「グリーンフォークって、スコアがいくつになったら携帯するものですか?」今でしょ!
【ゴルフサプリ】
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
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マナーの優先問題は令和でも議論になるけれど
打ち込み事故です。打ち込みはどんな理由があっても正当化されないマナー違反で、ゴルファーの資格を問われるエチケット違反です。
「でも、進行も大切。スロープレーで後ろの組以降全てのゴルファーに迷惑がかかっていると思ったら、グリーンに打ち込んだのではなく、トロトロと動かないカートにミスショットが飛んで行った場合は、情状酌量があっても良くないか?」
という意見も、根強くあります。
安全第一なのか? 進行優先なのか? マナーの優先順位についてのゴルフ談義は、古今東西、尽きることはありません。
建前というか、法律論としては、安全第一が最上位、進行は次点となりますが、ゴルフという特別な世界の中では、安全の確保、思いやりの実践、コースの保護、プレーのペースというエチケットの四本柱は、等価であると定義されいます。
つまり、優先順位はなく、全てのマナーは、欠けることなく発揮されてこそ、その存在意義があるのです。
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新マナー? 令和のゴルファーよ、甘やかされることなかれ!
と聞かれて、ドキッとすることがありますが、詳細を聞けば、それは便宜上の都合を優先しただけの処方に過ぎないものばかりです。
例えば、冒頭のシーンのように、やや混んでいるコースで前の組がティで打つのを待っている場合は、カートを後ろにつけずにグリーンの近くで待機するのが最新のマナーです、というものがあります。
後ろの組が自分たちの話に夢中になっていて、前の組が打つときに、うるさくて、迷惑になることを未然に防ぐための心配りだというのが、新マナーの肝になっています。
この処方を新マナーだと言い出した人と話をしましたが、ゴルフコースに勤務した経験があると、こういう思考になりがちなのです。お客様に、できるだけ注意したりしないで済むように、スマートに済ませる工夫を優先するからです。
ほとんどゴルファーは、マナーを実践していると思ってゴルフをしているので、マナー違反だと注意されると、それが事実であっても、カチンと来て、素直に聞けなくなる傾向があることが根底にあります。
でも、話は単純で明確です。他者が打つときに、声や音を出さないのは基本のマナーです。前の組がティにいれば、打つときには声を掛け合って静寂を作る。後ろの組が、うるさいと思ったら「打ちますので、お静かに」と、一声かければ解決です。
つまり、マナーを実践していれば、カートは前の組の後ろに止めるのが、安全と進行を考慮した唯一の正解であり、新マナーなんて、ちゃんちゃらおかしいのです。
こういう怪しげな新マナーを鵜呑みにしてしまう時点で、自分はゴルファーとして甘やかされている半人前だと公言しているのと同じで、ゴルフの残酷な一面であることを忘れないようにしたいものです。
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目土を無視し続ける厚顔無恥な人をゴルファーとは呼ばない
馬鹿な質問ですが、耳にタコができるほど、よくある質問です。
グリーン上で、落下したボールの跡を直す用具がグリーンフォークです。バックスピンがかかるようなボールを打てる人だけが、グリーンの修繕をするのだと考えて、自分にグリーンフォークは早い、と考えてしまう初級者は多いのです。
しかし、それは間違いです。自分がつけたものでなくとも、グリーン上で、ボールマークを見つけたら修繕するのはマナーだからです。ゴルフを始めたら、ボールやティと同じようにグリーンフォークは携帯し、常に使えるようにしておくのが正解です。
コースの保護は、ゴルフのエチケットの四本柱の一つです。
グリーンの外でも、ショットの影響で芝生が削れた穴状の跡は、目土をして修繕することもマナーです。
昭和の頃、キャディ付きでなければプレーできないコースが圧倒的多数でした。目土をキャディがやってくれるのも当たり前だったのです。その影響で、目土をしないゴルファーが量産されて、現在に繋がっています。
よく見れば、必ず目土袋がカートに配備されていますし、スタート前に無償で貸し出しているコースもあります。僕もそうですが、使いやすいものを自分専用に使うほうが便利で快適だからと、自前の目土袋がキャディバッグに入っている人もいます。
目土をしたことはないという人。実はたくさんいます。
恥じることはありません。次からやってみれば良いだけの話。ゴルフとはそういうものです。
ただ注意したいのは、赤信号みんなで渡れば怖くない、という感じで、みんながやっていないから、と知らぬフリをするのは、厚顔無恥な行為で、ゴルフをする資格が問われる、ということです。
ゴルフというゲームは、マナーというルール以前の決まり事があって成り立っていますし、数百年も続いてきました。
マナーがちゃんと実践できることは、ナイスショットを繋げて好スコアでプレーするのと同等以上に気持ちが良いもので、ゴルフの醍醐味でもあるのです。
マナーを無視しても、まあまあ面白いことは、ゴルフの魅力でもあり、欠点でもあります。
まあまあではなく、120%のゴルフを楽しみたいのであれば、マナーの実践は不可欠です。
マナーを実践せずにプレーするゴルフは、体験版のゲームのようなものです。体験版で満足できるなら何も言うことはありませんが、製品版を試してみたいと思うのであれば、手続きはとても簡単です。そして、それは無料です。やらないのは損。やるしかないのです。
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ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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