ダントツの票を集めたオースティン。2004年のダイエー（現ソフトバンク）松中以来、セ・リーグでは1986年の阪神バース以来となる三冠王を期待する声も【写真は共同】

　ランキング上位に並んだのが、各チームのポイントゲッターと目される強打者の名前だ。なかでも圧倒的な支持を集め、1位に輝いたのがDeNAのオースティン。得票率は33.10パーセントと、投票したファンのおよそ3分1が選んだことになる。

「怪我なく1年間やれたらすごい成績を残しそう」「昨年とは異なり、春季キャンプから来日して調整できている」「3割、30本くらい打つと思う」といった選出理由のほか、「去年の成績と怪我の期間を考えると三冠王の可能性がある」というように、三冠王を期待する声も多く聞かれた。さらに「プレーのみならず、チームメイトに対する心遣いも素晴らしい」「個人だけではなく、チームを強くする考えが強い」などと、プレー以外の面も評価するコメントも寄せられた。

　2位にはオースティンの同僚であるソトが入り、DeNAのワンツーフィニッシュとなった。過去2年は本塁打数が20本台にとどまったが、「今年は調子がいい。再び30本、40本いけそう！」「2年連続本塁打王になったあの時の活躍をもう1度見せてくれるはず！」と、ファンはより多くのホームランを打ってほしいと願っている。

　ホームラン増を強く望む声が相次いだのは、4位のビシエドも同じだ。中日・不動の4番打者の実力に疑いはないが、広いバンテリンドームが本拠地ということもあり、過去3年の本塁打数はいずれも20本未満。「今季は長打やホームランを多く打てるよう期待しています」「立浪監督の指導で弾道を上げることに挑戦しており、本塁打増に期待」といったファンの声に応えられるか。

　既述の3人同様、日本での実績がある打者では、阪神のマルテ（6位）、巨人のウィーラー（7位タイ）もトップ10に入った。マルテには「体を絞っていて気合が感じられる。4年目で対応力も上がっているし、去年よりも活躍してくれそう」、今季が来日8年目となるウィーラーには「FAを取得して外国人枠から外れるまで勝ち残って」などのコメントが届いた。

来日1年目の昨季はシーズン終盤に実力の片鱗を覗かせた。ロハス・ジュニアの2年目の爆発を期待するファンは多い【写真は共同】

「2年目で日本の野球に慣れてくれば、大化けするのではないか」「去年の後半戦から状態が上がり、今年のオープン戦でも打っているので、ホームラン25本以上を打てると思う」「韓国リーグ二冠王の実力を見せてほしい」などと、2年目の覚醒を期待する声が多数寄せられたのが、3位に入った阪神のロハス・ジュニア。なかには、「とある占いで、ロハスが今年伸びると聞いたので、今年こそ期待したいです」というコメントも。

　同じ来日2年目の打者では、ヤクルトのサンタナもトップ10入り（10位）。投票者から届いたのは、「日本シリーズでも大事な場面でホームランを打ってくれたりしたので今年も期待」「若いし、ピッチャーにも慣れホームラン40本打つ」といった言葉だ。

　新外国人で唯一、上位に食い込んだのが巨人のポランコ。「メジャーでの実績通り、パワーとスピードのあるプレーで活躍を期待」「メジャーで実績を残してきているので、どれぐらい日本でやれるのかを見てみたい」「いきなりの防球ネットの破壊には驚いた」「25発ぐらい打つ」などとファンの期待は大きく、5位にランクされた。

　投手の最上位は「セーブ王を獲得してほしい」という中日の守護神R.マルティネスで、ウィーラーと並ぶ7位に。これに続くのが巨人のビエイラ（9位）。「シーズン初めから試合に出続ければ大活躍する」「努力の人。さらに制球力を磨いて不動の抑えとして君臨してほしい」といったコメントのほか、自身が昨季に記録したNPB最速記録の166キロの更新を望む声も多かった。

（企画構成：YOJI-GEN）

上位に並んだロッテの3人の野手の中でも、最上位の2位にランクされたのがエチェバリアだ。1年目の昨季は打率.203、4本塁打に終わったが、観る者を唸らせる守備だけでなく、今季は打撃でも期待がかかる【写真は共同】

　DeNAのオースティンが圧倒的な支持を得たセ・リーグとは異なり、パ・リーグは大接戦となった。1位のソフトバンク・モイネロから3位のロッテ・マーティンまで、得票率の差は1パーセントに満たない。さらに4位以下も僅差で続く。

　興味深いのが、2～4位をロッテの選手が占めたこと。「千葉ロッテのリーグ優勝は、この3人の活躍にかかっていると思う」というコメントのように、2年続けてあと一歩のところで逃したペナント奪取には外国人選手の活躍が不可欠だと、多くのファンが考えているようだ。

