鹿又芳典もビックリ!!  ルーツゴルフ『AERMET ACE』は アスリートゴルファーが使える 曲がらないで飛ぶ新タイプのクラブ

GEW(月刊ゴルフ用品界)

【ルーツゴルフ『AERMET ACE』】

今年、創業20周年を迎えたルーツゴルフ。超合金アーメットにこだわり、飛距離に真摯に向き合う姿は多くのシニアゴルファーの拠り所となった。そのルーツゴルフから発売されたのが、同社では初となるアスリートラインの『AERMET ACE』。飛距離に定評のあるルーツゴルフだが、その飛距離に加え、競技者が使用するクラブとしての要素を盛り込んだ。その『AERMET ACE』のアイアンとドライバーを、様々なメディアでもおなじみのカリスマフィッター・鹿又芳典氏が検証。今回は開発者のルーツゴルフ・大同一輝氏とのやり取りも一興だ。

試打インプレッション1 AERMET ACE IRON「曲がらなくない!?」飛距離と操作性が融合

【AERMET ACE IRON】

アイアン9番(36度)
鹿又 そもそもルーツゴルフのアイアンは、飛び系だと思っているんですけど。

大同 飛び系アイアンが主流ですが、技術の進化で、高弾道、高スピンに改良しています。

鹿又 その中で『ACE』に関しては、競技者がターゲット?

大同 はい。比較的小ぶりでスピンも入る飛び系アイアンになります。

鹿又 いきなり9番(36度)を打ってみましたが、「曲がらなくない!?」という第一印象です。何度打っても同じ弾道で、慣れてくると振れてくる。シャフトもシッカリ感があります。

大同 純正のSですが、Sのみ重量が70g台なんです。

鹿又 ルーツさんのクラブは「転がってでも飛んでくれたらイイ」みたいな印象があったんですが、『ACE』のような王道なクラブにビックリです。それにしても70g台のカーボンシャフトを入れるのは珍しいですね。で、このシャフトが打ってもヘコタレナイ。

大同 ありがとうございます。

鹿又 そして、想像以上にヘッドの操作性が高い。フェースがアーメットなので打感は、軟鉄鍛造とは違いますが、ヘッド挙動は軟鉄鍛造アイアン同等の操作性がありますね。その意味で、弾道を作ろうとしても作れますね。なので、競技ゴルファーが求めるフィーリングは感じますよ!

GEW 目から鱗ですね?

鹿又 ただ、パーツブランド含め、競技者モデルは競争が激しい。それでも『ACE』を作った?

大同 飛距離に強い競技モデルって意外と少ないんですよ。それが理由ですね。

【9番アイアン試打データ】

ストロングロフトなのに球が浮く不思議 

【AERMET ACE IRON】

アイアン7番(28度)

鹿又 7番アイアンのロフト角は?

大同 28度です。

鹿又 そうなると、大手の競技者モデルより半番手くらい立っているので、これで球がしっかり浮くか、が問題ですね。

打ってみると・・・

鹿又 このロフトでスピン5000rpm以上というのはスゴイ。僕は普通軟鉄鍛造の7番30度で5000rpmなんです。なのに軟鉄鍛造のアイアンと遜色ないですね。

大同 飛距離はどうですか?

鹿又 頑張って飛ばしにいったわけではないのに、キャリーで170ヤード近く出ているので、飛びますね。着地角も40度前後なので、止まる弾道と考えて良いと思います。

【7番アイアン試打データ】

もう一発打ってみると・・・

鹿又 ミスりました。でも、ちょっと待って。これ驚きです。超チーピンなんですが、でも曲がり幅少ないです。何故ですか? 大同さん!

大同 フェース素材のアーメットって横スピンが入りにくい素材なんです。なので、良くも悪くもルーツのアイアンは「球を曲げれない」と言われます(笑)

鹿又 ひっかけても縦距離が変わらないし、曲がらない。どんどん打ちたくなりますね。曲がりにくいというのは、めちゃめちゃメリットですね。

大同 ゴルフには重要ですよね。

鹿又 曲がらないと、振ってやろう! という気になって力入れて振っても曲がらない。というか、さっき大同さんが言っていた「球を曲げれない」は、「曲がりにくい」で、でも競技者が求める操作性はあるので、『ACE』には大きなメリットになっていますね。

試打インプレッション2 AERMET ACE DRIVER ドライバーもアイアンのように振れ! 飛距離も方向も抜群

【AERMET ACE DRIVER】

ドライバー10.5度

鹿又 ドライバーですね。アイアンとドライバーって、ルーツゴルフさんのなかでは?

大同 これまではアイアンのイメージを強いんですが、それを覆すのが『ACE』のドライバーです。

鹿又 なんの情報もないまま1発打ってみましたが。アイアンと同じ振り心地ですね。打点はトゥ側でミスしましたが、それでも曲がり幅が少ないです。その打点でミート率1.47。何球打っても同じような弾道。安定感がある。どういう特徴のヘッドですか?

大同 弾道のデータ通り、強い球で飛ばすというドライバーです。

鹿又 重心の位置は?

大同 かなりフェースよりの浅重心です。

鹿又 市販クラブには無いほど浅重心?

大同 いまのトレンドでは無いですかね。

鹿又 打っていて感じるのは、現代のドライバーはダウンスイングの途中で垂れる印象があるんだけど、『ACE』はヘッドが前に来る。そしてヘッドサイズ的にも小さめ。敢えて、そこを狙っているの?

大同 重心位置とヘッドサイズの違和感が無いように設計しています。

鹿又 だからアイアンと振り心地が同じなんだね。アイアンみたいに振ればイイんだ。で、メチャクチャ良いデータがでる。このようなドライバーは他に無いし、この設計でも打ち出し角が担保できています。

大同 アイアンとの流れを考えて設計しているんです。

鹿又 アマチュアのなかには、弾道が低くてカチ上げる人がいますが、そんなゴルファーには合いそうですね。最近の市場には無いドライバーで、使いやすいかもしれないですね。

【ドライバー試打データ】

アイアン、ドライバー総評

鹿又 イメージがガラッと変わりました。ルーツゴルフのイメージは「アーメット」「飛ぶ」「アイアンも転がる」「つかまる」だったんですが、『ACE』というモデルに限っては、「アーメット」の機能性を使って、違うテイスト、アスリートが使えるクラブになったということだと思います。それに加え、競争の激しい大手の競技者向けモデルとは違う土俵のクラブ。その意味で新しいユーザーが生まれると思います。なので、まずは打ってみることが一番重要ですね。ルーツゴルフがシニア向けのメーカーという側面もありますが、『ACE』もある。是非、一度試打してもらいたいですね。
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著者プロフィール

1978年2月創刊のゴルフ産業専門誌「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行。2000年5月から影響力のあるコアゴルファーを対象にネット情報を発信するウエブサイト「GEW」を立ち上げた。各種業界団体と連携、ゴルフ市場活性化への活動も推進中。

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