【絶対に使ってはいけないゴルフボール】突き詰めるとボールは4種類。でも選択肢は3つしかない。
ボール選びに迷っているアマチュアは多いのではないだろうか。ショップにはたくさんのブランドのボールが並び、説明を読んでも本当に自分に向いているのか判断するのはなかなか難しい。そこで、緻密な分析をもとに詳細な解説が好評な吉本巧コーチにボールの選び方を聞いた。
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星の数ほどの種類があるボールも、突き詰めれば三者択一
そもそもボールは規格が細かく決まっていて、メーカーはその狭い範囲でしか理想のボールを追求するしかありません。ですが、他社と差別化するためには、違いが備わっていなければいけません。ですから、ボールを構成する材料や工程、突出させる部分を変えて、違いを出しているのです。その微妙な違いに好き嫌いが出るわけですが、突き詰めればボールの種類は流通している3種類となるわけです。
ご存知のように、ボールは表面(カバー)とコアでできています。3ピース、4ピースなど複数の層で構成されているものもありますが、それはコアの作りが違うだけで、パーツとしては表面とコアの2つ。それぞれの硬さによって以下の4つに分かれます。
1 表面、コアともに軟らかいボール
2 表面が軟らかく、コアが硬いボール
3 表面が硬く、コアが軟らかいボール
4 表面、コアともに硬いボール
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そして、スピン量も変わります。スピンは軟らかいほど入りやすく、硬いほど入りづらいので、表面、コアとも軟らかい1のボールはスピン系。グリーンに止めやすく、通常のアプローチではスピンがかかります。これと対極にあるのが表面、コアともに硬い4のボール。硬い分バックスピンが減って距離が出やすくなるためディスタンス系と呼ばれ、スピンが少ないので止まりづらくなります。
スピンがかかりやすいということは、バックスピンのみならず、サイドスピンも入りやすいということなので、スピン系のボールは止まりやすい反面、曲がりやすいとも言えます。反対の理由でディスタンス系のボールは曲がりづらくなります。
世の中に一番多く流通しているのは2の、表面が軟らかくコアが硬いボールです。“飛んで止まる”と謳っているのはこのタイプです。矛盾しているように聞こえるフレーズですが、私は「フルショットは飛ぶ打感、ショートゲームは止まる打感」と解釈しています。表面が軟らかく打感がソフトなので止まるイメージが得られ、フルショットするとコアの硬さが伝わって飛ぶ感じがする。感覚が満たされるというわけです。
いわばスピン系とディスタンス系の“イイとこ取り”をしたボールですが、ディスタンス系の飛びには敵わず、スピン系の止まりにも敵わない。その意味ではどっちつかずのボールともとれます。どう解釈するかはプレーヤー次第ですが、流通量が多いので支持は得ていると言っていいでしょう。
3の表面が硬く、コアが軟らかいボールですが、これは1のボールとは逆の存在になります。そのロジックから考えると選択対象からは除外できます。実際、3のボールは、今は流通していません。ということで、スピン系の特性が欲しい、あるいは好みなら「1. 表面、コアともに軟らかい」1、ディスタンス系なら「4. 表面、コアともに硬い」、特にこだわりがなければ「2. 表面が軟らかく、コアが硬い」のボールという選択でいいでしょう。
個人的にはボールは7割は好み、2割は印象で選べばいいと思います。好みとは打感や打音、印象とは〇〇プロが使っているから、とかで要は気持ちの問題。アマチュアの方は何十球も試し打ちして違いを見るなどできませんし、ボールが違ったところで平均飛距離が20ヤード変わるわけではありません。
だからこそ好み優先でいいと思うのです。
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よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。
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