半身浴と全身浴、体にいいのはどっち? お風呂博士の教えはコレ!(2)
お風呂に入るベストなタイミングは?
お風呂に入ると、体温変化の関係で最初の眠りが深くなると伺いました。ということは、寝る前のどのタイミングでお風呂に入るかも大切ですよね? あまりに早く入浴してしまっても、深く眠れるタイミングを逃していまいそうですし。
「寝る約1時間半くらい前に、お風呂から上がっておくのが理想です」
では入浴している時間の目安はあるのでしょうか。
「まずは体を温めるということを基準に考えると、額にうっすらと汗が出てくるくらいまでが目安です。時間にすると6〜7分。汗が出るということは体温が上がったということですから」
第1回でも伺いましたが、“体温が上がる”ことが大事なんですね。
「寝る約1時間半くらい前に、お風呂から上がっておくのが理想です」
では入浴している時間の目安はあるのでしょうか。
「まずは体を温めるということを基準に考えると、額にうっすらと汗が出てくるくらいまでが目安です。時間にすると6〜7分。汗が出るということは体温が上がったということですから」
第1回でも伺いましたが、“体温が上がる”ことが大事なんですね。
お風呂効果が高いのは全身浴! 半身浴の利用法は?
体温を上げる……と言えば、半身浴がダイエットや美容に良いという話も聞きますが、前にやってみたら寒くて。疲れをとることを考えたらどうなんでしょうか? 全身浴と半身浴、ホントのところはどっちが良い!?
「それは全身浴です。(疲れからの)リカバリーのためだけでなく全身浴が良いです。全身浴の方が水圧がかかるので血流が上がって、血液循環も活発になります。心拍数も高く上がる分、その後の下がり方も大きくてメリハリがつく。その結果、良い眠りが得られるというのが私たちの見解です」
そもそも半身浴は、心臓が弱かったり、疾病を持っている方の入り方。水圧で心臓に負担がかからないため圧迫感はないものの、その分、血流も全身浴に比べると上がらないそう。
「半身浴をやるんだったら、お風呂場の環境を暖かくしてやる方がいい。夏は(全身浴だと)熱くて長く入浴できないから、いいかもしれないですね。バスタブに深く入る、浅く入るなどで全身浴、半身浴のようにしてみるなど、臨機応変に利用してみては」
「それは全身浴です。(疲れからの)リカバリーのためだけでなく全身浴が良いです。全身浴の方が水圧がかかるので血流が上がって、血液循環も活発になります。心拍数も高く上がる分、その後の下がり方も大きくてメリハリがつく。その結果、良い眠りが得られるというのが私たちの見解です」
そもそも半身浴は、心臓が弱かったり、疾病を持っている方の入り方。水圧で心臓に負担がかからないため圧迫感はないものの、その分、血流も全身浴に比べると上がらないそう。
「半身浴をやるんだったら、お風呂場の環境を暖かくしてやる方がいい。夏は(全身浴だと)熱くて長く入浴できないから、いいかもしれないですね。バスタブに深く入る、浅く入るなどで全身浴、半身浴のようにしてみるなど、臨機応変に利用してみては」
疲れをとるなら全身浴! ゆったり半身浴をするなら体温を下げない工夫を 【Getty Images】
「お風呂ではやせません(笑)」
疲労回復以外では、「お風呂はダイエットにもいい」なんて話も聞きます。お風呂にはダイエット効果があるんでしょうか。
「勘違いしている人がすごく多いんですが、お風呂ではやせません(笑)。運動量を示す単位(メッツ=安静時を基準にした身体活動の強さと量)で言うと、お風呂は1.5メッツ程度、歩くのは3メッツくらい。何もしないよりはいいですが、歩いた方がカロリーは消費されます」
お風呂に入るだけでやせるなんて、期待し過ぎなんですね〜。残念。でも、やせやすい体に導くことはできるそう。
「大切なのは体温が高くなること。血液中に含まれる酸素が、糖質と脂肪を分解してエネルギーをつくるには必要なのですが、その血液の温度が高ければ高いほど血液から酸素が放出されて、エネルギーがつくりやすい体になるんです」
「勘違いしている人がすごく多いんですが、お風呂ではやせません(笑)。運動量を示す単位(メッツ=安静時を基準にした身体活動の強さと量)で言うと、お風呂は1.5メッツ程度、歩くのは3メッツくらい。何もしないよりはいいですが、歩いた方がカロリーは消費されます」
