たちのように、ミスが出やすいとわかっている番手を抜くのは良い選択だと思います』

なんとなくではなく、スコアに影響を及ぼす苦手な番手を抜くという明確な理由があれば、それは本数を減らす十分なメリットであり、事前にミスの種をなくし、ゴルフをシンプルにすると言う高橋プロ。

『たとえば、ピンまで残り200ヤードの時、3Wと5Wを持っていたらどっちで打つか迷うことがありませんか? 3Wでグリーンまでとどかせられるかもしれない。でも、3Wはミスの頻度が多くて大ケガの可能性もあるから、5Wで手前まで運べればいいかな? とか。もしも3Wを抜いていたら、5Wでグリーンに近づけばいいや、と思えますよね。苦手な3Wでドキドキしながら打つ必要がなくなるから、精神的にもラクになります』

でも、苦手な番手を2、3本抜いたくらいだとセッティング術とまではいかないですよね。実際、多くのゴルファーがやっていることですから。だから、もっと踏み込んで、12本以下のセッティングにするなら、どんな目的でどんな番手を抜くかを考えてみましょうか』

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目的と考え方次第で本数はどんどん減らせる

本数を減らしてみようかと考えているゴルファーには、それぞれいろいろな理由があるはず。まずは、飛ぶ人と飛ばない人では、どんなセッティング例が考えられるかを教えてもらった。

『飛距離に自信がないという人は、上の番手を厚くしたいですね。ウッドが得意なら1W・3W・5W・7Wのようにウッドを4本くらい入れて、その下は7I〜9I、P、A、S、PTで11本。逆に飛距離に自信があるなら、1W・3W・5W・3or4U・7I〜9I、P、A、S、PTでもいいし、1W・3W・5W・7I〜9I、P、A、S、PTに60度ウェッジを加えて下の番手を厚くするのもいいでしょう』

次に初心者向けに本数を減らしたセッティングだと、どんな内訳にしたらいいだろう?

『これは誰でも思い付くと思います。いわゆるハーフセットですよね。1W・3Wor5W・7W・7I・9I・PW・SW・PTの8本。グリーンまで距離があればウッドを使えばいいし、グリーンに近づいてちょうどいい番手がなければ、グリーン手前かピン奥に運べばいいや、と決めてしまえば、迷いなくプレーできます。ドライバーが当たらないから不安という人は1Wを抜いて、3Wか5Wで代用してしまってもいいです。でも、ドライバーは打ちたいですよね(笑) 短い距離の選択肢を増やしたいなら、AWを加えて9本にするのもアリです』

究極にゴルフをシンプルにしたいなら、1W・5Wor7W・7I・PW・SW・PTの5本にするのも、もちろんアリ。

『アリですけど、いろいろな番手を打つのもゴルフの楽しみのひとつですから、そこまで減らす理由はあまりないですよね(笑)』

前後の距離をカバーできる得意な番手を残すのもいい

『たとえば、1W・3W・5W・7W・6U・6I〜9I・PW・AW・SW・PTという14本から、得意な番手で前後の番手の距離をカバーするという減らし方もありますよね。

5Wが得意だと思うなら、前後の3Wと7Wを抜く。6Uを残して、距離が少し被っている6Iも抜く。7Iでよく練習しているなら、8Iも抜いちゃっていいですよね。9IとPWもどちらか抜いてしまえるでしょう。そうして、1W・5W・6U・8I・PW・AW・SW・PTの8本、ハーフセットまで減らすことができます。前述したように、ここまで減らすとゴルフはかなりシンプルになります。改めてハーフセットがよくできた番手構成だということもわかりますね』

どんなクラブや道具を使うか、またどんなセッティングでラウンドに臨むかもゴルフの楽しみだと高橋プロ。

『自分の飛距離やクセ、ミスの傾向などを分析して、自分だけの最高のセッティングを考えるのもとても楽しいですよね。本数を減らすことによるメリットは確かにありますが、本数にこだわらず自分だけのセッティングを楽しいながら追求してみてください』
試打/高橋良明プロ
1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリストでもある。

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