打ち手の技量をフルに生かして スコアを出せるUT&アイアン イメージ通りの弾道で ピンをデッドに狙える アストロツアーのセカンドギア

GEW(月刊ゴルフ用品界)

【マスターズのアストロシリーズ】

多くのトップアマが使用するマスターズのアストロシリーズ。今回はロフト30度台までラインナップするUT『TH/001 HYBRID』と軟鉄鍛造のシンプルなキャビティアイアン『RV.CB FORGED IRON』。「アストロツアー」の2モデルについて“ギアの賢者”こと永井延宏プロは、コースで真価を発揮する実戦的なクラブと言う。そのインプレッションを聞いた。

まずは動画で

『TH/001 HYBRID』 見た目の安心感とスクエア感、適度にハジく心地よい打球感

【『TH/001 HYBRID』】

永井 このモデルはロフトが20度から4度ピッチで36度までありますが、従来のUTにはなかなかないハイロフト帯をカバーしていますね。その中で今回は、24度と32度を打ちました。どちらのロフトも、ヘッドの後方はキレイな丸みを帯びて“ウッド的”ですが、フェース側はロフトが寝ていてもかぶって見えずスクエアに構えやすい“アイアン的”な見え方。前方と後方が一つのデザインとして調和している辺りは、モノ作りのこだわりや丁寧さを感じますね。フェース面にはスコアラインに加えてミーリングがハッキリ見えます。地べたから打つ2打目以降に、ボールとフェースの間に挟まる水分や芝による“スリップ”をかなり防いでくれるでしょう。ソールの形状は、真ん中がフラットでトウ・ヒール側はかなりラウンドしてます。ラフ、バンカー、ベアグラウンドなどさまざまなライや傾斜に対応できるに違いありません。

24度を打つと、それほど強く振らなくてもキャリーで200ヤード近く飛びました。マレージングフェースならではの高めの金属音や心地よいハジき感、そしてソールのフェース側に刻まれたスリットが初速につながっているのでしょう。

【TH/001 24度 試打データ】

続いて『TH/001』の特徴でもある32度。見た目や打感・打音は、24度の流れをしっかりと継いでます。そして、深重心ヘッドならではの後ろから押してくれる感じや弾道の高さアリ。ハイロフトでもミート率が1.43と満点に近くて、キャリーで 175ヤードと、同じロフトのアイアンより飛距離が出ますね。HSが足りなくてアイアンだと球が上がり切らない、#7でもハザード越えのグリーンを狙うのが厳しい、という人たちにオススメ。グリーンの手前に迫る池やバンカーを越えてキャリーで狙わなきゃいけない状況で、このUTの32度ならば球の高さを出してくれて止められるでしょう。

と同時に、HSがある人ほど従来のハイロフトのUTやFWだと、球がめくれてしまい散らばるイメージがあったのではないでしょうか。でも『TH/001』の32度は、打ち出し角が高すぎず・スピン量が多すぎずで、ラインを出しやすくて球が狙った通りに飛ぶのでピンを狙っていける。UTの新時代を切り開く「ハイブリッド2.0」と呼べるでしょう。

【TH/001 32度 試打データ】

価格は、クラブが4万1800円~。ヘッド単品/3万5200円。

『RV.CB FORGED IRON』 ヤマ型ソールが支えてくれて ロフト=距離感がブレにくい

【『RV.CB FORGED IRON』 】

永井 試打するクラブは♯7、ロフトが32度と現代のアスリート系アイアンとしては標準的なロフトです。奇をてらわないシンプルなデザインの軟鉄鍛造キャビティで、ウッド系やウェッジ系など“上下の番手”にどういうタイプのクラブを入れても、セットとして違和感なく馴染むでしょう。セミグースネックですが、ネックがわりと細身でヒール側がスッキリしているので、シャープな印象だしフェースの向きをターゲットに合わせやすいです。大きすぎず・小さすぎずのサイズ感で、操作性もあるしスイング中にフェースの向きを感じやすい。アイアンらしくフェースが向いた方向へ素直に球が飛び出すところは、コースを攻める上で肝心なところですね。それから、ヘッドのトウ側とヒール側の高さに差があってややアップライトに見えるので、トウ側が程よく返って球がつかまりやすいイメージがありました。

この『RV.CB FORGED』で特徴的なのが立体的なソールのデザイン。ウェッジでいうところの“バウンス効果”のような作用があって、ある程度ダウンブローに打ち込んでもソールが支えてくれて地面に入りすぎないので、インパクトロフトが安定するし、打点が重心より上になりません。それによってタテ距離が安定するんです。しかも、ソールのヒール側もトウ側も落としてあり、傾斜にも対応しやすくてスムーズに抜けるでしょう。

軟鉄鍛造ならではの軟らかさの中にも、ややハジきがあるフィーリングで初速感もアリ。この感触は今どきアイアンのトレンドに合っているし、前述したUTの打感ともマッチします。だからこそワンピースの軟鉄鍛造としては、ロフト32度の#7でミート率が1.44と高く出たし、キャリーが160ヤードをしっかり超えました。『RV.CB FORGED』は打ち手の技術をフルに引き出せて、コースを攻略できる“優等生的”でスタンダードなキャビティアイアンと言えますね。

【RV.CBアイアン #7 試打データ】

価格は、クラブが6本セット(♯6〜PW)が16万5000円〜、#5単体が3万3000円〜。ヘッド単体は、6個セット(13万2000円)、#5ヘッド単体が2万6400円。
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著者プロフィール

1978年2月創刊のゴルフ産業専門誌「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行。2000年5月から影響力のあるコアゴルファーを対象にネット情報を発信するウエブサイト「GEW」を立ち上げた。各種業界団体と連携、ゴルフ市場活性化への活動も推進中。

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