【湘南スペシャルプレビュー】台風一過のリスタート。谷晃生が見つめる鹿島戦。上位に勝利し、波を捉えたい。

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【(C)SHONAN BELLMARE】

鹿島らしい、と谷晃生は口にした。岩政大樹新監督が指揮を執る鹿島アントラーズの印象である。彼らは前節、アビスパ福岡をホームに迎え、前半の立ち上がりと試合終了間際に得点し、2対0で指揮官の初陣を飾った。

谷が続ける。
「最初に点を取れたことも影響していると思いますが、後ろを固めてカウンターを狙ったり、背後に出て行ったり、クロスの質とそこに入る強さも、勝負強さもある。最後2対0にして勝つあたりもさすが。戦う部分や勝負への執着心がプレーににじみ出ていて、抜かりなく戦うチーム。より鹿島らしいと思いました」

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かたやベルマーレは、台風の影響で前節の横浜F・マリノス戦が中止を余儀なくされた。ジュビロ磐田と北海道コンサドーレ札幌に敗れた直近の2連敗を含め、ここ4試合2分2敗と勝利がない。

「ここ最近は点を取れてない」谷は指摘する。
「奪ったボールをすぐに失くしてしまう場面が多く、それはすごくもったいない。もちろん守備でペースを掴むことは大事ですが、攻撃でボールを持つ時間や前でプレーする時間があるのが自分たちのいいとき。後ろからの攻撃も、前からの守備も、チームとして自信を持ってアグレッシブにできれば相手は絶対に嫌なはず」

ただ、「痛い2連敗ではありますけど悲観することはない」と語るように、自分たちのやるべきは揺るがない。

「守備で相手にストレスをかけ、自分たちがボールを持ったときに今年取り組んでいる崩しや連動した厚みのある攻撃ができればよくなってくると思う。仮にミスしてもほかの選手がカバーすればいいし、ミスしても自分が取り返せばいいというマインドをみんなが持っていれば何の問題もない」

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期せずして1試合空いたものの、トレーニングは高い集中力をもって続けられている。ケガ人も多くが戻り、切磋琢磨を弛まぬ日々だ。

「いい練習ができていると思います。もちろん危機感を持って2連敗を受け止めていますし、このままではいけないとみんなが思っていると思う。逆に次の試合は上位のチームが相手ですし、すごく楽しみですね」

ひもとけば、鹿島にはシーズンを跨いで4連敗を喫している。最後に勝利したのは2020年、ホームで対戦した第6節のことだ。1対0で取ったその試合は、谷のJ1デビュー戦でもあった。

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「試合の入りはとくに大事」あらためて今節を見据える。
「クロスの場面でいかに自分が出て行けるか。相手はクロスの質が高いですし、セットプレーも含めて、自分がカバーしていければと思います。もちろん、守備は0に抑えることが大事」

経験や思索に裏打ちされたポジショニングのもと、鋭い反応で決定機を防ぎ、緩急を織り交ぜながらゴールへの端緒を開く。類まれなるその才は攻守に欠かせない。

取材・文 隈元大吾

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著者プロフィール

1968年、藤和不動産サッカー部として創部。1993年にベルマーレ平塚となりJリーグ開幕より1年遅れてJリーグ昇格。 1999年、親会社撤退からクラブ存続危機となるが、地域やサポーターの支えのもと2000年に湘南ベルマーレとして再出発。 以降幾度も昇格、降格を繰り返しながら2022年はJ1で5年目のシーズンを戦っている。 ◆MISSION「夢づくり人づくり」 ◆VISION「人生と地域を豊かにする、スポーツ文化が根ざしている世の中」 ◆SLOGAN「たのしめてるか。」

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