ゴルフ日本シリーズJTカップの優勝は? 宮里、今平らが演じる熱いドラマに期待

北村収
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提供:JTカップ

昨季、涙の戴冠を果たした宮里優作。自身3度目の優勝を目指し今季もJTカップに参戦する 【写真提供:JT】

 今年で55回目を迎える「ゴルフ日本シリーズJTカップ」。その第1回大会が開催された1963年は、野球は巨人が日本一、相撲は大鵬が年間最多勝力士となり、「巨人、大鵬、卵焼き」という言葉が流行語になり始めていた年。翌年に東京五輪の開催も控えていた高度成長期に、ゴルフ日本シリーズJTカップはスタートした。

第1回大会から続く幾多の名場面

1980年大会では、尾崎将司(写真)が青木功とのライバル対決を制して栄冠に輝いた 【写真は共同】

 ゴルフ日本シリーズJTカップはドラマチックな幕切れが多いが、その歴史は初回から始まっていた。第1回大会の出場者は日本オープン、日本プロ、関東オープン、関西オープン、関東プロ、関西プロの公式戦優勝者5人(日本プロと関西オープンの優勝者が同一選手)。初日80でトップと8打差の最下位だった石井朝夫が、2日目に当時コースレコードの68、3日目と最終日はその日のベストスコアをたたき出して大逆転優勝を演じた。

 その後もJTカップでは、国内ツアー最終戦ならではの激闘の歴史が続く。80年、実力も人気も最高潮だった青木功と尾崎将司による息を飲む優勝争いや、大会前日に父を亡くすという悲しみの中で神がかったプレーを披露し賞金王にも輝いた91年の尾崎直道の優勝など、毎年のようにドラマが起こっている。

 昨年の大会でもドラマが待っていた。大会前、約1700万円差で賞金ランキング2位だった宮里優作が、優勝しなければ逆転できないという状況で強さを発揮した。
 初日と2日目はともに8位タイとやや出遅れたが、3日目に「65」、最終日は「62」という圧巻のプレーで2位に6打差をつけて優勝。最終戦で逆転賞金王を決めた。しかも現職の選手会長が賞金王となるのは史上初ということもあり、宮里本人は喜びの男涙を見せた。

若手からベテランまで…優勝は誰の手に

賞金ランキングを独走する今平周吾(写真)。安定感を武器にJTカップ優勝、そして賞金王を狙う 【Getty Images】

 今季は20代の若手プロの活躍が目立っているが、その中でも本大会の優勝候補かつ賞金王に最も近い位置にいるのが今平周吾だ。ここまでのシーズン、3位以内が7回(うち優勝1回)と常に優勝争いに絡む安定した強さで賞金ランキングの首位を走っている(※1)。昨年は2日目を終えて2位タイにつけるなど本大会との相性も悪くない。今季の好調さで難コースの東京よみうりカントリークラブを攻略するとともに、賞金王の栄冠が期待される。

 また、今季の日本オープンを制した稲森佑貴も注目だ。2015年からフェアウェイキープ率で常に1位。本大会でも昨年5位に入っており、持ち味の正確なショットで頂点を目指す。

 若手の活躍が期待される一方、ベテランも虎視眈々(たんたん)と覇権を狙う。有力候補のひとりは、本大会を2度制しており、昨年の賞金王でもある宮里優作だ。今季は5月下旬から米国ツアーや欧州ツアーなど海外の試合を中心に転戦。途中、腰の痛みに苦しみ、満足のいく成績は残せていないが、プロ初優勝を飾ったゲンの良い大会で、異国の地で培った経験を披露したい。

芹澤信雄プロ、松中信彦さんらに聞く優勝予想

宮本勝昌プロ(左)、藤田寛之プロ(右)の師匠である芹澤信雄プロ(中央)にJTカップについて話を聞いた(写真は2014年のもの) 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 10月某日、数々のドラマを生んだ東京よみうりカントリークラブの名物18番ホールを体感した芹澤信雄プロ、女子の佐藤のぞみプロ、プロ野球で平成唯一の三冠王に輝いた松中信彦さん。3人に、本大会の魅力と“平成最後の”優勝予想など見どころを聞いてみた。
「(同18番ホールは)日本でも3本の指に入る難易度」と話すのは芹澤信雄プロだ。自身も「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場経験があるが、教え子である藤田寛之プロが12年に3連覇、宮本勝昌プロが通算3度も栄冠に輝いており、誰よりも本大会を熟知していると言っていいだろう。「王者の中の王者を決める戦い。雰囲気も最高ですし、みんなここを目指している」と最高の舞台である最終戦の感想を語ったうえで、優勝予想に関しては「やはり(今平)周吾ですかね」と賞金ランキングトップの若武者を挙げた。

 また、佐藤プロは「ぜひ(宮里)優作さんに連覇を」とディフェンディングチャンピオンへ期待を寄せた。松中さんは、「時松(隆光)くんは、息子と知り合いで、是非がんばってほしい。昔からベースボールグリップ(※2)でしたね」と元プロ野球選手の視点ならではのコメント。今季、関西オープンを制した賞金ランキング5位(※1)の若手ホープに「ぜひ頑張ってほしいですね」とエールを送った。

※1 成績データは11月12日時点のもの。
※2 10本の指を全てグリップに添える握り方で、「テンフィンガーグリップ」とも呼ばれる。指を絡める一般的な握り方と比べ、左手の親指を痛めにくい、力を入れやすいなどのメリットがある。

王者の中の、王者が決まる。「ゴルフ日本シリーズJTカップ」

 今季の男子ツアー優勝者と賞金ランキング上位者にのみ出場権が与えられる、歴史と伝統のメジャー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」。今年も名門・東京よみうりカントリークラブで11月29日(木)〜12月2日(日)まで開催される。

【写真提供:JT】

 プロも注目する本大会の優勝レース。大会期間中、会場内の特設ブースでも優勝者予想を実施しており、見事優勝者を当てた方から抽選で全選手のサイン入りボールをプレゼント。また、参加者全員に、もれなく大会オリジナルグッズもプレゼントしている。

【写真提供:JT】

 数々の名場面を生み出してきたこの大会。トップ選手たちのプレーに最後の最後まで目が離せない展開となるだろう。優勝を手にするのはいったい誰か?!また、白熱する賞金王争いを制するのは誰か?!ついに、「王者の中の、王者が決まる。」


<テレビ放送予定>
日本テレビ系全国ネット
【大会3日目】
12月1日(土)13:30〜14:55(22局ネット 生中継)
【大会最終日】
12月2日(日)15:00〜16:55(31局ネット)
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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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