“長距離最速ランナー”ファラーが来日 皇居ラン&設楽悠太とトークイベント

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【写真提供:NIKE】

トークイベントでは勝ち続けるコツを明かしたファラー選手(右) 【写真提供:NIKE】

 陸上長距離界の“ゴールドコレクター”モー・ファラー選手が来日! ハーフマラソン日本記録保持者の設楽悠太選手とのトークイベント、さらには一般ランナーと一緒に夜の“皇居ラン”で聖地を疾走しました。

 10月6日、ナイキがファラー選手来日を記念したイベント『MO FAST TOKYO』を開催。2012年ロンドン五輪、16年リオデジャネイロ五輪の陸上長距離5000メートル&1万メートルの二冠王者の登場に、多くのファンが胸を躍らせました。

 19時30分過ぎから始まったトークイベントでは、元陸上選手の為末大さんがMCを務め、ゲストの2人に「自分の限界や常識を打ち破る」をテーマに、いろいろな経験談を語りました。

金メダルを獲得し続けるコツは……

ハーフマラソン日本記録を更新したばかりの設楽選手(左)も「35キロ以降にある壁」をマラソンの課題と話しました 【写真提供:NIKE】

 ファラー選手は今年8月に地元イギリスで行われた世界陸上ロンドン大会に出場。この大会を最後にトラック種目からマラソンへの転向を明言していましたが、1万メートルでは金メダル、5000メートルでは惜しくも銀メダルという結果に終わりました。「ロンドンは地元で、プレッシャーがある中でも楽しんで走りました。1万メートルは優勝できましたが、5000メートルも優勝したかったですね。なかなかきついレースでしたが、2位ということで少し残念でした。それでも2つのメダルが取れたし、しっかりレースを走れたので良かったです」と振り返りました。

 ファラー選手はここまで世界陸上4大会に出場し、6個の金メダルと2個の銀メダル、五輪でも2大会で4つの金メダルを獲得。陸上長距離界で常識を打ち破るような成果を残していますが、レースに勝ち続けるコツについては「気持ちを強く持って、『勝ちたい、勝ち続けたい』と思うことが大事。同時に自分の体をケアして、体の声を聞くこと。体の調子が悪いときは、ゆっくり休んで、体調を考えながらやることが大事」と、「今までは秘密にしていた」という秘訣を教えてくれました。

ファラー「目標を持って自分を信じて」

イベントに参加した一般ランナーの方とモーポーズ! 【写真提供:NIKE】

 一方、設楽選手は今年2月の東京マラソンで初めてフルマラソンに挑戦。積極的なレースを展開し、中間点までは日本記録を上回るようなペースで走りましたが、後半に失速。それでもマラソン2度目の挑戦となった9月のベルリンマラソンでは「日本記録を意識せず、まずは自己ベストを目指して走りました」と話す通り、2時間9分3秒の自己ベストで完走。その1週間前にはチェコで行われたハーフマラソン大会で、日本記録となる1時間0分17秒を出しており、今後はフルマラソンでの日本記録更新も期待されています。

「(ベルリンでは)前半は僕の持ち味である積極的な走りができたのは良かったです。後半の失速が目立つので、35キロ以降しっかり粘れれば、今のタイムより1分以上、狙えると思います。(現在の課題は)35キロ以降にある壁。呼吸は楽だけど、体が思うように動かなくなってしまうので、そこはこれから経験していけば克服できると思います」と語りました。

 これを聞いたファラー選手も、今後マラソンに挑戦するということで、「勉強になります」と笑顔。「マラソンは経験が必要だし、マラソンという競技の理解が必要で、1回走っただけでは分かるものではないと思っています。トラックレースとは違う競技なので、マラソンを楽しみながら、今までと練習を変えて準備したいです」と現在予定している来年4月のロンドンマラソンに向けての意気込みを話しました。

 MCの為末さんから「ブレークスルー(限界を超える)の瞬間は?」という問いにファラー選手は2010年の欧州選手権で初めて優勝した時と答えると「この優勝で自信が付きました。自信を持つことと、自分を信じることが大事です」と活躍のきっかけを説明。また設楽選手はハーフマラソンで日本記録を出した9月のレースだとし、「あのレースはベルリンマラソンに向けた練習の一環で、日本記録を狙っていないレースでした。そこで日本記録を更新することができたのは自分を超えられた瞬間でした」と自然体で臨んだことが良かったと話しています。

 トークイベントの最後には設楽選手、ファラー選手から一般ランナーへのメッセージ。「まずは目標を立てることが大事。目標を達成するために何をすればいいか、しっかり考えて練習をすれば、結果は必ずついきます。自分に合った練習を、目的を持って臨んで欲しいです」(設楽)、「ゴールを作って目標を持って、自分を信じて臨んで欲しいです」(ファラー)と会場のランナーたちにエールを送りました。

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習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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