幼少期の傷ついた自分と対話し、癒す「インナーチャイルドワーク」のやり方

MELOS -メロス-
前回は、幼少期にうまく愛情を受けることができなかった人について解説しました。今回は、傷ついたままの幼いころの自分、いわゆる“インナーチャイルド”を癒す方法をお届けします。監修は、親子関係心理学の専門家・合同会社serendipity代表の三凛さとしさんです。

【MELOS】

ステップ 1  感情を紙に書き出す

まずは幼少期に受けた仕打ちを思い出し、それがどんな状況で、どんな気持ちだったのかを紙に書き出します。


誰から?⇒親、教師、友達など
どんな仕打ち?⇒無視された、否定された、怒鳴られたなど
どんな気持ちになった?⇒怖かった、悲しかった、怒りを感じた

このときの感情に戻り、自分がどれほど傷ついていたかを認識します。

ステップ 2 効き手とは反対の手で、子ども時代の自分に戻って書く

次に、逆手(効き手とは反対の手)でペンを持ち、子ども時代の自分になりきって、そのときの感情を感じながら書きます。

書く内容
その時にどんな気持ちだったのか
本当はどうして欲しかったのか(「抱きしめて欲しかった」「安心させて欲しかった」など)

ステップ2は、感情を表現することで、ストレスホルモンの低下や心理的な安定が得られるというカタルシス効果の理論に基づいています。感情を「出し切る」ことが、心理的な回復につながるとされています(Pennebaker, 1997)。

ステップ3 大人の自分として優しく受け入れる

ペンを持ち替え、今の大人の自分として、傷ついた子ども時代の自分に優しく対話をします。

書く内容
「あなたはそんなに辛かったんだね」「大丈夫、私は今あなたを守っているよ」「その気持ちは理解できるよ」「今はもうそんなことはないよ」

このプロセスでは、自分の過去の感情を今の自分が優しく受け止め、癒すことが目的です。

感情を受け入れ、過去の自分を優しく扱うことが心の癒しを促進します。「自己共感」と「自己受容」理論です。大人になった自分が過去の自分を受け入れることで、 自己肯定感が向上し、心の平穏が得られるとされています(Neff, 2003)。

ステップ4 感情を感じきるまで続ける

感情が溢れてきた場合は、無理に抑えずにその感情を感じきることが大切です。

未処理の感情は、心理的な障害や問題行動として現れ続けることがあります。感情は適切に表現され、処理されることで解消されます。これを「情動処理理論(Foa & Kozak, 1986)」といいます。

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