【ノルディックコンバインド】ジュニア世界選手権で快挙!走力生かし女子団体スプリント金メダル&混合団体銀メダル!

チーム・協会
 ノルディックスキーのFISジュニア世界選手権が2月5日から11日までスロベニアのプラニツァで行われ、コンバインドチームは団体スプリントで女子が金メダルに輝き、混合団体では銀メダルを獲得しました。これまでジュニア世界選手権団体の最高成績は銅メダル。ジュニア世代の歴史を塗り替える大会となりました。

女子団体スプリントで金メダルを獲得し、薄井コーチ(左)と鷲澤コーチに肩車で祝福される藤原選手(左)と池田選手 【全日本スキー連盟ノルディックコンバインドチーム】

混合団体はクロスカントリーで最速タイムを叩き出して銀メダル

 コンバインド最初の種目として7日に行われた混合団体には、山﨑叶太郎(中央大学)、成田絆(花輪高校)、池田葉月(札幌日大高校)、藤原柚香(札幌市立東月寒中学校)の4選手が出場。前半ジャンプで1位ドイツと36秒差の2位につけ、1走とアンカーの男子が5km、2走と3走の女子が2.5kmを走る15kmレースへ。日本は2秒遅れでスタートした前半3位のクロカン王国ノルウェーに追い抜かれ、その差が25秒まで開いた状況でレースを折り返し。ここでバトンを受けた3走の藤原選手がまたたく間にノルウェーをとらえ、さらに突き放す圧巻の走りで先頭ドイツとの差も18.6秒まで縮めてアンカーの成田選手へ。ドイツとの差は詰められなかったもののノルウェーを完全に置き去りにして2位でフィニッシュ。チームの合計タイムは全体1位をマークし、走力で団体初の銀メダルをつかみ取りました。

銀メダルを獲得した成田、池田、藤原、山﨑選手(左から) 【全日本スキー連盟ノルディックコンバインドチーム】

薄井良隆コーチ
「銀メダルを獲得できチームとしてすごく嬉しい。メダル圏内でクロスカントリーに繋げられたことがとても良かった。一時3位に後退しながらチーム最年少の藤原柚香選手がノルウェーをかわし、三強のドイツ、オーストリア、ノルウェーより前でレースを展開することができたのは過去になかった展開だと思います。混合団体で初めての銀メダルを獲得できたことは収穫」

1走:山﨑叶太郎選手
「団体戦は初めてで緊張しましたが、みんなのいいジャンプ、走りがあったので楽しむことができました。2位になり、嬉しさとともに世界大会で優勝したいという気持ちが強くあるので、この後の世界選手権も楽しみつつ、最大限にチャレンジして行きたいと思います。日本からの応援、本当にありがとうございました」

2走:池田葉月選手
「コンバインドの団体に出るのは初めてで混合団体も初めてだったので何位になれるか全然考えていなかったけれど、表彰台に上がることができてすごく驚いている気持ちと、とても嬉しい気持ちでいっぱいです。クロスカントリーで2回も転んでしまいとても申し訳ない気持ちでいっぱいだったけれど、メンバーのみんながとてもいい走りをしてくれて、前との差をどんどん縮めて2位で帰ってきた時はすごく興奮しました。とても楽しくて、また団体戦に出たいという気持ちにもなりました。1位も見えていたので悔しい気持ちもあるけれど、メンバーのみんな、コーチ、応援してくれた人に感謝でいっぱいです」

3走:藤原柚香選手
「初めてのジュニア世界選手権で団体に出ることになり、緊張して前半ジャンプでは思うようなジャンプができなかったのですが、自分の持ち味であるクロスカントリーを生かして前半から飛ばして前のノルウェーを抜かせたことはすごく良かったです。ただ、後半バテてしまってドイツに追いつけなかったところが悔しい」

4走:成田絆選手
「日本チーム初の銀メダルを獲得できてとても嬉しい。ジャンプもクロスカントリーも調子が上がってきているので、(この後の)個人戦もメダルを獲れるように頑張りたい」

混合団体銀メダル!仲間のもとへバンザイでゴール!

初採用の団体スプリントで女子が初代チャンピオンに 男子は0.5秒差でメダルを逃す

 今大会から新たに採用されたのが2人1組の団体スプリント。10日に行われた女子の試合には池田選手と藤原選手が出場。前半ジャンプは1位ドイツに17秒差の2位につけ、1周1.5kmのコースを交代で計6周走る後半クロスカントリーへ。12秒差の3位でスタートした米国とともに先頭ドイツを追いかけて抜き去るとその差を広げながら一騎打ちの展開に。米国から2秒遅れで入ったラスト1周1.5km、藤原選手が最後の上り坂で後方から仕掛け鮮やかにリードを奪ってゴール。前半2位から見事な逆転優勝となりました。

 大会最終日の11日に行われた男子団体スプリントでは、山﨑選手と成田選手の出場した日本は前半4位。1.5kmを交代で10周するクロスカントリーは、秒差なしの前半3位ノルウェーと4秒遅れの5位でスタートしたチェコとともに、前を走るドイツとオーストリアを追う展開に。残り2km付近でチェコが脱落するとゴール直前までノルウェーとデッドヒートを繰り広げるもゴール前のスプリントで競り負け、0.5秒差の4位。惜しくもメダルには届かなかったものの走力自慢の選手たちと互角に戦えることを証明してくれました。

男子団体スプリント ノルウェーとの激しい銅メダル争い…!

個人戦は女子の藤原選手が4位、男子の最高位は成田選手の15位

 個人戦は女子(5km)が8日に、男子(10km)が9日に行われました。

女子では藤原選手が個人メダルには届かなかったものの前半ジャンプ17位から後半レースで13人をごぼう抜きして4位。日本チームは出場4選手全員がクロスカントリーで順位を上げてゴールとなりました。
4位 藤原柚香
7位 池田葉月
12位 海沼優月(花輪高校)
13位 山﨑詩由衣(飯山高校)

男子個人戦は成田選手が日本勢最高の15位でした。
15位 成田絆
21位 山﨑叶太郎
26位 海沼史人(東海大学)
森恢晟(東海大学付属札幌高校)はジャンプスーツの規程違反で失格

 ジュニア世界選手権代表チームは、ワールドカップの下部大会にあたるコンチネンタルカップ(16~18日、オーストリア・アイゼネルツ)に出場します。次世代を担う選手たちの活躍に期待です!

ジュニア世界選手権 コンバインド日本代表チーム 【全日本スキー連盟ノルディックコンバインドチーム】

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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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