お風呂に入るだけでやせるなんて、期待し過ぎなんですね〜。残念。でも、やせやすい体に導くことはできるそう。
「大切なのは体温が高くなること。血液中に含まれる酸素が、糖質と脂肪を分解してエネルギーをつくるには必要なのですが、その血液の温度が高ければ高いほど血液から酸素が放出されて、エネルギーがつくりやすい体になるんです」
スポーツ“前”入浴のススメ
さらに、入浴にはウォーミングアップの効果も。お風呂博士は、スポーツ後だけでなく、スポーツ前の入浴をおすすめしています。
「運動してからお風呂に入ると、エネルギー消費がしやすくなります。ウォーミングアップしているのと同じような状態になって、体が動きやすくなるし、筋や関節をまたいでくっついている腱にも良い。腱ってコラーゲンだから熱に弱いんです。温めておくと伸びやすくなるから、ケガもしにくくなる。だから温めるというのはすごく大切なんです」
「運動してからお風呂に入ると、エネルギー消費がしやすくなります。ウォーミングアップしているのと同じような状態になって、体が動きやすくなるし、筋や関節をまたいでくっついている腱にも良い。腱ってコラーゲンだから熱に弱いんです。温めておくと伸びやすくなるから、ケガもしにくくなる。だから温めるというのはすごく大切なんです」
冷やす?温める? スポーツ後の入浴タイミング
それでは、スポーツ後のお風呂はどのタイミングで入るのが良いのでしょうか。「冷やしてから温める」「すぐに温める」の2通りの考え方が存在するという前提で、お風呂博士の意見を教えていただきました。
「ケガさえしていなければ、すぐにお風呂に入って、血液をまわしてしまうのが良いのではと思っています。血液をまわすと乳酸も発生した場所からすぐになくなってくる。乳酸って疲労物質だとか、昔は悪いイメージがありましたよね。でも実際は、乳酸自体は悪くない。発生した場所から血液に出て血液循環で心筋や遅筋までくると、ミトコンドリアの働きでまたエネルギーに変わるんです。ちゃんと分解するので悪いものではないんです。だったら、発生した場所にとどめておかずに、体を温めて早く血液循環をさせる方がいい。そういう意味ではすぐにお風呂に入った方がいいと思います」
汗が出るまでお風呂につかって温かい体にする。これが、ダイエット、ケガ防止、疲労回復しやすい体をつくってくれるんですね。
次回は、どんな入浴剤を使えば効果的? トップアスリートにも提供されるファインヒートって何がいいの? など、血液循環をより促すおすすめの入浴剤をご紹介します。
(取材・文:小川麻由子/スポーツナビ)
「ケガさえしていなければ、すぐにお風呂に入って、血液をまわしてしまうのが良いのではと思っています。血液をまわすと乳酸も発生した場所からすぐになくなってくる。乳酸って疲労物質だとか、昔は悪いイメージがありましたよね。でも実際は、乳酸自体は悪くない。発生した場所から血液に出て血液循環で心筋や遅筋までくると、ミトコンドリアの働きでまたエネルギーに変わるんです。ちゃんと分解するので悪いものではないんです。だったら、発生した場所にとどめておかずに、体を温めて早く血液循環をさせる方がいい。そういう意味ではすぐにお風呂に入った方がいいと思います」
汗が出るまでお風呂につかって温かい体にする。これが、ダイエット、ケガ防止、疲労回復しやすい体をつくってくれるんですね。
次回は、どんな入浴剤を使えば効果的? トップアスリートにも提供されるファインヒートって何がいいの? など、血液循環をより促すおすすめの入浴剤をご紹介します。
(取材・文:小川麻由子/スポーツナビ)
“お風呂博士”石川泰弘(いしかわ・やすひろ)
温泉入浴指導員や睡眠改善インストラクターの資格をもち、“お風呂博士”としてテレビや雑誌などに数多く登場。健康・スポーツとお風呂の関係や、効果的な入浴法などについて、学校や自治体、他企業など全国各地で講演会も行っている。サッカー好きで週末ランナーというスポーツ愛好家。株式会社バスクリン販売管理部販売促進課マネージャー広報責任者。順天堂大学大学院博士課程に在籍。