走りのプロが教える、楽に走るためのメソッド!

STANDS!

走ることは本当はきつくないし、誰でも楽しめるモノ。

――なるほど、ラン=脚みたいな先入観を捨ててもらうための、「上半身が9割」理論なんですね。

細野 はい。それに体重、そして筋肉の6割は上半身にあるんです。そこを上手く使わないと上手に走れないし、脚で踏ん張って走るような感じだと、ヒザや足首などに自分の体重がかかってしまって、ケガもします。だから、ホントに上半身を意識して走らないと危ないんですよ。

――「ヒザが痛くなるから、走りたくない」という声は確かに多いです。細野さんのように、「初心者向けのランニング」を提唱する方って、実はすごく少ない気がします。

細野 たしかに少ないですね。ランニングをはじめたいって人に向けたメソッドとか本もあると思うんですが、埋もれている気がします。

「こうやってカラダを動かせば速く走れる」、という方法論は幾つもあると思うのですが、それって中級者、もしくは上級者向けじゃないですか? トレーナーって研究者みたいなマニアックな人、結構多いんですよ。僕もかつてはそっち側でした(笑)。

 自分が伝えたいことは、あくまで走ること本来の楽しさなんです。上手に走るとか、それは二の次で。別にみんなが研究職を目指しているワケじゃない。走ったことない人が、ファンランナー(走ることを楽しむ人)になってもらえるよう、走ることの楽しさを知ってほしいだけです。

おヘソの位置を上げると、走りながら脚はストレッチされる=疲れない!?

【STANDS!】

――上半身を意識して走ると…正直なトコ、疲れないんですか?

細野 はい、疲れないです。僕の著書にも書いてありますけど、解剖学的に物理学的に正しく動く時は、上半身から動かなければいけないんです。簡単に言うと、上半身を上手に使って走ると、筋肉が伸張反射するんですね。

――伸張反射?

細野 …すみません、ちょっと難しいですね(笑)。たとえば、縄跳びをしている時をイメージしてください。この時って、地面と接する時間ってすごく短いですよね。まさに跳ねる感じで。それにエネルギーの消費がほとんどないので効率がいい、だから疲れない。ランより縄跳びの方が楽じゃないですか?

 しかも筋肉が伸びた後に縮むという動きを繰り返しているので、結果として走りながら脚の筋肉がストレッチされていることになるんです。

――走りながら脚がストレッチされている!? つまり疲れないということですね!

細野 はい、そういうことです。脚どころか全身ストレッチされます。思いっきり走る時は別ですけど、軽く走るぐらいであれば、ピョンピョンと跳ねる感じで気楽に走ってもらえれば疲れませんよ。

 ちなみに、上半身を意識するというのは簡単に言えば、おヘソの位置をいつもよりも少し上に引き上げながら走るイメージです。それを意識するだけでも、劇的に脚は楽になると思います。

■細野史晃 Fumiaki Hosono
リクルートHRM(現リクルートジョブズ)→Sun Light History代表。大学在学中に教育とスポーツを改革することを心に決め、修行の場としてリクルートの門を叩く。現在はランニングクラブ運営、パーソナルトレーナー事業、スポーツ選手の指導・キャリアサポートを中心にスポーツ・キャリアの両面で活動中。http://sunlightrc.com/

2/2ページ

著者プロフィール

「スポーツをプラスすれば、毎日はもっと楽しくなる」をコンセプトに、カラダを動かすことの楽しさや面白さを伝えるWEBマガジンです。STANDS!では、スポーツをはじめるにあたり、行動に移せていない潜在層に対して、「スポーツ×ビジネス」という独自の観点からのインタビュー記事や、健康に関するコンテンツ、注目イベントの紹介・レポートを配信することにより、「カラダを動かすきっかけ」を提供しています

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント