トレーニングで老ける?NG運動は意外なアレだった

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【common トレーニングで老ける運動】

美容と健康に良いとされるトレーニングですが、実はトレーニングの“量”を間違えると老ける原因になってしまいます。美しくなるためのトレーニングで老けてしまったら、本末転倒ですよね。そこには、トレーニングをすることで増えてしまう「活性酸素」が関係しています。今回は、栄養学とスポーツ科学を専門とする筆者が、トレーニングで老ける理由、トレーニングで老けないための対策をご紹介していきます。

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トレーニングをすると活性酸素で老ける!?

まずはトレーニングを行うとどうして老けるのかを紹介します。

トレーニングをすると、疲労を感じますよね。そのとき、体内では「活性酸素」というものが大量に発生しています。この活性酸素が、トレーニングで老ける原因に直結しています。

私たちは糖質や脂質を食べ物から摂取して、ミトコンドリアという細胞内に存在する器官でエネルギーに変え、体を動かしています。この一連の流れの際に、活性酸素が一緒に作られます。

活性酸素は、ミトコンドリアの生合成や免疫機能に対してプラスの働きをしています。しかし、活性酸素には普通の酸素とは違い、反応性が高い(酸化力が強い)という特徴があります。活性酸素は、体の中のタンパク質やDNAなどにダメージを与え、細胞を壊してしまうため、過剰に活性すると老けがすすんでしまうのです。

具体的には、肌にシワ・しみ・そばかす・たるみの発生。また、活性酸素が過剰に発生すると慢性的な疲労が続く体になってしまいます。疲れも老けて見られる要因になっていますよね。また、活性酸素はがんを始めとするさまざまな疾患の引き金になっていることも、指摘されています。

それでは、どんなトレーニングをどれくらい行うと、活性酸素が過剰に増えてマイナスの効果が出てしまうのでしょうか。

どのくらいトレーニングすると活性酸素が増えて老けるの?

結論から言うと、人によってどのレベルのトレーニングで老けるかは異なります。「1時間のトレーニングを続けると老けるので、辞めましょう!」とは一概には言えないのです。

身体の仕組みを簡単に解説します。まず、私たちの体には、活性酸素が出た時にそれを取り除く「スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)」という酵素が存在しています。

トレーニングを繰り返している体は、常に活性酸素が増える環境にあります。すると、「活性酸素が作られてSODが使われるので、普段からSODを増やしておこう!」と体は適応します。日頃からトレーニングを行っている人の体内には、SODが多く存在しているので、元々、活性酸素に対して抵抗性があるのです。

こうしたことから、どれくらいのトレーニングを行うと老けるかという目安は人によって変わってきます。トレーニングを日ごろから行っている人なら、1日くらいハードな運動をしても老けません。一方で、トレーニングを全くしていない人が、ある1日だけ登山をしたり、ハーフマラソンに参加したり、運動の大会に出たりすれば、活性酸素が増えてしまい老ける可能性があります。

マラソンは活性酸素を増やし老ける運動

【ジョギング中の女性】

活性酸素を作りやすい運動としては、マラソンのように長い時間走るという運動が挙げられます。こうした運動ではエネルギーが多く必要になるのでミトコンドリアでたくさんエネルギーが作られ、その副産物として活性酸素も多く作られます。

マラソンのような持久的な運動を行うことでミトコンドリアが増えて糖尿病や高血圧などの疾患を予防することができますが、毎日2、3時間走るといったように過剰に運動を行うと逆効果ということになります。

日ごろからジョギングなどの有酸素運動で、活性酸素への抵抗性がある方なら問題ないですが、一般の方がいきなり長距離走に挑戦するのは活性酸素増加に直結します。

全くトレーニングを行っていないという方であれば、まずは1日30分程度の軽い運動をオススメします。

アスリートは早死にするなんて言いますが、一般の方がいきなりアスリート並みの運動を行うのは過激な運動と言えます。1日1時間を上限と考えておくのがいいかもしれません。

筋トレは意外にも活性酸素が増えず老けにくい

【筋トレ中の女性】

逆に活性酸素が生じにくいトレーニングとしては、筋力トレーニングが挙げられます。筋力トレーニングは筋肉に負荷をかけるので、活性酸素がたくさん出そうというイメージがあるかもしれませんが、大きな力を発揮する時にはクレアチンリン酸というものが分解されてエネルギーを取り出します。そのため、活性酸素はあまり作られません。

また筋力トレーニングは持久的な運動と比べても時間あたりのエネルギー消費量が少ないので、ミトコンドリアから作られるエネルギーが少なくなり、副産物である活性酸素も少なくなります。

「筋トレで活性酸素が増える」「筋トレで老ける」と言われることがあるのは、オーバーワークの場合のみです。かなりの負荷で追い込んだり、筋肉痛の回復を待たずに毎日筋トレを続けたりすると、このような状況に陥ることも確かにあります。しかし、一般人が、ここまで追い込むことはできないので安心して良いでしょう。

適度な筋トレは若返る最強のメソッド!?

【若々しい女性】

筋トレを習慣にしている人を見ていると、40代、50代、60代になってもみなさんとても若々しいです。筋トレを行うとサルコペニア(加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下)の予防に繋がります。筋肉量を保つことで、姿勢が良く、若々しい姿勢をキープできるため、若く見えるのです。

また、筋トレを取り入れている人とそうでない人とでは、血液やリンパの流れなど体の巡りが違うことが多くあります。筋トレをすると、顔の血色が良くなり、肌にもハリが生まれます。

筋トレは、気持ちの面でも良い影響をもたらしてくれます。年齢に捕らわれず若さを感じさせる人は、気持ちが前向きでアクティブです。いろいろな側面から見て、適度な筋トレは、むしろ若返りの効果があると言えるでしょう。

トレーニング後の食事で活性酸素の増加を予防

運動を行う際にはミトコンドリアでエネルギーが作られ、副産物として活性酸素がどうしても作られてしまいます。活性酸素が作られてしまうのは仕方がないことなので、過度に活性酸素を出さないように意識しながらも、その働きを抑えるということが重要になってきます。

活性酸素の働きを抑える栄養素として、ビタミンCやビタミンEが挙げられます。ビタミンCはみかんやレモンなど柑橘類に多く含まれています。ビタミンEはナッツ類やアボカド、魚介類に多く含まれています。

サプリメントでは、アスタキサンチンという栄養素がオススメです。アスタキサンチンは体内で強い抗酸化物質として働きます。基本的には食事からビタミンCやEを補い、どうしても足りない場合はアスタキサンチンなどのサプリメントを摂取するというのも視野に入れてみましょう。

若返るトレーニングを始めよう!

今回はどうしてトレーニングを行うと老けるのか、トレーニングをしても老けないようにするにはどうすればいいのかを紹介してきました。老ける原因には運動時に発生する、活性酸素が関係しています。トレーニングの習慣がない方が、いきなり激しい運動尾すると活性酸素がたくさん出て老ける原因になります。トレーニングを行った後に老けを防ぐには、ビタミンCが多く含まれている柑橘類などがオススメです。老けないように対策しながらトレーニングを行いましょう



中野 卓
大学では栄養学、大学院では運動生理学を専攻。現在はスポーツ科学の研究に携わる。プライベートでは筋トレが日課。ダイエットやトレーニングに関する情報を発信していく。
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著者プロフィール

common(コモン)は、毎日をアクティブに楽しみたい女性に贈る、フィットネス&ダイエットメディア。フィットネスやダイエットにまつわる情報をどこよりも分かりやすく届け、 ココロとカラダにイイコトを追求していきます。

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