フラダンスで動作も心もしなやかに 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

レッスンで基本ステップを習得!

 フラ(ハワイ語で「ダンス」の意味)は、手話のように手と身体で表現し、足でリズムを取る(足は基本的に裸足)。元々は神様への感謝や敬意を表現する伝達手段としての踊りだったという。ハワイアンミュージックは、ゆったりしたテンポで耳に残る優しいメロディーが多く、ヒーリング(癒し)効果も高そうだ。歌詞はラブソングが多く、骨盤周りの筋肉が鍛えられることもあって、女性ホルモンの分泌も促されるのだとか。振り付けやステップも、ゆっくりした曲のテンポに合わせてくれるので学びやすい。

 今回受けた1時間半のレッスンでは、基本のステップから入り、短い曲を振り付きで踊るところまでを体験。ステージを見るだけでは知り得なかったフラの奥深さに触れることができた。

 基本姿勢は、背筋を伸ばし、膝は常に曲げる。軽めの空気イスに近い状態で、太ももの筋肉や体幹、背筋の筋肉も鍛えられる。レッスンではまず、3つの基本ステップを教えてもらった。

・「カオ」
両足を地面につけたまま、膝を曲げ、体重移動と腰の動きだけで踊る。腰は後からついてくるイメージで左右に揺らす。全身鏡を見ながらやってみると、意識と現実のギャップがよく分かる。私の場合、腰を動かしているつもりなのに、ほとんど動いていなかった。腰回りが相当硬いらしい。トホホ。

・「カホロ」(4拍子に合わせて右に2歩、左に2歩)
「カオ」の応用。いくつかあるステップの中でも特に使われる頻度が高く、重要なステップだ。

・「サイドカホロ」
「カホロ」の動きにターンが加わったステップ。

 上記の3つのステップを覚えるだけで踊れる曲はかなりあるそう。インターネット動画でも分かりやすい説明つきのものがあるので、ありがたい。足のステップを覚えたら、次に手の動き。こちらは2つの基本の動きを教えてもらった。

・「バンプ」
両手を揺らして波の動きを表現するオーソドックスな動き。両肘を曲げて、肘と手のひらを同じ高さに保ちながら、指先までゆっくり上下させて波を作る。

・「ダブルバンプ」
バンプの動きを2回繰り返す。

 この他にも、指をヒラヒラさせながら「雨」を表現したり、閉じた指先を開いて花が咲くことを表現したりと、美しい動作・表現が多い。歌詞には愛や情景を表すハワイ語が多く(フラ=踊り、メレ=歌、アロハ=愛、アラ=香り、ナル=波、プア=花、マハロ=ありがとう……)、こちらも学びがいがありそうだ。

フラガールのすごさを実感

 最初に覚えた足のステップに手の動きを合わせてみると、これが大変なことに! 手に集中すると足が止まり、ステップに集中すると肘が下がってしまう……という具合で思い通りにいかない。教習所で初めて車を運転した時に、手と足が連動しなくて混乱したのを思い出してしまった。ステージで見た時はシンプルに見えた動きも、実際にやってみると、美しく見せるポイントがこんなに沢山あるのか……と、その難しさは予想以上だった。

 足と手がうまく連動して「点」が「線」になった瞬間は「この感覚か!?」と、気持ちが良かった。ただ、手足がうまくいっても、今度は顔に意識がいかず、口角を上げるどころか完全に無表情になってしまう(笑)。頭のてっぺんから足の指先までしなやかに踊り、かつ笑顔が弾けるフラガールたちがいかにすごいのか、あらためて実感した。

 教室に通っている生徒さんは女性が多かったけれど、男性もいるそう。年齢層は20代〜70代と幅広く、和気あいあいとして良い雰囲気だった。年に数回、発表会や大会に出場することもあるそうで、チームで活動できるのも魅力的だ。

 個人的に今後も続けたいのは、教えてもらった3つのステップと、2つの手の動きをマスターすること。下半身が無意識に動くようになれば、手に集中できて、表現力も一気に上がりそうだ。もう1つは、気に入ったハワイアンミュージックを何曲か見つけて、歌詞やその言葉の表現をじっくり吟味してみたい。1つひとつの動きに込められた意味を理解して踊れば、より深みのある表現ができそうだ。

 そして、近いうちにまたハワイアンズのステージを見にいきたい。次に行く時は、私も参加者に混じって一緒に踊ってみようと思う。

 最後に、フラダンス体験で実感した効果を紹介したい。

・体幹、背筋、大腿筋(太もも)、大臀筋(おしり)が鍛えられる、口角も上がる
・ウエストのシェイプアップ
・常に中腰でゆっくりと身体を動かすので、有酸素運動の効果がある
・ラブソング&腰周りの強化で女性ホルモンの分泌促進
・ハワイアンソングの癒し効果で免疫向上

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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