疲れに“効く”入浴剤の選び方 お風呂博士の教えはコレ!(3)
疲労回復には「炭酸ガス」系入浴剤
「炭酸系がいいですね。バスクリン商品の場合だったら『きき湯』シリーズ。炭酸ガス系の入浴剤を使うと温浴効果が高まりそれだけ血流が良くなるんです」
炭酸系の入浴剤を使って泡が出終わると、お湯の中に炭酸ガスが充満します。それが皮膚から体に入ってきてある程度の量になると、“異物”を外に出すために体の代謝機能が働く。だから血の巡りが良くなるんだそう。
ズバリどれ!? おすすめ入浴剤
「うちの場合だったら、『きき湯 ファインヒート』とか『きき湯』のシリーズ、花王さんだったら『バブ』とか。『きき湯』は炭酸ガス系で温泉ミネラルも入っています。入浴後は保温もするから、血流が良い状態が持続するんです」
なかでも疲労回復効果が高いのは『きき湯 ファインヒート』のシリーズ。炭酸ガスが普通の『きき湯』の3倍入っているそう。
「(入浴剤なしの)さら湯と(『きき湯』を)1回分、3回分、5回分と入れたお湯とで血流の上昇を比較しました。そうしたところ、3回分までは量が多い方が血流が上がったのですが、3回分と5回分は変わらなかったんです。それで、3倍が一番効果が良いということで考えたのがファインヒートなんです」
では、普通の『きき湯』だったら、疲労回復にどれがおすすめですか? 色や香りの好みでこちらを選びたい方もいるかも。
「『きき湯』の6種類の中だったら、緑色のパッケージのものですね。これは硫酸マグネシウムが主成分です。硫酸そのものにも血流促進効果があるから、『きき湯』の中では一番血流が良くなります。保温を考えると、食塩が主成分のオレンジ色が一番。その中間が黄色です」
「オファーがあればどこにでも話をしますよ」と“お風呂博士”石川さん。2012年ロンドン、14年ソチ五輪では、日本オリンピック委員会の公式入浴剤パートナーとして、選手や指導者などに入浴について指導 【スポーツナビDo】
お風呂につからないのは「もったいない」
「ランニングステーションでもゴルフ場でも、汗を流すためにシャワーを浴びるのは絶対に必要だけどそこで終わりじゃない。帰宅後も、体はきれいだろうから、つかるだけでいいのでつかる。それから寝れば、眠りが100パーセント良くなります。眠りが良くなることで疲労からも回復する。お風呂と睡眠中くらいしか、誰からも文句を言われないときってないんですから(笑)。そんな楽しい良い空間を使わないのはもったいないですよ!」
お風呂博士、ありがとうございました。とにかく迷わず、お風呂につかります!
(取材・文:小川麻由子/スポーツナビ)
“お風呂博士”石川泰弘(いしかわ・やすひろ)
日本初の入浴剤「浴剤中将湯」(左から2つ目)は明治30年(1897年)に誕生。使用している銭湯には大きな看板(右上)が掲げられていたそう。芳香浴剤「バスクリン」(左)として一般発売されたのは昭和5年(1930年)のことで、パッケージはブリキ缶。女性の姿が描かれた繊細なデザインです 【スポーツナビDo】