伝説のボクサーから教わる「礼儀と強さ」 親子でボクシングに挑戦!

Sportie/スポーティ

【Sportie/スポーティ】

「走ってパンチとかは、実際のボクシングでは使えません(笑)。あれはね、“発散”させてるんですよ」。そう語る坂本会長が、現役時代から25年以上続けている活動がある。自身の出身であり「命を救ってもらった」という、養護施設での講演会・ボクシングセッションなどの活動だ。

「施設の子たちにミットを構えてパンチを打たせると、喜んで打ってくる子もいる。目に涙を浮かべ哀しみをぶつけてくる子、怒りを発して殴ってくる子もいる。SRSジムに来る子たちも、何かしらの想いを抱えているんですよ。想いの大きい・小さいは関係ないです。その子にとっての許容量はいっぱいなんですから」
「喜び・怒り・哀しみ・楽しみ、どれでもいいから、おまえの最高の気持ちを拳に込めて、ミットに叩きつけてこい! 私は、そんな気持ちでミットを持ってるんです」

ボクシングが体育の教科書になる

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 リング上でプロ選手と見間違えるような、切れのあるパンチを繰り出す男性がいた。蓑和田仁くんのお父さん、蓑和田元(みのわだ・はじめ)さん(43)だ。息子とともにボクシングを始めてから4年、現在では自ら「ザ・おやじファイト」(30歳以上のボクシング大会)に出るまでに。

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「私みたいに試合に出たい人ばかりでなく、ストレス解消でボクシングの練習にこられている会員さんも本当に多いです。子どもも同じで、公園で遊びまわっている延長ですよ(笑)」

 とはいえ、ジム内はひとつのコミュニティ。練習後にはプロ選手から一般会員まで分け隔てなく、自分が利用した場所を中心に掃除を行う。子どもたちも自然に見習い、率先して行うようになる。挨拶などの礼儀を含め、ジムでの経験を通して子どもたちの普段の姿も変わったと言う。

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「それまでは積極性に欠けるところがありましたけど、やっぱり自信がついたんでしょうね。今では学校でも家でも、自ら率先してなんでもやるタイプですよ」

 ボクシングは殴り合う競技、親としてはケガも心配なところだろう。対人練習ではお互いの経験や体の大きさを考慮して、上級者はディフェンスの練習に徹するなどの指導がされる。拳や手首など痛めてしまいがちなところには、レンタルのサポーターやバンテージなどを用意して、しっかりとケガを予防する。
「周りの大人(トレーナーや一般会員さん)たちがしっかり見守ってくれています。スパーリングをする場合にも、CTスキャンを撮影してジムに提出しないといけない規則がJBC(日本ボクシングコミッション)で決まっているんです。だからとにかく気軽に、親子で飛び込んできてほしいですね」

 子どもたちのスパーリングを見守りながら「おっ! いいパンチだ!」と声をかける元さん。プロの指導のもと、目の届くところで安全に楽しむことができる。子どもといっしょに始めるスポーツとして、ボクシングを選んでみるのはいかがだろうか。

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