　2位のエチェバリアに寄せられたのは、その華麗な遊撃守備への賛辞だ。「エチェバリアの守備は華があってわくわく！」「度肝を抜くような守備を見たい」「守備を見るだけでも球場に足を運びたい」。加えて、「華麗な守備と豪快なバッティングに期待したい」「2年目ということでバットのほうも期待しています！」「打撃が開花するかも」などと、バッティングでの爆発を望む声も少なくなかった。

　3位のマーティンに向けられたのは、「ホームラン王」「ホームランを30本くらい打ってくれると思う」「20本塁打以上が計算できて、強肩もある」「パワー＆レーザービーム＆足の速さと積極性」といったプレーに対する期待だけではない。「骨折しても球場に来て応援する外国人はマーティンぐらい」「チームのために自分を酷使するマーティンが報われる日がきてほしい」など、深いチーム愛に共感を覚えるファンも多いようだ。

「ホームラン王を獲ってほしい」「寿司パワーが楽しみ」というレアードが4位。来日8年目となる長距離砲には、「楽天ファンからすると恐怖」と、他球団のファンからもその力を認めるコメントが届いた。

ロッテ勢を抑えて1位に輝いたモイネロ。ソフトバンクのファンにとっては信頼度抜群のセットアッパー、他球団のファンにとっては脅威の存在と映っているようだ【写真は共同】

「圧倒的な投球」「レベルが飛び抜けている」「安定しすぎ…絶対打てん」「打たれる雰囲気がしない。日本も長いのでバッターのことをよく知ってそう」「全ての球種が完成されたウイニングショット並み。対戦相手が諦めているようにすら感じる」などと、ロッテの3人を上回る票を獲得した1位のモイネロには、ソフトバンクのファンが絶大の信頼を寄せる一方、他球団のファンはお手上げといった様子。メジャー行きも噂されながら新たに3年契約を結んだ左腕には、「最優秀中継ぎ・最優秀防御率の可能性大」とタイトル獲得を確信するような声も。

　ソフトバンクでは新外国人のガルビスも上位5人に入った。「実績が違う」「メジャーリーグで素晴らしい成績を収め、攻守揃った選手」「ユーティリティ性と長打力を兼ね備えたホークスの欲しかった選手」「超メジャー級の身体能力を活かした守備」「ジャパニーズベースボールに適応することができれば、ホークスのV奪還のための大きな戦力になる」……。メジャーで何年もレギュラーを張ってきた選手だけに、ファンの期待が膨らむのも当然かもしれない。

　6位にランクされた日本ハムのヌニエスも、メジャーでの実績が十分の新外国人だ。「メジャーで年間30本打っている実績はずば抜けており、まだ若いので日本球界で圧倒的な成績を残してメジャーに返り咲いてほしい」「本塁打、得点力不足にあえいだ打線を活性化させてくれるはずだ」「オープン戦で打撃好調。順応力が高そう」「イメージ以上にコンパクトに対応しており、体も引き締まっているのでかなり打つでしょう」といったコメントのほか、「BIG BOSSのお墨付き」というように新庄剛志監督の高評価を根拠に挙げるファンも少なくなかった。

　ともに来日4年目となる日本ハムの王柏融（8位）、ソフトバンクのスチュワート・ジュニア（9位）に投票したファンのコメントから読み取れるのは、「今年こそは――」という思い。王柏融には、「今年こそは台湾時代のような活躍を期待」「年数的にもそろそろ飛び抜けた成績を見たい」「主力の抜けた穴を埋める活躍をしてほしい」、スチュワート・ジュニアには、「開花してほしい」「そろそろくるはず」と、いずれも4年目のブレイクを願う声が相次いだ。

　ソフトバンクからはグラシアルとレイもトップ10入り。ロッテの3人を上回り、実に5人が上位10人に名を連ねた。昨季は怪我で長期離脱を余儀なくされたグラシアルは7位。「4番として今年こそ活躍してくれると思っている」「今年は主軸としてチームを引っ張れるかに注目」と復活を強く望む声に加え、「打撃だけでなく、果敢な走塁や守備も見せてくれる」「三冠王を獲れる」といった称賛も。かたや、昨季途中に家庭の事情で退団したものの、今季再入団したレイは10位。「去年は退団するまでいいピッチングをしていた」「スタミナも制球も球威も球の質も良いような気がする」「山本（由伸）次第ではタイトルを獲れると思う」などと、ファンは2年目の本領発揮に期待している。

（企画構成：YOJI-GEN）