パター2本持ちでラウンドはナシ? ショートパットとロングパットで使い分けるならアリ?

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鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第58回

家の中にパターが何本も並んでいるゴルファーは多いだろう。せっかくだから、それらのパターをコースによって使い分けたり、“2本持ち”をしてラウンド中に打ち分けたりすると、なんかカッコいいかも。カリスマフィッターの鹿又さんは、パターの“2本持ち”についてこう解説する。

ラウンド中にパターを使い分けると“基準”が確立できない

2本のパターを持ってラウンド中に使い分けるとしたら、例えば「ロングパット用」と「ショートパット用」に分けて使うとかは、考え方の一つとしてはあると思います。ですが、個人的にはオススメしません。

なぜかというと、パターで大事なことが「アライメントの取りやすさ」と「距離感」なんです。パットは毎回同じ条件では打たないし、ゴルフ場によってグリーンのスピードが違うもの。その日のタッチやフィーリングをラウンド中に積み重ねて、アジャストしながらプレーします。
しかし、そこに違うパターが加わることで“基準”が複雑になってしまうんです。

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ボールを替えながらラウンドするのと同じエラーが生じる?

過去に、PGAツアーの選手たちの中でも「ドライバーの2本体制」はいても「パターの2本体制」って聞いたことがありません。あれだけいろんなことにチャレンジする選手たちがやってないということは、やらないほうがいいんじゃないでしょうか。

個人的な意見として(プライベートなゴルフでも)ラウンド中に同じボールでプレーしないことが考えられません。ボールが変わったら、フルショットに関してはまあ影響が少ないとしても、アプローチ&パットで打感と打音が変わるし、アプローチでは球の打ち出し高さが変わり、結果として距離感が変わってしまいます。ラウンド中にパターを変えるということは、それと同じような現象が起こるでしょう。

パターが違ってフェースのインサートが変わったら、感触や打音も変わってしまう。また、パターが違うと、重さが違ってくる。重さが違ったり形状が違ったりすると、距離感が変わる。スコアメークの肝になる距離感に影響を及ぼしてしまうことが、ボクは一番NGだと思います。

1本のパターでフィードバックを受けるのが望ましい

パターを2本持っていて、コースによって使い分けるのはアリだとは思いますが……。試合の練習ラウンドでパターをいっぱい持っていって打ってる人もよくいるので「そのコースで距離感が合うモノを探す」という観点ではアリでしょう。とはいえ、試合のときに3~5本もパターを持って打っている人は「あ~、具合が悪いんだな」という見え方しかしません(笑)。

昨年に「マスターズ」へ行ったときに、コリン・モリカワがパターを3本持って練習グリーンでずっと打ってました。でも、結果的にパターが入らなくて、最終日に引き離されてしまいました(3位T)。

1本のパターでずっとプレーすることで、傾向が分かるし基準ができるのでは。プロならまだしも、練習量が少ないアマチュアは、1本のパターでデータを蓄積していったほうが、次につながるんじゃないでしょうか。

同じ長さのヘッド違いよりも、同じヘッドの長さ違い

パターを何本も持つとしたら、違うタイプのヘッド形状を持つのも一つかもしれませんが、長さが違うパターを持って「自分が構えやすい長さはどれか?」というのを見つけるほうが、実戦的だと思います。

34インチでいくつもパターを持つよりも、33~35インチまでで何種類かを持って「コレが使いやすい」というように選ぶほうが効果的ということです。基本的には34インチがスタンダードだから、33インチ(短め)と35インチ(長め)を持ってもいいでしょう。
パターの長さは構えやすさにも影響するので“長さ違い”のパターをそろえるのは実用的かもしれません。

タイプの違うヘッドのパターを持っている人はいても、同じヘッドの長さ違いを持っているという人は、良い意味でかなりのゴルフオタクかも。 【ゴルフサプリ】

鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。

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著者プロフィール

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